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DVD『12人の怒れる男たち』感想

ロシアの巨匠ニキータ・ミハルコフ監督のロシア版『12人の怒れる男たち』。日本でも裁判員制度がもうすぐ始まる今、まことにタイムリーな作品かもしれない。

現代のモスクワ。ある裁判のために集められた12人の男たち。
容疑者は、ロシア人の育ての父を殺したとされるチェチェン人の少年。状況証拠は完璧にそろっており、有罪確定かと思われた。しかし、異議を唱えた男が一人いた。「人の命がかかっている。もっと真剣に話し合おう」
話しあったり、状況を再現したりしていくうちに、男たちは次々と「無罪」へと意見を変えていった。
しかし最後まで「有罪」を主張して譲らない男(←監督兼主演のニキータ・ミハルコフ)がいた。しかもその理由は、養父を殺した犯人は別にて、無実の少年を釈放すると、その真犯人に殺される。「有罪」ということにして、刑務所に匿ったほうがいい、というのだ。果たして12人の男たちが下した結論は?

12人の男たちの討論の場面と、少年の回想が交互に映し出されます。回想によると、養父はチェチェンに駐在していた特殊部隊の将校で、少年の一家と親しかった。銃撃戦で両親を亡くし、ひとり生き残った少年をモスクワに連れ帰ったものらしい。このフラッシュバックのように挿入される回想シーンが、緊迫した討論シーンに風穴を開けてくれると同時に、戦いのさなかではあったけれど両親もいて幸せだった子ども時代と、殺人の罪を着せられて獄舎に繋がれた現在との落差を際立たせていました。

討論の場面からは、男たちが自分のことを語り、そこから現代ロシアの闇が浮かび上がってきます。(人種差別主義者のタクシー運転手とか、金持ちを騙してディベートをもらう墓堀人夫とか。)またこの殺人事件には、不動産取引に関わる陰謀が絡んでいるのではないか、とほのめかされています。
ラストは、判決シーンと、判決を待つ間、留置所の中で故郷チェチェンの踊りを踊って寒さを凌ぐ少年の姿が交互に映し出され、あっと驚く鮮やかな幕切れでした。すごい。

裁判員制度について紹介しているこちらのサイトによると、
「陪審制とは、基本的に犯罪事実の認定(有罪か無罪かどうか)は陪審員のみが行い、陪審員は量刑に関与しません(裁判官が法律問題(法解釈)と量刑を行う)。
陪審員は事件ごとに選任され、評決は原則として全員一致。」

日本でも、平成21年5月21日から裁判員制度が始まります。
「裁判員と裁判官が合議体を形成するという点では、参審制と同様。ただし、裁判員は事実認定と量刑を行い、法律上の問題は裁判官のみで行う点で、参審制と異なります。また、裁判員が事件ごとに選出される点は、陪審制と同じです。このように裁判員制度は、陪審制、参審制とも異なる、
日本独自の制度だということができます。」(上記サイトより)

裁判員は、有罪か無罪かだけじゃなくて、量刑も決定する制度なんですね。ここにきて初めて知りましたよ。
選ばれたら辞退できない国民の義務、それよりも自分に人が裁けるか。
この映画のように、論議を尽くして納得のいく結論を導き出せるのか。

映画の最後でB・トーシャという人の言葉が引用されています。「法は強くて揺るぎないが、慈悲の力は法をはるかに凌ぐ
もしも裁判員に選ばれることがあったとしたら、この言葉を胸に刻んで臨もうと思います。
まあ、慈悲をかけるまでもない凶悪犯人もいるかもしれませんが。

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