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2010年8月

「考える人」の背中

国立西洋美術館に『カポディモンテ美術館』展に行きました。
う~ん、印象に残る作品がなかった、というのが正直な感想かな。

それより常設展の方が充実してましたね。初めて国立西洋美術館に行ったのですが、14~16世紀の絵画とか、どストライクな絵ばっかりで眼福でしたよ。

展示絵画の核になる「松方コレクション」はロダンの彫刻が有名ですが、ありましたよ、『考える人』。

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≪ 『考える人』の背中 ≫

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≪ 顔のアップ ≫

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どうでもいいことですが、実際にこのポーズをやってみると、けっこう無理がありますね。

旅支度②スケジュール

庭でカブトムシがひっくり返っているのを発見。うちは割と都会な方だと思うし、そんなに樹の多いところでもないのでビックリ。
でもすでに虫の息と言った状態(←虫だけに・・・)。一応樹の上に置いておきました。

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さて、旅のおおまかなスケジュールを立ててみました。

1日目 ハンブルク到着
2日目 キール近郊のラボーにUボートを見にいく
3日目 ミニチュアワンダーランド見学、バルラッハ美術館
4日目 ハンブルク市内観光、ベルリンへ移動
5日目 ベルリン市内観光、ティーアパルク・ベルリン
6日目 ポツダム観光 クヌートに会いにベルリン動物園へ
7日目 帰国の途へ

ハンブルク~ベルリン間のDBは予約済み。ちょっと張り込んで1等車よ!(だって2等車と5ユーロしか違わなかったんですもの)

あと、行きたいところまでの道順を確認すればOKかな~。あと、土日、ほとんどの店が閉まっちゃうので、お買い物計画はしっかり立てないとね。

アパートメントホテルの住まい方(?)について、経験者に聞いたりしましたが、
キッチンは電磁調理器で、つまみをひねるだけでいいらしい。
風呂も、蛇口をひねればお湯が出てくるようだ。

わかってしまえば「な~んだ」ということでも、事前に予備知識があると、心の準備ができますよね。 

ペーパードライバー講習③

第2種衛生管理者、免許の申請を月曜日に出したら、もう免許証が届きましたよ。

ペーパードライバー講習3回目。今日も構内をグ~ルグルでしたが、路上に出るときに備えて、進路変更の練習をしました。

進路変更をするときは、30m前からウィンカーを出す。
ミラーを見て、目視して、安全を確認してから進路を変更する。
右折するときは、中央線にぴったりつける。
左折するときは、小回りをきかせる。

坂道発進もやったんですよ!職場は山坂の多い町にあるので、必須項目です。

まずサイドブレーキをひく。
アクセルを軽く踏む。親指で触れるような感じで。
サイドブレーキを倒す。


ようやく感覚がつかめてきた感じ。でも相変わらずカーブで大きく膨らませちゃったりしているんですがね。
気がつけば、道路の真ん中を走っているんですよね。
それじゃマズイので、自分が車線の真ん中に来るように運転しないといけません。

ということで、今日は微調整の回。でも次の予約がだいぶ先なので、元に戻っちゃうかな~。

このごろ、人の車に乗せてもらうとき、その人のハンドルさばきを観察しているんですが、いろんなやり方でやっていますね。中には上の部分を両手で持っている人がいるんですが、逆にやりにくくないのかな~、なんて思います。

フリードリヒスフェルデ宮殿、リニューアルオープン

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Das frühklassizistische Schloss im Berliner Tierpark ist jetzt saniert. Wo Napoleon lustwandelte, trauen sich heute Paare. Am Wochenende wird die Wiedereröffnung gefeiert.

ベルリン・ティーアパルク内にある初期古典主義(←適当な訳がなかった・・・)の城が今や改築された。ナポレオンがぶらついた場所に、今日ではカップルが思い切って入っていく。
週末にはリニューアルオープン記念パーティが開かれる。
(記事、写真ともTAGESSPIEGELより)


ベルリンのもう一つの動物園、フリードリヒスフェルデにあるティーアパルクの中にお城――フリードリヒスフェルデ宮殿があるのですが、そこが3500万ユーロをかけて改築され、この週末に一般公開の運びとなりました。
当時を偲んで、昔風の衣装を着た音楽家たちによるコンサートなどが開かれます。

