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ダニエル・ケールマン著『世界の測量 ガウスとフンボルトの物語』感想

世界の測量 ガウスとフンボルトの物語
Die Vermissung der Welt
ダニエル・ケールマン著/瀬川裕司訳
三修社 定価1,900+税

なんとも、痛快。

ウンター・デン・リンデンにあるベルリン・フンボルト大学の創始者ヴィルヘルム・フォン・フンボルトの弟にして、博物学者・地理学者アレクサンダー・フォン・フンボルト。(フンボルトペンギンやフンボルト海流にその名を残す。)
天文学者・物理学者であり、近代数学のほとんどの分野に影響を及ぼした数学者カール・フリードリヒ・ガウス。
この、学問の世界に偉大な足跡を残したドイツ人ふたりを主人公に据えた、奇想天外な小説。

1828年、フンボルトとガウスがベルリンの会議で出会う。ここから物語は時をさかのぼり、1章ごとに彼らの生い立ちを描き出す。
そして現在(1828年)に戻り、ガウスの息子が学生運動に巻き込まれるという事件をとおして二人は意気投合する。
その後も交流は続き、二人の状況が交互に描かれ、ロシア探検に旅立ったフンボルトと、家で望遠鏡で天体を見ているガウスが一つになる幕切れは鮮やかだ。

片や現場を歩き回っての情報収集、片や得意の数学を使っての理論構築。対照的な方法で世界の測量に取り組んだこの二人をくっつけた、というのがこの小説の面白さ。偏屈で傲慢なガウスに対し、世慣れているようでいて、研究のためなら周囲もお構いなしのフンボルト。歴史的人物を扱った話って、面白くないものが多い(と思う)のですが、軽やかでテンポもよくってついつい引き込まれます。フンボルトの助手ボンプランのボヤキもまた楽し。

「一八二八年九月、国内最高の数学者が、ベルリンで開催されるドイツ自然科学者会議に参加するために、長年住み慣れた街を久々に離れた。もちろんそんなところに行きたくはなく、何か月にもわたって拒み続けたのだが、アレクサンダー・フォン・フンボルトからの誘いは執拗だった。だから彼は、少し弱気になっていた時期に、そんな日が永遠に来ないことを祈りつつ、参加を承諾する返事をしてしまったのだ。」

小説の冒頭ですが、こんな感じ。
特にフンボルトの南米探検のくだりはワクワクします。200年も前にこんなドイツ人がいたんだな~。

『僕とカミンスキー』じゃなくて、こちらの方を映画化すればいいのに。無理か。

世界の測量 世界の測量

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