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DVD『路上のソリスト』感想

路上のソリスト 【VALUE PRICE 1500円】 [DVD]

「ロサンゼルス・タイムズ」誌のコラムニスト、スティーブ・ロペスは、ある日べートーヴェンの銅像のある公園で2本しか弦のないヴァイオリンを弾くホームレス、ナサニエル・エアーズに出会う。
 彼の奏でる美しい音楽に魅せられたロペスは、コラムのネタとして取材を始める。それで分かったことは、ナサニエルが才能あるチェロ奏者で、ジュリアード音楽院の学生だったこと、しかし心の病のためその前途を閉ざされたということだった。

ロペスのコラムは評判を呼び、使わなくなった自分のチェロを寄贈すると言う人まで現れた。路上生活を心配するロペスは、ホームレスの支援センターにチェロを預け、そこで弾くことを提案する。
そのほかにも、アパートを世話したり、ロサンゼルス響の主席チェリストの指導を受けられるようにするなど、何くれとなく面倒をみる。
ナサニエルのほうも、そんなロペスを慕い、神のように崇めていた。

しかし、ナサニエルを統合失調症患者として、彼の姉を後見人に据え施設に入れようとしたところ、ナサニエルは「自分のことは自分で決める」と怒りを爆発させた。
彼の信頼を裏切ってしまったことに気づいたロペスは、ナサニエルを助けようとしたことが自分の自己満足だったことを悟り悄然とする。

「助ける者」と「助けられる者」の関係ではなく、対等の友人として向き合おう、と二人が和解したところで映画は終わるのですが、実はこれ、実話をもとにした作品なのだそうです。

「コラムを書くのは生活のため」と人生に倦み疲れていたロペスの前に現れた、「神の恩寵」のようなナサニエル。
彼のあまりにも大きな信頼に戸惑いながらも、彼にのめりこみ助けようとしたのは、実はそうすることで自分が救われようとしていたのではないか・・・。

こういう「善意」って、自己満足との境目が難しいですね。相手によって良かれと思ってしたことも、「小さな親切、大きなお世話」と言われてしまうこともあるし。
でもそれを乗り越えて、信頼関係を築いていくことの大切さを描いた作品なのだと思います。

随所に流れるベートーベンが素晴らしい。とくにラストの「第九」第3楽章は、ナサニエルならずとも陶然となります。他にも、ナサニエルがもらったチェロを弾いているのを聞いているときのロペスの表情もよかったな。

ロペスとナサニエルの関係だけでなく、統合失調症やLAのホームレス問題などを扱い、思ったより社会派な作品でした。

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