コルネーリア・フンケ『魔法の声』感想
機内上映で見た日本未公開の映画「INKHEART」。原作は、ドイツで大人気の児童文学作家、コルネーリア・フンケの『Tintenherzティンテンヘルツ:インクハート』。日本では『魔法の声』という題名で、WAVE出版から出ています。
インクのように黒い心、「闇の心」を持った悪漢に立ち向かう12歳の女の子の物語です。
メギーは本の修繕を生業とする父モルティマ(モー)と二人暮し。母親の記憶はない。
ある日、「ホコリ指Staubfinger」と名乗る男が訪ねてきて、「あの本をカプリコーンに渡せ」と迫った。
翌日、逃げるように大叔母エリノアの家に行ったが、しかしモーはカプリコーンの一味に連れ去られてしまった。メギーはホコリ指の案内で、エリノアとともにカプリコーンの村へ向かう。
実はモーは、本を朗読すると、物語の登場人物や物をこの世に呼び出すことが出来る魔法の声の持ち主だった。しかしそのかわりに現実世界のものが本の中に入ってしまうのだった。メギーが3歳のとき、『インクハート』という本を朗読していたときに、悪漢カプリコーン、その手下バスタ、火を吐く大道芸人のホコリ指を呼び出してしまった。そしてメギーの母テレサが本の中に送りこまれたのだった。
モーは妻を取り戻すため、ホコリ指は元の世界に返るため、カプリコーンは「あるもの」を呼び出すため、『インクハート』を求めていた。
カプリコーンが呼び出したいものとは、あらゆるものに死をもたらす<影>という不死の怪物。
メギーがモーの能力を受け継いでいることが判明すると、カプリコーンはメギーを着飾らせ、<影>を呼び出すための儀式を行うことにした。
なんやかんやあって、最後は母親とも再会してハッピーエンド。声を失った母親のために、自分で物語を書きたい!と願うところで第1部・完。そう、これは3部作なのです。
第2部が『魔法の文字(原題Tintenblut(インクの血) 』(WAVE出版)、第3部が未訳で『Tintentod(インクの死)』。
映画では、カプリコーンの村を逃げ出すのに『オズの魔法使い』を朗読して竜巻を起こしたり、メギーが『インクハート』の内容を書き換えてピンチを脱したり、原作より派手な展開になってましたね。
エリノア演ずるヘレン・ミレン(『クイーン』でエリザベス女王を演じた女優)がバイクで疾走、かっこいいー!日本公開、するのかな・・・?
コルネーリア・フンケのサイト
http://www.corneliafunke.de/
映画『INKHEART』のサイト
www.inkheartmovie.com
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コメント
遅まきながら、えらいすんまへん。
2つ下の「マカロンの代わりにそばぼうろ」、京都人としては、すごく嬉しい!
そばぼうろはドイツ食材やってんね。
それはそうと、例の件、遅れてしもてえらいすんまへん。
明日は何とか拝見出来、、、、、ると良いのですが、、、。
投稿: yanosch | 2009年6月20日 (土) 22時18分