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文楽9月公演『天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)』

シェ-クスピアの戯曲『テンペスト』を日本の中世を舞台に翻案した、文楽9月公演『天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)』。初日の舞台を見てきました。

普通だったら、開演に先立って黒衣が出てきて「とざい、とーざい~」とやるのですが、いきなり会場が真っ暗に。幕が上がると、舞台の上には六人の三味線と、十七弦の箏が一人の迫力のある演奏。後ろでは海を描いた布が旗めいていて、嵐の様子を表しています。ブン回しが回って太夫と三味線が登場、舞台の上の奏者たちは弾きながら退場します。うわ~、斬新な演出だわ。

筑紫の国の大領・秋実とその老臣・日田権左衛門、阿蘇の城主・刑部景隆らを乗せた船が大嵐に遭い難破、一行は南海の孤島に漂着する。その島には、12年前に弟・刑部景隆によって地位を追われ海に流された、阿蘇左衛門藤則と娘・美登里が暮らしていた。船を襲った嵐は、12年前の復讐をするために、左衛門が手下の妖精・英理彦に命じて用いた方術の力によるものだった。

主遣いは顔を出して演じていることが多いですが、この作品では主遣いも黒衣の頭巾を被ってましたね。 その昔島を支配していた髑髏尼によって松の木に12年もの間挟まれていた、妖精・英理彦(=エアリエル)。助けてくれた左衛門の恩に報いて、彼の下で働いている。英理彦のキャラデザ(←?)がユニーク。みずら風に結い上げた髪から編みこんだ紐をたらし、パステルカラーの衣をまとっていて、天人か童子かというイメージ。ピーター・パンのように、舞台の上を縦横無尽に飛び回ります。

死んだと思われていた大領の嫡男・春太郎は、森の中で美登里に出会い、二人は一目で恋に落ちる。しかし親が仇同士ということで、「斬って恨みが晴れるなら」と春太郎は自らの首を差し出す。春太郎の心底を見極めた左衛門は、春太郎に丸太運びを命じる。やり抜いた春太郎は、美登里との結婚を許される。

左衛門にこき使われているのを恨みに思う下男・泥亀丸(でかまる)は、漂着した茶坊主をおだてて左衛門を殺させようとする。しかし英理彦の術によって、散々に懲らしめられる

泥亀丸は髑髏尼の息子で、人とも獣ともつかぬ醜い男。平べったい顔、毛むくじゃらの長い手は、オランウータンのよう。
英理彦の使う妖精たちは、頭が鳥。雀、白鳥、なぜかペリカン。メルヘンの世界です。浄瑠璃とメルヘンの融合!ミスマッチに最初は違和感を覚えます。この子たちが怪鳥に化けたり、巨大毛虫になったり、般若の顔に手足がついた化け物になったりします。

疲れた足取りで森にたどり着いた大領一向。英理彦が妖精たちに命じてご馳走を彼らの目の前に用意させるが、続いて怪鳥が現れ、それを全部食べてしまう。その上、12年前の悪行について暴露、それを聞き大領たちは半狂乱になるのだった。
だが、左衛門は更なる復讐を思いとどまり、過去の罪を悔い改めさせ、許すことを決意する。和解した一同は、一緒に本国に帰ることにする。

最後に、方術の力を捨て、英理彦の呪縛をといた左衛門が一人残り、観客に語りかける。「自分を島にとどめるのも本国に帰すのも、皆様のお気持ち次第。本国に帰してもいいとお考えならどうか拍手を」。で、幕。
ここはシェークスピアの原作を意識した演出なんでしょうね。

演奏テンポも、通常の作品よりも早かったし、三味線のほかにもいろいろな楽器が使われていました。背景も、椰子の木やラフレシアの花がいつもの画風で描いてあって不思議な感じがしました。
シェークスピアが、西洋の物語がどんな風になるのかなあ、と楽しみにしてましたが、意表をついていてなかなか面白かったです。文楽なんだけど、文楽じゃないみたい。
ただ、ドタバタとちょっとせわしない印象があるかな~。まあ、喜劇だしね。

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