『DeLi』第10号 刊行
『DeLi』は、ドイツ語圏文学・文化の新しい動向を広く紹介する文芸誌です。
第10号が刊行されました。(去年の12月に出る予定って聞いていたけど・・・。)
目 次
巻頭エッセイ 『記念の日々と文学 最近のドイツ文学から』
詩 『ラジオの中に海』ユルゲン・ベッカー
短編小説 『漂える日々』ジャクリーヌ・モーザー
短編小説 『六本木』ヨーゼフ・ヴィンクラー
長編小説 『戦争と世界』ペーター・ウォーターハウス
戯曲 『シベリア』フェーリクス・ミッテラー
書評 想像力の殺戮者『黒魔術による世界の没落』
『ネリー・ザックス詩集』綱島寿秀訳・編
劇評 『昔の女』(倉持裕演出)
映画評『そして、私たちは愛に帰る』
ヨーゼフ・ヴィンクラーの『六本木』は、題名から「外国人の目から見た日本」的なものを想像してしまうがそうではなく、父親の訃報を聞いた場所が六本木ということなんですね。オーストリアの農村、父の葬儀というモチーフ、それに一文一文が長いということで、トーマス・ベルンハルトの『消去』を想起させます。
フェーリクス・ミッテラー『シベリア』というのも、舞台はシベリアではなく老人ホーム。家族によって施設送りにされた老人が、シベリアで捕虜になったときのほうがまだマシだったと憂う話。
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