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DVD『少女の髪どめ』感想

少女の髪どめ [DVD]

17歳のイラン人の少年ラティフは、建築現場で買い出しやお茶くみの仕事をしている。親方のメマルは、アフガン難民に同情的で、違法と知りつつアフガン人を雇っている。
 ある日、転落事故で足を折ったアフガン人ナジャフの代わりに、息子ラーマトが働きにやってきた。力仕事が苦手なラーマトはやがてラティフの仕事と交替。楽な仕事をとられてラティフは面白くない。しかしラティフは、ラーマトが隠れて長い髪を梳かしている姿を見てしまう。ラーマトが女の子だと知ったラティフは、たちまち彼女に恋をする。今まで辛く当たってきたラティフだったが、以来ことあるごとにラーマトをかばうようになる。
 だが、アフガン人の不法就労をチェックしている役人からラーマトを逃がしたせいで、ラティフは警察に連行される。建築現場に戻った時、髪どめ一つを残して彼女はもう去っていた。
 ラティフはアフガン人の住む集落に行き、ラーマトを捜しあてる。彼女が冷たい急流で辛い仕事をこなす姿を物陰から見て、ラティフはラーマトが働かないですむようにするため、「姉が病気」と嘘をついて給料をまとめて貰う。その金をナジャフに届けるよう、ナジャフの友人ソルタンに預けるが、ソルタンはその金で病気の妻のいる故国に帰ってしまう。
 今度は大切なIDカードを手放して金を工面し、ナジャフを訪ねて「メマルから」と嘘をつき金を渡す。しかしナジャフはこれからアフガンへ帰るところだった。もう二度と彼女に会えなくなることにショックを受けるラティフだが、雨の中、旅立つラーマトを見送るのだった。

 2階から転落した老人に向かって「自殺か?」と酷いことを言ったり、「闘鶏か?」と言われるほど喧嘩っ早いラティフが、ラーマトに恋したとたん、こっちが恥ずかしくなるほどの初々しい恋する少年に早変わり。
一言も声をかけられず物陰から見守るだけ・・・。
ラーマトはラーマトで、どういうわけだか知らないけど(まさか女性と知られたとは思っていない)、優しくなったラティフを意識せずにはいられない。ラティフのいない間に、持ち場に置かれたお茶。いい場面ですね~。
全体的に淡々とした映画ですが、随所にはっとするような美しい場面があって油断できません。

 命綱ともいえるIDカードを売ってまで金を工面したのに、それは徒労に終わり、ラティフは人から見れば立派な「馬鹿」です。それでもそれはまるっきり「報われない恋」ではなかったのでは、と思います。

 ラーマトの本当の名である「バラン」とは、ペルシャ語で「雨」のことだそうです。その雨の降る中、二人は散らばった野菜を拾い集めます。そのとき一瞬だけ見交わします。次の瞬間、バランはブルカをかぶって顔を隠すのですが、いや見事に二人の恋心が現れたシーンだと思いますね。
前半、悪ガキそのもののラティフですが、後半、恋を知り大人になった青年の顔になっていました。すごく美しい顔でしたね。(←どことなく、イ・ビョンホンに似ているような気がするのは私だけ?)

今イランにはアフガン難民が約400万人いると言われているそうですが、昔はアフガン紛争、今はタリバーン支配のために国を出ざるをえない人々が多いのだとか。映画でもアフガン難民の不法就労が描かれています。
イスラムの女性の服装、外では目立たないような色が多いですが、家の中では色とりどりのスカーフをつけていましたね。
バランのみずみずしい、生命の象徴のような鮮やかな緑色のブルカがとても印象的でした。

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