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2008年7月

『玉ねぎの皮をむきながら』感想

『玉ねぎの皮をむきながら』 ギュンター・グラス著 依岡隆児訳

集英社 2,500円+税

 現代ドイツを代表するノーベル文学賞作家、ギュンター・グラスの自伝。玉ねぎの皮をむくように、作家は自らの過去を明らかにしていく。本書の中でナチスの親衛隊員だったことを告白し、世界中に衝撃を与えた。
 あの年代で、ナチスの影響を受けなかった人の方こそ探すのが難しいだろう。とはいえドイツの戦争責任を説いてきた当の本人が、親衛隊員だった過去を今まで隠してきたのだから、擁護の声もあったにしろ、非難がごうごうと巻き起こったのも当然の成り行きであろう。
 グラスは、ニュース映画を見て前線で活躍する同胞に憧れ、いつかは自分も、と夢見る軍国少年の一人だったに過ぎない。Uボートに志願するも「若すぎる」ということで採用されず、17歳のとき、忘れたころに来た召集令状に従って行った先がSSの戦車隊だった、ということらしい。知らなかったとはいえ、ナチスのような犯罪組織の片棒を担いでいたことを恥じて、今まで沈黙を守っていたようだ。

 興味深いエピソードを紹介したい。
 終戦後、アメリカ軍の捕虜収容所で少年ヨーゼフと出会う。グラスはどうやら、この少年がヨーゼフ・ラツィンガー、現
ローマ法王ベネディクト16世ではないか、と思っているようだ。(この出会いについては、本書の中で繰り返し言及されている。)
 2005年4月、ラツィンガー枢機卿が新法王として選出された際、ヒトラー・ユーゲントだった過去も暴露された。制服を着た写真が世界中に出回った。グラスはそれを見て、あの「ヨーゼフ」だと思ったのではないか。
 よしんば、そうでなかったとしても、ラツィンガー氏もドイツ人として「ナチス」という負の遺産を背負っているということに、ある種の思いを持ったことは想像に難くない。本書が書かれたのはその翌年、2006年のことである。
突然の告白は、「ドイツ人の法王就任」が契機だったのではないか。これは、法王にあてた懺悔の書なのではないか。
 そんなロマンティックな妄想を、私は捨てきれないでいる。

 どうしても「告白」に目が行きがちであるが、『作家グラスの修行時代』としても読み応えがある。「このエピソードは、あの作品のこのシーンに使った」とか、どんな状況にあっても、食べ物はもちろん、女そして芸術に飢えていたというグラスに、芸術家としての性を見た。

『鉄腕ゲッツ行状記』感想

「鉄腕ゲッツ行状記――ある盗賊騎士の回想録」

ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン著、藤川芳朗訳  

白水社 2,500円+税

宗教改革で有名なマルティン・ルターは同時代人、16世紀前半に活躍した中世ドイツの騎士、ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンの回想録。ゲーテの戯曲『鉄腕ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』のモデルとなった人物です。
 ゲーテの戯曲では、農民戦争(1524年)の指導者として、自由のために戦う英雄として描かれています。(もっともこの件に関しては、「農民たちに指導者となるよう強要されて仕方なく・・・」と歯切れが悪い。)
 しかしながら、実際は戯曲と異なり、口実を設けては「
Fehdeフェーデ(私闘)」をしかけ、和解金をせしめたり、商人を襲って人質とし、その身代金を要求したりして荒稼ぎしていた「盗賊騎士」だったのです。本書は、そうした「フェーデ」や戦、喧嘩に明け暮らした日々を、この人物がいかに血の気が多い人物であったかを語っています。

 「鉄腕騎士」と呼ばれるようになったのは、戦闘中に右手首を吹き飛ばされたが、精巧な鉄製の義手を手に入れ、ますます暴れまくったため。普通なら絶望してしまうところ、「まだいける!」と諦めない性懲りなさが受けて、この回想録が読み継がれていったのでしょう。(発見されている写本だけで10種類はあるそうです。)
 なお、この鉄腕の精巧な図版が本書に載っていますが、この時代にこんな精巧な義手があったことにびっくりしました。

 巻末の詳細な訳注のほか、各章の最初に訳者による簡単な解説が加えられており、ドイツ中世史に疎い読者にもずいぶんと優しいつくりになっています。(それでも登場人物の多さに頭がこんがらがるが)。

ICEのおまけサッカーチョコ

ドイツ語教室のクラスメートが、3週間のドイツ旅行からお帰りになりました。彼女は70歳を過ぎた今でもドイツ語を学ぶ若々しい女性で、ほかにもいろいろ趣味をお持ちで、「老後はこういう風に過ごしたい」とひそかに憧れております。
冗談で「老い先短いから行けるときに行っておくの」と言って、ご夫婦で毎年のようにヨーロッパにお出かけになります。
今年はシュトゥットガルトに宿を取り、そこからフライブルク、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ケルン・・・と毎日日帰り旅行をしたそうです。気温は33度くらい。

6月のドイツと言えば・・・そう、EURO2008がありましたね!シュトゥットガルトでのホテルのすぐそばには大きな公園があり、そこで大画面TVが設置され、顔にペインティングしたり奇妙な帽子を被った多くの人が応援にかけつけたそうです。夜中まで騒いでいて、そのたびにパトカーのサイレンの音がしたとか。

おみやげにいただいたのがこれ。
ICE(Inter City Expressドイツの新幹線)の1等車に乗るたびに、このチョコが配られたそうです。

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(表)サッカーボールだけど、顔のようにも見える。

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(裏)バラック選手が!