恒常的に公開されるのはまだ先、みたいな感じですが、ティーアパルクには行くので、ちょっと外観だけでも見てきますね~。

フリードリヒスフェルデ宮殿のHP:http://www.schloss-friedrichsfelde.de/

ティーパルク・ベルリンのHP:http://www.tierpark-berlin.de/tierpark.html

DVD『少女の髪どめ』感想

少女の髪どめ [DVD]

17歳のイラン人の少年ラティフは、建築現場で買い出しやお茶くみの仕事をしている。親方のメマルは、アフガン難民に同情的で、違法と知りつつアフガン人を雇っている。
 ある日、転落事故で足を折ったアフガン人ナジャフの代わりに、息子ラーマトが働きにやってきた。力仕事が苦手なラーマトはやがてラティフの仕事と交替。楽な仕事をとられてラティフは面白くない。しかしラティフは、ラーマトが隠れて長い髪を梳かしている姿を見てしまう。ラーマトが女の子だと知ったラティフは、たちまち彼女に恋をする。今まで辛く当たってきたラティフだったが、以来ことあるごとにラーマトをかばうようになる。
 だが、アフガン人の不法就労をチェックしている役人からラーマトを逃がしたせいで、ラティフは警察に連行される。建築現場に戻った時、髪どめ一つを残して彼女はもう去っていた。
 ラティフはアフガン人の住む集落に行き、ラーマトを捜しあてる。彼女が冷たい急流で辛い仕事をこなす姿を物陰から見て、ラティフはラーマトが働かないですむようにするため、「姉が病気」と嘘をついて給料をまとめて貰う。その金をナジャフに届けるよう、ナジャフの友人ソルタンに預けるが、ソルタンはその金で病気の妻のいる故国に帰ってしまう。
 今度は大切なIDカードを手放して金を工面し、ナジャフを訪ねて「メマルから」と嘘をつき金を渡す。しかしナジャフはこれからアフガンへ帰るところだった。もう二度と彼女に会えなくなることにショックを受けるラティフだが、雨の中、旅立つラーマトを見送るのだった。

 2階から転落した老人に向かって「自殺か?」と酷いことを言ったり、「闘鶏か?」と言われるほど喧嘩っ早いラティフが、ラーマトに恋したとたん、こっちが恥ずかしくなるほどの初々しい恋する少年に早変わり。
一言も声をかけられず物陰から見守るだけ・・・。
ラーマトはラーマトで、どういうわけだか知らないけど(まさか女性と知られたとは思っていない)、優しくなったラティフを意識せずにはいられない。ラティフのいない間に、持ち場に置かれたお茶。いい場面ですね~。
全体的に淡々とした映画ですが、随所にはっとするような美しい場面があって油断できません。

 命綱ともいえるIDカードを売ってまで金を工面したのに、それは徒労に終わり、ラティフは人から見れば立派な「馬鹿」です。それでもそれはまるっきり「報われない恋」ではなかったのでは、と思います。

 ラーマトの本当の名である「バラン」とは、ペルシャ語で「雨」のことだそうです。その雨の降る中、二人は散らばった野菜を拾い集めます。そのとき一瞬だけ見交わします。次の瞬間、バランはブルカをかぶって顔を隠すのですが、いや見事に二人の恋心が現れたシーンだと思いますね。
前半、悪ガキそのもののラティフですが、後半、恋を知り大人になった青年の顔になっていました。すごく美しい顔でしたね。(←どことなく、イ・ビョンホンに似ているような気がするのは私だけ?)

今イランにはアフガン難民が約400万人いると言われているそうですが、昔はアフガン紛争、今はタリバーン支配のために国を出ざるをえない人々が多いのだとか。映画でもアフガン難民の不法就労が描かれています。
イスラムの女性の服装、外では目立たないような色が多いですが、家の中では色とりどりのスカーフをつけていましたね。
バランのみずみずしい、生命の象徴のような鮮やかな緑色のブルカがとても印象的でした。

ギュンター・グラス最新刊:Grimms Worter: Eine Liebeserklarung

いや~、インターネットの接続が出来なくて大弱りの週末でした。
JCOMのサポートセンターに来てもらったところ、外の電線(?)から引っ張ってくるコネクターの部分が腐食していたため、接続が不安定になっていたとのことでした。

さて、ギュンター・グラスの最新刊、“Grimms Worter: Eine Liebeserklarung”が、この8月に出ました。直訳すれば『グリムの言葉:愛の告白』にでもなるでしょうか。

