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フリードリヒ・グラウザー『老魔法使い』感想

「老魔法使い」フリードリヒ・グラウザー著・種村季弘訳
国書刊行会 定価3,800円+税

ヤーコプ・シュトゥーダー。ベルン州警察の刑事。定年まであと少し。口ひげをたくわえた「鼻筋の奇妙に細長い蒼白い顔」に「いくぶん脂肪の付き気味の身体」。
かつては「警視」だったが――パリやウィーンでも名を知られているらしい――、ある銀行事件で失態を犯し、ヒラ刑事からやり直さなければならなかった男。
しかし込み入った事件になると、必ず彼に捜査が任せられる。

フリードリヒ・グラウザーの生み出したシュトゥーダー刑事Wachtmeister Jacob Studerは、”スイスのメグレ”とも言われ、スイスでは人気のあるシリーズだそうです。
日本では種村季弘氏の翻訳で紹介されていますが、だいたいはっきり言って推理小説として面白い、とは言いがたい。(ドイツ語圏の推理小説自体、あまり「面白い」っていう評価は聞かないけど・・・)

例えば、表題作『老魔法使い』では、シュトゥーダーが殺人事件の捜査のためベルンから近郊の村へ出かけてゆく。その村では老農園主のところで、たて続けに妻が不審死をする。その老農園主のもとを訪れ、一言二言言葉を交わすと、それは核心を突く言葉だったらしく、とたんに彼は白状する――。
どの作品も多少の差はあれこんな感じで、あまり派手なトリックも展開もなくて、登場人物も普通の人々。
この作品集では閉鎖的な田舎が舞台、というのが多かったので、横溝正史の金田一耕介シリーズを思い出しました。横溝作品と違ってだいぶ飄々としているけど。

「独文学者」と言う肩書きでは語りきれないほど多彩な顔を持つ、「あの」種村氏が入れ込んだのだから、何かがあるはず、と期待しつつ読んだのですが、一読しただけではそこはよく分からなかったです。でもスルメのように後を引くというか・・・。シュトゥーダー刑事はもちろん、友人の公証人ミュンヒとか地区巡査のムールマンとか、脇役もいい味出してます。
とりあえず他のシリーズ『狂気の王国』他を借りてこようと思いました。

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