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2008年8月

「ポーランド旅行」感想

「ポーランド旅行」  アルフレート・デーブリーン著 岸本雅之 訳

鳥影社 2,400円+税

 初めての土地で、気分が高揚したかと思うと、その次の瞬間心がふさいだりすることがないだろうか。独立したばかりでワサワサしている国ならなおのこと。これは「アレクサンダー広場」の著者、アルフレート・デーブリーンが、1924年にポーランドへ旅したときの見聞記である。
 1924年と言えば、ポーランドが長年のドイツとロシアの支配から脱して独立を果たして6年目、希望そして混乱に満ちていた時期である。「今この国で何が起こっているのか」を見るための旅だった。通りから通りを歩きながらポーランドを「体験」する一方で、民族と国家の関係について考えたりもする。例えば、ロシア教会の打ち壊しについて理解を示すが、それでもその後行った小都市ルブリンで同じことが起こっているのを見て、「組織的に破壊する必要があるのか」と憤慨する。ロシアに虐げられてきたのにもかかわらず、ポーランド人は少数民族であるウクライナ人の自治は認めないことに疑問を覚える。また、デーブリーンは行く先々でドイツ的なものに触れてほっとする反面、興醒めに思ったりもしている。本屋でドイツ語の書籍を見つけて喜ぶが、よく見るとそれが台頭しつつあったナチスに関わるものだと知り愕然とする。
 そしてもう一つ、ユダヤ人としてのルーツを探る旅でもあった。両親の代にベルリンへ出てきて、そこで育った彼にとって、伝統的なユダヤの文化はなじみのあるものではない。彼はカトリック教会を訪れ、「処刑された人」キリストにも惹かれるが、その足でユダヤ人街へ行き、シナゴーグ(ユダヤ教会)でラビ(ユダヤ教の宗教的指導者)の話を聞く。ポーランドにおけるユダヤのコミュニティーがナチスによって滅ぼされた現在、当時を偲ばせる貴重な資料である。

DVD「プロミス」感想

 「さらば、わが愛/覇王別姫」のチェン・カイコー監督の、日本(真田広之)、韓国(チャン・ドンゴン)、香港(セシリア・チャン)を代表する俳優陣でおくる中華ファンタジー。

 未来より3000年前、少女は満神(運命の女神)とある約束をする。「望むものはすべて手に入るが、真の愛だけは得られない。それでもいいか?」という問いかけに少女は「それでもいい」と答える。
 20年後、今は王妃となった少女=傾城を奪うため、北公爵・無歓が王に反旗を翻す。助けに駆けつけた華鎧の男は、誤って王を殺してしまう。
 伝説の甲冑「華鎧」は、「戦神」と称えられるほどの武人だけが着ることを許され、今は大将軍・光明が持ち主である。しかしこのとき華鎧を身に着けていたのは、北公爵の刺客にやられて大怪我をした主人の代わりに来た奴隷・昆崙だったのだ。(仮面をつけて素顔を隠していた。)
 そうとは知らず「華鎧の男」=光明に恋をする傾城。光明も真実を隠したまま二人は結ばれる。
 しかしそれもつかのま、北公爵の策略により二人は捕らえられる。「王殺し」の罪で裁判にかけられた光明を、真実を述べ昆崙は助け出そうとする。そのとき初めて、あのときの「華鎧の男」の正体を知り、揺れ動く傾城。
 最後は、光明、北公爵ともども相討ちとなり息絶える。生き残った昆崙は、時空を超えられる黒い衣―― 一度着たら最後、脱ぐことは「死」を意味する――を身にまとい、「もう一度道を選ばせてあげる」と傾城を過去へ連れて行くのだった。
 
 この世界では奴隷は立つことを許されていないようで、昆崙が怖ろしいほどの速さで這い這いしたり、昆崙が北公爵に捕まった傾城を助け出すときに、凧揚げ状態でつれて逃げたりとか、あまりに荒唐無稽で、公開当時は評判はよくなかったようですが、私はファンタジーなんだし面白いと思ったけどな~。
 とくに香港のスターのニコラス・ツェーが演じた北公爵が、超傲慢でナルシシストで笑えます。指示を出すのも、先っちょに金色の指がついた棒を使うんですよ。こんな屈折した人間になったのも、「子供の頃、傾城にだまされたため」、というのは笑うところなのかしら・・・。
 それはともかく、映像も幻想的できれいだし、CGやワイヤーアクションも迫力あるし、衣装デザインが日本のイラストレーターの正子公也さんですが、流麗でほんとに素敵。
「華鎧」の将軍=真田広之が美しい!この俳優さんに「美しい」と形容することがあろうとは思わなかったですよ。

フェルメール展

 東京都美術館で開催中の『フェルメール展』を見に行ってきました。
朝日新聞がやっている会員サービス「アスパラクラブ」の懸賞に当選したんです!くじ運の悪い私が嘘みたい!