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グリム兄弟といえば「グリム童話」で有名ですが、それはドイツ語の辞書の編纂作業の一環で、民間に伝わる伝承や童話を集めたのが発端です。
グリムの辞書は、ドイツ語の辞書の中でも権威あるものでして、知り合いのドイツ語の先生の仕事場にはズラッと並んで威容を誇っています。

本作は、そのグリム兄弟の偉業を取り上げ、それをドイツ語への「愛の告白」として語ったものです。兄弟を取り巻く同時代の有名人も多数登場するようです。

Tagesspiegelの記事によると、

「これがグラスの最後の作品になるだろう。彼自身が266ページでこう書いている。『83歳の声を聞く者は、誰でも死を計算に入れるようになる。』」

次作は自伝第3弾が来るのかと思いきや、グリム兄弟の伝記とは。さすがにお馴染みのファンタジーで冗舌でグロテスクではないだろうと思うけど、でもグラスのことだから、一ひねりも二ひねりもあるんだろうな。
翻訳が楽しみです。

ペーパードライバー講習②

第2種衛生管理者の試験、受かりましたよ!よかったよかった。


次の講習は10日後の予定でしたが、運良くキャンセルが出て今日また乗れることが出来ました。

今日も構内をぐ~るぐると回りました。
先日よりも格段にスムーズに走ってる!ハンドルさばきもなかなかよ!(←当社比)
しかしカーブでアクセルを踏み込みすぎてギュイン!って曲がったり、ウィンカーを出す方に気を取られて壁にぶつかりそうになったり・・・。
「もっとふわっと踏んで下さいね」と言いながら、教官は常に補助ブレーキを踏んでいる。
その感触が分かるんですよ。なんか悔しい。(まあ、いくら構内だって、教官も命は惜しいでしょうからね。)

途中で教官の「模範演技」があり席を交代。
ハンドルのさばき方さえも自然で、走りも滑らかだし、うん、こうじゃないといけないよね。
何よりね、人様の生命を危険に晒すような運転しちゃいけないよね・・・。と海よりも深く反省。

この分だと次もまだ構内でしょう。
路上への道は遠い・・・。

反省点:どうしても近場を見てしまう。もっと先を、自分の進む方向を見ましょう。

芝公園で「オクトーバーフェスト」開催

「なぜ8月なのに『オクトーバー(10月)フェスト』…」なんてヤボなことは言ってはいけないのでしょうか。

東京は芝公園で「オクトーバーフェスト」が開催されます。

http://oktober-fest.jp/index.html


◆開催日時  8/18(水)~29(日)
       16:00~21:30(L.O. 21:00)
 *雨天時も開催(台風等の荒天の場合、中止する場合があります)

◆会場 芝公園 集会広場(東京都港区芝公園3-4-6)
都営三田線「御成門駅」A1、A5出口徒歩5分。東京メトロ日比谷線「神谷町駅」3出口徒歩5分。
◆主催 オクトーバーフェスト実行委員会
◆後援 東京都/ドイツ観光局/バイエルン州駐日代表部
◆予約受付 03-3524-0788(10:00~18:00)
※イベント期間中は10:00~21:00(土日は15:00~21:00)

◆来場特典 ご来場回数によりステキな特典がもらえます。
公式サイト)より

ちなみに元祖・オクトーバーフェストは9月18日(土)~10月3日(日)開催。
今年で200周年だそうです。

ペーパードライバー講習①

私の職場は交通の便の悪いところにあり、銀行に行くのも一苦労。運転手さんに車を出してもらわなければなりません。銀行くらい自分で車を運転して行けたらな~、と思い、「ペーパードライバー講習」を申し込みました。
1時間あたり5,775円です。高いな~、と思ったけど、「運転に向いていない」って見切りをつけるなら早い方がいいしね!

今日が初日です。

免許を取って以来一度も乗らず、8年ぶりに握るハンドル。まずは、座席やサイドミラーの調整、エンジンのかけ方からスタート。特にカリキュラムなどないようで、今日は教習所内で練習することになりました。

急ブレーキ、急加速、カーブを曲がりきれなくて対向車線飛び出し、対向車線を逆走、歩道に乗り上げ、ウィンカー出し忘れ・・・ええ、一とおりやりました。

でも大丈夫。
私よりも千鳥足な車が前を走っていましたから。(←そういうのは「目くそ鼻くそを笑う」と言ってですね・・・)
間違った優越感に浸りつつ、1回目が終了しました。