「男の子が喜ぶと思うので、欲しい方どうぞ」とおっしゃったので、「男の子じゃないけど、私が喜ぶので下さい!」と言ってゲットしました。
もったいないのでまだ食べていません。「おいしくないわよ」って彼女は言っていましたが。

M先生がスイスに1ヶ月里帰りなさったので、代講で女性の先生がいらっしゃいました。50代の“おばちゃま”って感じの方で、ハンブルクの出身だとか。わざとなのか地なのか、大仰な抑揚をつけて話されるのでかえって聞き取りにくい・・・。

『八木美知依の箏カフェ』

7月6日、お台場のTOKYO CULTURE CULTUREというイベントスペースで行われたお箏のイベント『八木美知依の箏カフェ』に、箏を習ったことがある友人を誘って行ってきました。
八木美知依さんというお箏の演奏家の方のライブ+実際にお箏に触るワークショップ。しかもお抹茶と和菓子つき!

お箏といえば、「着物着て座って演奏」というイメージがありますが、八木さんはドレス着て立って演奏されるのです。この日の装いは、黒のトップスに黒のアシンメトリーのスカート。裏地の紅絹色が艶めかしい。なんかフラメンコダンサーのよう(←?)です。

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最初に簡単に、箏についてのレクチャー。爪は象牙で出てきているとか、弦は昔は絹だったけど今は「テトロン」という合成繊維が多いとか、胴は桐で、会津産のものがいいなどと、初めて聞くことだらけ。そうそう、胴の裏には穴が開いているんですよ!この空洞で音を響かせるんだそうです。
デモンストレーションとして、一般的な十三弦の箏で古典の曲「千鳥」を、二十弦箏で現代的な曲を演奏して下さいましたが、音色が全然違う!十三弦箏のほうが硬質な音色がしました。

さて、お待ちかねのワークショップ。
親指、人差し指、中指に爪をつけます。箏に対して斜めに座るといいそうです。(これは生田流の作法だとか。)

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弦は外側(自分の体から遠い方)から、1,2,3,4,5・・・となっていて、全部で十三弦あります。これを爪で弾いて音を出す。
しかし初めてお箏を弾きましたが、弦を弾いて音を出すだけで力が要るもんなんですね。終わったあと、しばらくは親指が痺れていました。(初心者なので、変なところに力が入っているせいかも知れませんが。)つい手が寝て爪が弦に対して斜めになってしまうので、何回も直されました。
弦を1音ずつ弾くところから始まって、最終的には、「十五夜お月さん」を弾くところまで行きました。

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お抹茶と和菓子でちょっと休憩。

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お抹茶は、「うおがし銘茶」さんの「ことのは」というお茶。

赤坂の「塩野」さんの和菓子。

(左から)天の川をイメージしたお菓子、琴柱の菓子、干しブドウ

休憩の後、八木さんのライブ。二十弦箏を使ったオリジナルの曲で、中央アジアをツアーしたときにつくったという曲と、アンサンブル曲の「ルージュ」。
ドラムスティックで叩いたり、爪で胴を叩いたり、これがお箏?っていうくらい複雑でダイナミックな演奏。ところどころ「ベーン、ベベン」って感じのお箏らしい音が聞こえますが、シンセサイザーとかハープとかみたいにいろんな音が洪水のように聞こえました。途中で八木さんの歌が入りますが、箏だけじゃなく歌も凄い!迫力!「こぶし」じゃないけど、強い節回しが曲にハマってて圧倒されました。
普通、お箏は右端を使いますが、左端のほうでも弾いたんですね。右に移動するにつれて音が高くなったので、「へー、1本の弦でこんなに音が変わるんだ~」とびっくりしました。

最後は質疑応答して解散。「家族ができたよう」と、八木さんは終始微笑を絶やさずにニコニコされていました。
いい体験になりました。またこんな機会があったら参加したいです。

≪八木美知依さんのブログ↓≫

http://michiyo-yagi.cocolog-nifty.com/

BiND for Weblife 体験版 使用レポート

私は自分のホームページをwordで作っていますが、文字と写真だけのシンプルなつくりで、見栄えもあまりよくありません。

知識がなくても、プロ並みのデザインのホームページが作れる、という宣伝文句にひかれ、BiND for Weblife 体験版をダウンロードしてみました。

動作環境としては、

WindowsXP SP2
IE6以上、
256MB以上の搭載メモリ(512MB以上推奨)
500MB以上のハードハードディスク空き容量
(2GB以上の空き容量推奨 / RAID環境を除く)

