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フリードリヒ・グラウザー『砂漠の千里眼』感想

『砂漠の千里眼』フリードリヒ・グラウザー著・種村季弘訳
作品社 定価2,300円+税

シュトゥーダー刑事シリーズ2作目。

パリに出張中のベルン州警察刑事シュトゥーダーのもとに、一人の奇妙な神父が現われる。彼はアルジェリアに駐屯している外人部隊で「千里眼伍長」の異名を持つ兵士に出会う。ある日突然その男に、神父の死んだはずの兄が乗り移り、スイスにいる亡兄の最初の妻と二番目の妻とに死をもたらすと言うのだ。
スイスに戻ったシュトゥーダーはさっそく二人の夫人の家を訪ねるが、予告通り二人は相次いでガス自殺を遂げていた。
どうやらこの事件には、15年前亡くなった神父の兄の、アフリカでの油田採掘権が絡んでいて、スイス政府にも大いに関係があることが判明。シュトゥーダーはすぐさまパリへ飛ぶが、フランス警察にスパイ嫌疑をかけられてしまう。シュトゥーダーはフランス警察の偽警視に変装し、アフリカの外人部隊へと潜入していく。

今回のシュトゥーダー刑事は、スイスの国益と、正当な相続人である娘のために、世界を股にかけて走り回ります。(青池保子の『エロイカより愛を込めて』第11話「9月の7日間」を思い出しました。)
同名の人間が何組も出てくる(ヤーコプ=シュトゥーダーとヤーコプ=コラーなど)し、変装したり、他人の名を騙ったり、偽名を使ったりと、話としてはややこしくないんだけれど、誰が誰なんだかがややこしい。トリックよりも、シュトゥーダー刑事のプライベートな部分が面白い。賢い女房殿とか、パリの警察仲間、実は外人部隊に憧れていた、とか。

外人部隊といえば、耕地の少ないスイスでは昔から傭兵稼業が出稼ぎの最たるものだったそうです。(ヴァチカンのスイスガードが有名ですね。)フランスの外人部隊でも、発足当初はほとんどがスイス人だったそうです。スイス=酪農で、牧歌的なイメージがありましたが、ひとつ勉強になりました。

作品の冒頭、パリの友人たちと飲んでいるワインがヴヴレー。「なかなかずる賢いワインじゃないか」って言われてるけど、どんなお味なのかしら、と興味津々。

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