注意されたのは、片手だけでハンドルを回すくせ。下のほうに行った手を、完全に下に行く前に放してしまうのです。

う~ん、このままじゃ必ずや誰かを殺る。
平凡で幸福な人生が送りたければ、路上に出るのは諦めた方がいいんじゃないか・・・。

ということで、次回は十日後。

DVD『少女ヘジャル』感想

新着0415 〓新品DVD〓 30%OFF少女ヘジャル  

トルコのクルド人弾圧により孤児になったヘジャルは、エブドゥおじさんに伴われ親戚の家に預けられたが、その晩武装した警官に襲撃される。親戚はクルド人の分離主義者だった。その向かいの部屋に、孤独な生活を送る元判事ルファトが住んでいた。たった一人生き残ったヘジャルは、行き場もなくルファトの部屋の前にたたずむ。
 少女はトルコ語を話さず懐こうともせず、ルファトもどうしていいかわからない。二人の間の橋渡しをしてくれたのは、家政婦のサキネだった。彼女は本当はクルド人だったが、それを隠してトルコ人として暮らしてきた。

 やがて服を買ってやったり、クルド語を覚えようとするルファトに対し、ヘジャルは少しずつ心を開くようになる。

ヘジャルの服に入っていたメモを手がかりに、エブドゥを訪ねるが、そこは故郷を追われたクルド人たちが暮らす山あいの居住区のようなところで、エブドゥ自身も友人の家に居候している状態だった。ヘジャルをそこに返すことはためらわれ、ヘジャルの両親の死を知ったルファトは、養子縁組を考える。
そこへ、親戚の死を知ったエブドゥが、ヘジャルを心配して様子を見に来る。ヘジャルはママに会う、と村に帰ることを選んだ。

ルファトには海外に住む息子が一人いますが、今は疎遠である。おそらく仕事、仕事で一緒にブランコに乗ったり釣りに行ったりしたこともなかったんじゃないか。
息子にしてやれなかったことをヘジャルにしてあげているのかな~、と思いました。ラストシーンの、ヘジャルを見送るルファトの寂寥感にはこちらも胸が詰まりました。

ルファトは、サキネとヘジャルにクルド語で話すのを禁じますが、ここにトルコにおけるクルド人の微妙な立場が浮き彫りにされています。

トルコには1,900万人近くのクルド人がいると言われていますが、トルコ政府は長らくクルド語の使用を禁止したりして、クルド人を弾圧してきました。それが逆にクルド人の分離・独立運動を促したのでした。
トルコ東部の山間では、クルド人民族主義者のゲリラと政府軍の間で10年以上にわたり戦闘が繰り広げられてきました。
「ヘジャル」とはクルド語で「虐げられた」という意味だそうです。このような名をつけたヘジャルの両親も、おそらくゲリラ活動の闘士だったのでしょう。

ルファトがヘジャルの服を買いに行って、ヘジャルがトルコ語を話せないのを店員に言訳するのに、「ドイツ育ちだから」と言っていましたが、上手いなと思いました。

保守的な老人がクルド語を覚え、つまり相手の文化を知ろうとする姿に、クルド人問題を克服していこうというこの映画のテーマがあるのかな、と思いました。
ただ、大仰なストップモーションとBGM、ルファトに想いを寄せる近所の老婦人の存在が、なんか蛇足でした。

http://www.annieplanet.co.jp/hejar/index.html

DVD『ベルリン陥落1945』感想

原作が『ベルリン終戦日記―ある女性の記録』を映画化した、『ベルリン陥落1945』を見ました。


みなさん、DVDのパッケージに騙されちゃいけません。飛行機が飛び交いブランデンブルク門が炎に包まれる、なんてシーンは出てきません。
ここまでパッケージがサギなのは、『MY FATHER』以来だわ。
確かにヨーゼフ・メンゲレは出てくるけど、戦後南米に潜伏中のときの話だし、アウシュヴィッツなんて出てこないのに、「死の天使―アウシュヴィッツ収容所 人体実験医師』みたいな題名よくつけるわ。

映画はほぼ原作どおりの展開でした。

1945年4月26日、ソ連軍がベルリンに入城。ソ連兵からの陵辱から身を守ろうと、筆者(←昔のエマニュエル・ベアールにちょっと似ている)はソ連軍の少佐に接近しパトロンになってもらいます。この少佐、教養人でむやみに彼女に女を求めないことから、筆者の日々は比較的平穏に過ぎていった。
ある日、友人のエルケが訪ねて来る。少佐から分けてもらった食糧で、同じアパートの女たちで集まってお茶会を開く。
「ロシア語で『辞書はある?』ってなんて言うの?」
「強姦に辞書は必要ないわよ」
みんな大笑いするけど、せつな過ぎます・・・。そばで聞いていた男たちは、ショックを隠そうとヒステリックに笑うしかない・・・。