 フェルメールの残した作品はわずか30数点ほど。そのうちの7点が一堂に集いました。そのほかに、フェルメールの故郷・オランダのデルフトで活躍した画家の作品約35点が展示されています。

 当選者のみの特別招待日なのでそれほど込んでないし、作品数も多くないのでゆったりと鑑賞することができました。一つ一つの作品に解説がついているのも親切。たとえば、ヘラルト・ハウクヘースト「デルフト新教会の回廊」。言われれば「あれ?」とは思うものの、普通ではありえないパースで描かれています。これは魚眼レンズで見たところを想定して描かれているとか。

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 あと、今回知ったこととしては、1654年にデルフトで火薬倉庫が爆発するという大事故が起こったこと。今回来ている画家の中にも、犠牲になった人がいます。フェルメールはその後も生きていたことを考えると、事故には巻き込まれなかったってことですね。

 一番気に入った作品はフェルメールの「小路」。これは現存する2点の風景画のうちの1点だそうです。フェルメールのよさは、やはり光の使い方ですね。静謐な中に、人物の息遣いまで聞こえてきそうです。

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 画集だと大体みな同じ大きさに揃えられているので分かりませんでしたが、チラシなどでクローズアップされている「ヴァージナルの前に座る若い女」などはA5サイズという小さなものでした。百聞は一見にしかず。このところ美術展とはご無沙汰でしたが、やっぱり本物を見るのはいい経験ですね~。

花火FEUERWERK

 ドイツ語の授業、スイスからM先生が帰ってきました。1週間はタイに旅行した、とのことですが、あまり焼けてませんでしたね。
 今日のテーマは「日本の夏Sommer in Japan 」。
 まずはやっぱり「
花火Feuerwerk」でしょう。私の地元近辺でも、大きな花火大会が3回は開かれます。コンビニに行けば花火セットが売っているくらい、「夏」といえば「花火」です。
 ところが、スイスでは年に1回、
8月1日にしか花火はしないそうです。その日はスイスの建国記念日です。
 スイスでは、前に事故で死傷者が出たことがあって、花火を買うには、事前に講習を受けて修了証をもらわないとダメなんだそうです。だから日本みたいにコンビニで簡単に買えるのが信じられない、と先生はおっしゃってました。「スイスは何でも免許が必要だ。」とも笑ってましたが・・・。
 ドイツやオーストリアでは、大晦日に花火を上げますが、スイスではやらないとのこと。ひとくちにドイツ語圏と言っても、よく見れば違いがあるんだな~、ということがわかって勉強になりました。

 今教科書はLagune3を使っています。CDは3枚1組らしいのですが、なぜか3枚目のしか添付されていません。しかもそれは教科書本文と言うより、おまけのページというか応用編のページの内容が中心なので、出来るところが限られています。先生も1,2枚目がどうなっているのか、いつ出るのか、よく分かっていない様子でした。
 設問も、「このセンテンスを使って自由に文章を作れ」的なものが多く、想像力のない私は例文が思いつかず、授業で途方にくれています。
 それってドイツ語以前の問題だよな~、何とかしないと。

DeLi

DeLi第9号が届きました。表紙がPP加工だ。グレードアップしたな~。私は友人から教えてもらって第3号から読み始めましたが、最初の頃はまるで大学の紀要みたいだったのに。・・・今でも文芸部の同人誌みたいだが。(年1回発行だし。)

さて、DeLiとは、

Deutsche Literaturドイチェ・リアテラトゥーア」の頭文字をとって、DeLi。
2003年に創刊された雑誌で、新進気鋭のドイツの作家の作品を中心に紹介しています。文学だけじゃなく、新刊の書評や映画のレヴュー、とくに演劇(戯曲)に力を入れているようです。
ドイツ文芸誌、といっても、日本語で書かれているのでドイツ語を知らなくても大丈夫です!

第9号の中身ですが、

○ インゲボルグ・バッハマン「マンハッタンの神様」(放送劇)
○ ウラ・ハーン「ツーク・シュピッツェ/蛾」短編小説
○ カール-マルクス・ガウス「サラエヴォのセファルディム―最後の人々―」ノンフィクション

白水社のフランス文芸誌「ふらんす」みたいなおしゃれな雑誌ではないし、おかたい内容ですが、興味がありましたらぜひお読みください。

DeLi公式サイト

http://www.h7.dion.ne.jp/~deli/index.htm

今、リンク張るためにサイト見たら、おしゃれにリニューアルされていた・・・!ちょっとビックリ。

ロシア・アヴァンギャルド展

所用で池袋まで行ったので、帰りに東武百貨店でドイツパンを買ってきました。

吉祥寺のドイツパンの店Lindeの出店です。
うちの近所じゃドイツパンを買えるところがないから嬉しいわ。

Zatu

<左・ブレッツェル、右・カイザーゼンメル(トッピングはひまわりの種)>

それから渋谷に回って、文化村で「ロシア・アヴァンギャルド」展を見てきました。

ロシア・アヴァンギャルドを代表する画家、マレーヴィチはやっぱりかっこいいわ~。「刈り入れ人」(1912~3年作)という絵の、色彩と構成の斬新さ、迫力に思わず唸ってしまいましたよ。
この展覧会の第2の目玉の、グルジアの画家
ニコ・ピロスマニの作品は、素朴で力強いところが、妙に人の目をひきつけて離さない感じで、なかなかよかったです。ちなみにこの画家、「百万本のバラ」という曲の実在のモデルなんだそうです。
しかしグッズが高すぎる!たかがトートバッグが1,890円ですよ?欲しい柄だったけど、買うのやめました。890円なら買ったけどな・・・。

今度文化村で「わが教え子ヒトラー」という映画をやるというので、ついでに前売りも買いました。
「善き人のためのソナタ」の主人公を演じたウルリッヒ・ミューエが、ヒトラーに演技指導をするユダヤ人役で出てきます。ヒトラーをコミカルに、人間的に描いているというので、本国でも賛否両論が巻き起こったそうです。

「わが教え子ヒトラー」公式ホームページ

http://www.cinemacafe.net/official/waga-oshiego/#

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