が必要です。

私のノートパソコン 富士通 FMV-BIBLO NB16C 

IE6
搭載メモリ 736MB
ハードハードディスク空き容量
Cドライブ:82.7GB
Dドライブ:18.7GB

なので、私のノートパソコンでも動くことは動くのですが、なにしろ遅い!ソフトを起動するとファンが回りっぱなしです。変更をしても、それが反映されるまでに5秒はかかっている。
私はIE7を信用していないので、IE6のまま使っていますが、このソフトはもともとIE7を標準にしているので、IE6だと処理に時間がかかるそうです。

テンプレートは、おしゃれでシックな色合いのものが揃っていて、テンプレートどおりに作ると、たしかに垢抜けたサイトができそう。でも逆にピンクとか鮮やかな色合いのものがないので、私は物足りなかったです。

画面を、いくつかのブロックに分け、そのブロックごとに編集します。要領さえ覚えたら簡単に編集できそう。しかしマニュアルが手元にないこともありますが、どこをどうやって変えたらいいのかが分かりにくかったです。
テンプレートの色などはここで変えられますが、文字の色が変えられません。ダークグレイ一色です。レイアウトも、ブロックの大きさを自由に変えることはできません。

使いこなせれば素敵なのができそうですが、何しろうちのパソコンは馬力がないのでたぶん使用継続はしません。このレイアウトを真似て作ってみようかな。

それに、あと大きな問題が。けっこう頻繁に「不具合が起こった」と強制終了してしまうんですよね・・・。

蜘蛛を殺す

ドイツ語教室、今週から7月期に入りました。
教科書も、Hueber社から出ている「Lagune 3」になりました。Themen 3 よりは易しそう・・・。

今仮定法を使った文をやっているのですが、設問に、「浴槽に蜘蛛がいたらどうする?」というのがありました。水で流す、別の人に取ってもらうという人がいましたが、私は「殺さずに逃がす」と答えました。

In Japan,wenn man die Spinne tötet,bringt das Etwas Ungrückliches.

「日本では、蜘蛛を殺すとよくないことがおこる」と言われている、と言ったら他のメンバーの中には「聞いたことない」なんていう人もいましたね。

あとでネットで調べたら、「朝の蜘蛛を殺すと親の死に目に会えない 」とか「朝蜘蛛は仇でも殺すな」「夕蜘蛛は親でも殺せ」とか、朝と夜が逆になっているヴァージョンもありました。
私は、蜘蛛は「神様の使い」みたいなことを言われたような気がするのですが、なんとなく、ハエやゴキブリと違って、殺してはいけないような雰囲気がありますよね、蜘蛛って。祟りがありそうで。

先生に、蜘蛛にちなんだドイツ語のことわざSprichwortを教えてもらいました。


Spinne am Morgen ―― Kummer und Sorgen
Spinne am Abend ―― erfrischend und labend

朝に蜘蛛を見ると、心配事がおこる
夜に蜘蛛を見ると、元気になれることがおこる

直訳するとこんな感じ?Morgen ―― Sorgen、Abend ――  labendで韻を踏んでいます。ちなみにこのことわざ、ドイツでは言うけど、スイスでは言わないそうです。

フィガロ・ヴォヤージュVol.13『ドイツのやさしい暮らし』

ドイツ、負けましたね・・・。バラックの「準優勝の呪い」が・・・。

28日(日本時間29日)に行われた決勝戦、1-0でスペインが勝ち、1964年以来、44年ぶりの優勝を飾りました。

文句の付けようのないほどスペインは強かったし、ドイツは、準優勝のトルコ戦で力を使い果たしちゃったの?というくらい動きが悪かったようです。ラーム選手なんか、スペインのFWにあっさり抜かれて1点を決められてしまうし。
それでも、大会後の“打ち上げ”、ブランデンブルク門前でのファンフェストでは、10万人のファンが集まってドイツ代表の健闘を称えました。でも、「Die Sieger unserer Herzen僕らの心の勝者」とかって負けたときの決まり文句ですが、ちょっとさみしいね。皆で揃いのTシャツを着ていましたが、あれ欲しいな・・・。

http://sport.ard.de/euro2008/news200806/30/bg-feier-berlin.jsp

さて、話変わって、フィガロ・ヴォヤージュの最新号を見ました?なんとドイツ特集です!

『ドイツのやさしい暮らし』阪急コミュニケーションズ 

定価980円(税込)

http://madamefigarojaponvoyage.hankyu-com.co.jp/

バウムクーヘンの穴からのぞいている男の子が表紙です。
クローズアップされている街は、ベルリン、北ドイツ、南ドイツ。
手づくりとエコとウェルネスがテーマなので、ゆったり、ほっこり系が好きな方は特にお勧め。
そのかわり、「街角の風景」的なものは少ないので、物足りなく思う人もいるかもしれませんね。

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