ヒトラーが自殺し、ベルリンは降伏した。勝利に酔いしれるソ連兵士たち。ドイツ人たちはそれを、言い知れぬ不安とともに見ていた。

アパートの屋根裏には若い娘が住んでいて、その恋人も戦場から戻ってきて一緒に隠れている。
ところが、娘がソ連兵に襲われそうになったとき、恋人は銃で撃ち殺そうとする。
ドイツ人の武器の保持はご法度。ちょうど筆者のところに来ていた少佐は、筆者をかばい、それを不問に付す。
「裏切り者」とみなされた少佐は、シベリアに送られることになった。
ちょっとこの辺は原作と違いますね。

別れの夜、少佐を次第に愛し始めていた筆者は、自分から彼を受け入れる。

夫・ゲルトが帰ってきた。筆者はこれまでの日記を彼に見せる。
「恥知らず」と彼女を罵り、出て行った。

男って弱いですね~。お前に彼女を非難する権利があるのか。
ほかにも目の前で妻が強姦されるのを見て、気が変になった男や、ドイツの敗戦を知り将来を悲観して服毒自殺する男なんかも出てきました。

しかしこの映画を見るのは、あのパッケージを見て独ソの激しい銃撃戦を期待した男性が大半じゃないでしょうか。で中味は怖気を奮うレイプシーン満載の映画なわけで・・・。
彼らはニヤニヤ見るのだろうか。それとも「看板に偽りあり」と愕然としながらも、陵辱される女性の辛さに思いを馳せてくれるのだろうか。

いずれにせよ、私だったら、オリジナルどおりのパッケージで、原題を生かして題名は『ベルリンの女たち』とつけるな。
原題は単数形だけど、他の女たちだってみんな生き延びるために耐えたのだから。

公式サイト:http://www.anonyma.film.de/(本国)


追記:

どこかで見かけたけど、国際版のパッケージが戦争アクション映画風でした。日本版はそれを踏襲したようです。中味見てよ・・・。


ラッピングされたジーゲスゾイレ

今、ベルリンのジーゲスゾイレ(戦勝記念塔)がすごいことになっていますよ!

Prominent wie die Goldelse
「黄金のエルゼ」のように傑出して

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Ein neues Plakat schmückt ab heute die Siegessäule. Darauf zu sehen sind Porträts von 200 Berliner Bürgern, die sich in ihrem Job oder ehrenamtlich für ihre Stadt engagiert haben.

新しいポスターが今日(11日)からジーゲスゾイレを飾った。
そこに見えるのは、仕事であるいは名誉職としてベルリンに貢献している200人のベルリン市民のポートレイトである。

(記事、写真ともTAGESSPIEGELより)

“Goldelse”は、黄金の勝利の女神像の愛称。

このラッピング広告(?)は、“Be berlin”というベルリン市のキャンペーンの一環で行われているもの。
こちらのサイトによると、老人ホームでボランティアをしている、近所の人のために買い物に行ってあげている、地域の若者のためにダンスの企画をするなど、地域社会に貢献している活動を行っている人を応募してもらって、その中から204人を選び出しました。
その選ばれた人の写真でジーゲスゾイレをラッピング。個々の写真と活動内容については、ライヒスタークの向かいのパヴィリオンにも展示されます。(←インターネットでも閲覧できます)

サイトを見ると、グッズなんかも売っているみたいです。こりゃゲットするしかないね!

なんだかね、「地域社会」とか「ボランティア」とか聞くと、目立たない報われない(こともないけど)活動というイメージがあるけど、こういうのこそみんなに知って欲しいし、参加して欲しい。注目を集めるのにベルリンのシンボル、ジーゲスゾイレを使うとは、景気がよくって素晴らしいね!

子どもでさえ老親の居所を知らない、近所で人が亡くなっていても気がつかない、そんな殺伐とした社会より、「顔の見える社会」である方が、やはり幸せな気がする。人との関わり合いって、ときにわずらわしく思うけど。

少なくとも9月末まで継続する予定だそうです。行ったらじっくり見てきますね!(ところで展望台は上れるのかしら?)

