「シャガール展」感想
朝日新聞の懸賞に当たって、「シャガール展」(東京藝術大学大学美術館にて10月11日まで開催中)の特別招待に行ってきました。
「鮮やかな色彩と幻想的な作風で親しまれるシャガール(1887-1985)。旧ロシア帝国のヴィテブスク(現ベラルーシ共和国)にユダヤ人として生まれましたが、1900年代初頭に始まるロシア・アヴァンギャルドの歴史と密接な関係があったことはあまり知られていません。
本展は、ポンピドー国立芸術文化センターが誇るシャガールの代表作でシャガールの人生を追いながら、ロシア美術史にシャガールを位置づけようとするものです。シャガール自身と故国ロシア、彼の世界観、家族、想像の世界とのつながりを検証し、20世紀の巨匠シャガールへの理解を深めることを意図しています。」(公式ホームページより)
まず地下の展示室から。第1章は「ロシアのネオ・プリミティヴィスム」。
フォービズムに影響を受けていた1910年ごろの作品と、同じ頃ロシアで勃興したネオ・プリミティヴィスムの画家ナターリヤ・ゴンチャローワらの絵が並びます。
この部屋の中では、シャガールが自身の父親を描いた作品が印象深かったです。
第2章は「形と光-ロシアの芸術家たちとキュビズム」
パリに出たシャガール、キュビズムに出会います。
ロシアのアヴァンギャルドな芸術家たちも、キュビズムやイタリアの未来派の流儀を取り入れます。
第3章「ロシアへの帰郷」
第1次大戦勃発により、ロシアに戻らざるを得なかったシャガール。しかし最愛のベラ・ローゼンフェルトと結婚し、幸せなときを過ごした。『緑色の恋人たち』など、二人を主題にした絵を幾つも描きます。
1918年、故郷ヴィテブスクに美術学校を開き、マレーヴィチらを招く。
恋人たちの絵もいいですが、『墓地』と題する絵がよかった。(←これの絵葉書なかった)
カンディンスキーの初期の頃の絵も展示されています。
(↓HPだと一番最後ですが、会場の関係でこちらが先の展示でした)
第4章「歌劇『魔笛』の舞台美術」
アメリカに亡命したシャガールは、戦後1964年、NYのメトロポリタン歌劇場からモーツァルトのオペラ『魔笛』の舞台美術を依頼される。そのときのスケッチが展示されています。
『魔笛』自体ファンタジーだし、幻想的な画風で、ファンタジーの2乗。登場人物の衣装から背景から、シャガールおなじみのモチーフが乱舞しています。背景画は全体的に寒色系なのですが、最後のフィナーレの場面だけは情熱がほとばしるような激しい赤を使っています。
≪フィナーレの背景画のスケッチ≫
当時の舞台の写真もありましたが、でも白黒なんですよね・・・。カラーだったらな~。それと原寸大とはいかなくても、壁一面に舞台の背景がバーンとあったらもっとよかったな。
第5章「シャガール独自の世界へ」
1923年、パリに移住したシャガール。
シャガールにお馴染の、鳩、軽業師、花嫁と花婿といったモティーフは、このころから登場し始めます。
シャガールは「赤」ってイメージなかったんですが、「虹」と題する大作が展示されています。
この部屋では「イカルスの墜落」が印象に残っています。
思ったより展示が少なかった?でも、東京芸術大学美術館自体そんなに大きなハコじゃないですものね。好きな作品ばかりでカタログ買おうか迷いましたが、重たいので止めました(笑)。
帰りがけ、東京文化会館の前あたりからスカイツリーが見えました。
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コメント
みんみん鳥さま、こんばんは~
シャガール展、私も日曜日に行きましたよ!
私は『魔笛』シリーズが気に入りました。
特に「夜の女王」のドレスがステキでした。
でも写真が白黒だったのは残念でしたね。
カラーで復元できなかったのでしょうか…
いま、フリードリヒ選手に夢中です。
彼のホームページにプライベートの写真とか
載っているので、うっとりしながら眺めています。
趣味はテニスやビリヤードですって。カッコイイ!
投稿: Anna | 2010年7月 6日 (火) 19時11分
シャガール展、Annaさまもお出かけになられたのですね。「夜の女王」のドレス、素敵でしたよね。他の登場人物の衣装も凝った感じで、実物はどんなだったんだろうな~、と想像が膨らみました。でもやっぱりカラー写真があったらよかったですね。
フリードリヒ選手ファンのお仲間が増えて嬉しいです!
投稿: みんみん鳥 | 2010年7月 6日 (火) 23時45分