さて、話は変わりますが、昨日のドイツ対デンマーク戦。ドイツはB代表で挑みました。ゴメス、ヘルメスが1点ずつ入れましたが、後半追いつかれて2-2で引き分けでした 。

ギュンター・グラス著『蝸牛の日記から』感想

『蝸牛の日記から』
ギュンター・グラス著/高本研一訳
~現代の世界文学 ~ 集英社

ギュンター・グラスの作品をデビュー作『ブリキの太鼓』から発表順に読んでいこう、という「グラス・マラソン」を絶賛開催中(←?)ですが、作風の変遷がわかってなかなか面白いですよ。図書館で借りてきているので、ガーっと読んであらすじを確認するのがせいぜいですが。

この小説はグラスが4人の子どもたち(双子のラウールとフランツ、ラウラ、ブルーノ)に語る形式をとっています。(最新作『箱型カメラ』では別の名前で登場してますね。)

「私は市民の、つまり人間になった蝸牛だ。私には前方へ向うい内面へ向かう衝動があり、定住し逡巡し拘泥する傾向があり、感情の中に不安と性急さがある点で、私は蝸牛に似ている。」

1969年は選挙の年、グラスは支援するSPD(Sozialdemokratische Partei Deutschlands:ドイツ社会民主党の略称)の応援演説で国中を飛び回っている。まだ4歳のブルーノは、父親は選挙戦Wahlkanpfじゃなくて、鯨取りWalkanpf(読みはどちらも同じ「ヴァルカンプフ」)に行っていると思っている。

その合間に挿入されるのは、「疑惑」ことへルマン・オットのことだ。「疑惑」は1930年代のダンツィヒで高校2等教諭をしていた。ユダヤ人ではなかったが、ユダヤ人学校で教え、ユダヤ人のパレスチナへの亡命を手伝ったことから、ナチスに目をつけられた。
「疑惑」は自転車で逃走する。しかし途中で自転車が故障し、顔見知りの自転車屋シェントマのところへ行き、そのままその地下室に潜伏することとなる。

新教徒大会の途中で、聴衆の一人が服毒自殺をする。演説会などににちょくちょく顔を出しては的はずれなスピーチをぶつ男・アウクスト。死の原因を知るために、グラスはその家族に会う。アウクストは憂鬱症を患っていた。

シェントマにはリスベトという娘がいたが、子どもを亡くしたことが原因で憂鬱に囚われている。蝸牛の蒐集家である「疑惑」のために蝸牛やなめくじを集めてくる。
ある日、「疑惑」が戯れになめくじをリスベトの肌に這わせたとたん、彼女はおしゃべりを始めた。なめくじが彼女の憂鬱を吸い取ったかのように、彼女はしだいに正気に戻っていった。

そして終戦後、二人は結婚し西ドイツに渡ったが、今度は「疑惑」が精神を病み、12年間も精神病院に入院していた。

SPDは得票数を増やし、グラスはアルブレヒト・デューラーの銅版画「メレンコリアⅠ」について講演した。


田舎の民家の地下室に潜伏し、その家の持ち主に千夜一夜のごとくいろんな話をしてやる、というのは、ドイツの文壇で「法王」とよばれるほどの著名な文芸評論家、マルセル・ライヒ=ラニツキの体験にインスパイアされたもののようです。(ラニツキはその家の娘とねんごろになったりしませんでしたが・・・)

またこれは「私小説」でもあります。アンナ夫人をはじめ、やんちゃなラウール、そつのないフランツ、男の子みたいなラウラ、ひょうきんなブルーノとのふれあい。
『箱型カメラ』では、この作品に出て来たようなエピソードが、今度は子どもたちの視点で書かれ、読み返すと面白いです。


これからドイツ対デンマーク戦ですね。

DVD『ブロークバック・マウンテン』感想

友人が面白かったよ、と言っていたので見てみました。

【送料無料選択可!】ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション / 洋画


1963年の夏。ワイオミング州のブロークバック・マウンテンで、イニスとジャックは組んで羊番の仕事を始める。ある晩、酔った勢いで二人は身体を重ねる。
山を降りて、二人は互いに結婚して子供をもうけても、秘かに逢瀬を続けた。
20年近くもそんな関係を続けていたが、離婚し娘の養育費の支払いに追われるイニスは「忙しくてそんなに休むわけにはいかない」と言ってしまう。そのことでジャックと口論になる。
ある日、ジャックの死の知らせが届く。事故、ということだったが、イニスはホモだとばれてリンチにあったのではないかと疑う。「遺灰をブロークバック山へ」と遺言していたことを知ったイニスは、ジャックの実家へ向かう。
実家のジャックの部屋には、イニスがブロークバック山でなくしたはずのシャツが大切にしまいこまれていた。


ひと夏の出来事がすべてを変えてしまった。妻も子も愛している、でも本当に愛しているのは彼1人だけ。


今より保守的な時代で、当時は同性愛者なんて犯罪者と同じくらい汚らわしい存在とみなされていた。二人の関係を知ったイニスの妻の苦悩や、実家を訪ねたイニスを見るジャックの両親の表情からもそれは見て取れます。
ジャックはそういう自分を受け入れていたけど、イニスは子どものときに父親から、殺された同性愛者(おそらく父親が手を下した)の死体を見せられていたので、この秘密を知られたら身の破滅、と恐れおののいていた。
でも、だからこそ、思いがけず関係を持ってしまい、「あんなのは1度きりだ」と言いながら、それでもイニスがためらいながらジャックのもとに歩み寄るシーンは、強い印象を残します。


男同士の、美しすぎる純愛。原作者が女性ときいて、なんか納得しました。ある意味BL(ボーイズラブ小説)だよな~。
しかし映画は、美しかったです。
ブロークバック・マウンテンの雄大な自然、広大で荒涼とした大地に似合うセンチメンタルな音楽、無骨で男らしいイニス、ロマンチックな眼差しのジャック。抑制されていながら、登場人物の心情が溢れ出てくるような映像。
あちこちの映画祭で賞を総なめというのも、むベなるかな、という感じです。

話は変わりますが、11日(水)にドイツ対デンマークの親善試合があるようですね。誰が出るのかな~。

ギュンター・グラス『局部麻酔をかけられて』感想

『局部麻酔をかけられて』
ギュンター・グラス著/高本研一訳
現在の世界文学 集英社 

「世界が彼を苦しめるから、私たちは努力して彼に局部麻酔をかける」

西ベルリンで国語と歴史を教える高校教師シュタールッシュは、切端咬合の治療のために歯医者に通っている。治療のための局部麻酔を彼は恐れる。
治療の合間にシュタールッシュは身の上話を語る。セメント工学でしかるべき業績を上げ社長の娘と婚約しながら、その娘に捨てられ、手切れ金で教師になる勉強をした。
 診察室に置かれたテレビは、普通のテレビ放送のほかに、彼の妄想を映し出す。

 彼の目下の悩みは、お気に入りの学生シェールバウムのことである。感受性が強く、変革に燃える彼は、ベトナム戦争に反対し、抗議行動のために愛犬を焼く計画を立てている。ケンピンスキーホテルのカフェでケーキを食べているご婦人方の前で。曰く、ベルリンの人間は並外れた犬好きなので、そうすることが何よりこたえるだろうからである。
 シュタールッシュの同僚、イルムガルト・ザイフェルトは、少女時代にBDM(ドイツ女子青年団、ヒトラー・ユーゲントの少女版)で罪のない百姓を密告した過去に囚われており、「純粋」で才能豊かなシェールバウムに希望を見出している。
 17歳のころ、少年ギャング団を率いていたシュタールッシュだったが、現在40歳の教師として、そのような過激な行動をやめさせるよう説得しないわけにはいかない。
シェールバウムのガールフレンドのヴェロニカ・レーヴァント――毛沢東を読み、部屋にチェ・ゲバラのポスターを貼っている――は、「彼の邪魔をしないで」とバーバリ絨毯の上に身を投げ出し挑発する。

シュタールッシュからシェールバウムの話を聞いた歯医者は、彼に興味を持つ。シェールバウムを招待し、彼の歯の治療を申し出る。

結局、シェールバウムは計画を諦める。17歳のときのアナーキズムを吹聴する、シュタールッシュのような真似はしたくないからと言って。

シュタールッシュは、ケンピンスキーの前でスピッツを焼き殺す妄想をし、イルムガルト・ザイフェルトと婚約する。

本作が発表されたのは1969年。『犬の年』(1963)以降、政治活動に傾き、この本作もベトナム反戦運動を巡る高校生とその教師の葛藤を描いています。
若者をなだめるシュタールッシュも、一皮むけば、自分を捨てた婚約者に対する憎悪や、世界をブルドーザーで破壊してやりたい衝動が渦巻いています。

世界の矛盾や不条理に対する憤りに対して、局部麻酔や妄想で感覚を麻痺させるしか術がない・・・。

ケンピンスキーホテルは、クーダムに面した一流ホテル。ベルリンに行ったら、シュバルツヴァルダーキルシュトルテ(黒い森ケーキ)を食べよう。

ヘラブルン動物園~ジャンナとヨギの新居公開~

Neues Eisbärengehege eröffnet
新シロクマ舎、オープン

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Im Tierpark Hellabrunn ist die Eisbären-Anlage eröffnet worden. Bei dem mehrmonatigen und 5 Millionen Euro teueren Umbau wurde das neue Gehege auf 2.800 Quadratmeter vergrößert und mit Naturfelsen aus Nagelfluh völlig neu gestaltet.

ヘラブロン動物園で、シロクマ舎がオープンした。数ヶ月かけて、500万ユーロの費用を使って建てられた新しいシロクマ舎は2,800㎡の広さで、天然のナーゲルフルー岩(礫岩の一種)を使って完全に新しく造られている。
(記事、写真ともBR-ONLINEから)


4日、ミュンヘンのヘラブルン動物園の新シロクマ舎がマスコミに公開されました。シロクマ舎としてはヨーロッパ最大。岩場の風景、緑の芝生、そして訪問客はガラス越しに、シロクマたちがゆうゆうと泳ぐ姿を見ることが出来ます。

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この日カメラの前に出て来たのは、ヨギだけだったようですね。

この前まで「クヌートのお嫁さん」だったジャンナですが、ほんとのお婿さんはヨギでして、動物園のサイトでも、「すっかりレディーになったジャンナとナイスガイのヨギ、2人(?)の恋の行方は?」っつーノリの紹介文が掲載されていますね。
来春から2匹を一緒にして繁殖に配慮するとのこと。

ヘラブルン動物園の公式ホームページ:
http://www.tierpark-hellabrunn.de/index.php?id=1


旅支度① アパートメントホテルを予約する

『ベルリントラベルブック』に触発されたわけではありませんが、「暮らすように過ごす」つーのをやってみたくて、ベルリンの宿はアパートメントホテルを探しました。

はっきり言って、朝早くからあちこち動き回って寝に帰るだけ、おまけに一人で、というのは逆に効率悪いんですが、何事も経験です。
とはいえ一人暮らしもしたことがないのに、ベルリンで一人暮らしの真似。とんちんかんにもほどがあります。

と思って、いろいろ検索してみたのですが、アパートメントホテルをどういう風に借りたり、そこで過ごしたりしているのか書いているブログがほとんどありません。「フロ、メシ、戸締り、洗濯」、どうやっているのかな。やっぱりドイツじゃ日本の設備と違うんだろうし・・・。
書くほどのことじゃないのかもしれませんが、私みたいな人の参考になれば、と思い経過を書いていくことにしました。

で、とりあえず見つけたのがこのアパートメント

お庭が見えること、バスタブ付き、アパートのあるベルナウアー通りは昨年、壁めぐりで行ったことがあり、雰囲気も分かっているのでここに決めました。

予約を入れると確認メールが来ました。
「到着の1時間前までに、オーナーに電話すること」「鍵の受け渡しは別の場所で」とか、いろいろ指示が書いてあります。
それから、これはアパートメントによって違うのかもしれませんが、客室クリーニング代というのがかかります。ここは30ユーロです。
また、前金はクレジットカードOKですが、残りは現地で現金払いです。

しかし電話か・・・。しかも携帯になんてかけたことないんですけど、キャー困った。

予約サイト:http://www.budgetplaces.com/jp/

各地の格安ホテルやホステル、アパートメントを紹介しています。
初めて利用するところなんですが、評判とかどうなんだろう・・・。

さよなら、ジャンナ

Knut allein im Zoo
クヌートは動物園でまたひとりぼっち

Plötzlich ist Knut ohne Spielpartnerin: Der Münchner Tierpark Hellabrunn zog Eisbärendame Giovanna ab. Die Besucher sind in Sorge um Knuts Wohlergehen.

突然クヌートの遊び仲間がいなくなってしまった。ミュンヘンのヘラブルン動物園にジョバンナ嬢が帰ってしまったのだ。(動物園の)訪問客たちは、クヌートの幸せを心配している。

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(記事・写真ともTAGESSPIEGELより)

いつのまにか!クヌートのガールフレンド、ジョバンナ(愛称ジャンナGianna)がヨギYoghiと共にミュンヘンに帰ってしまいました。

もともとミュンヘンのヘラブルン動物園の新居が出来るまでの仮暮らし。リザ、ヨギはティーアパルクへ、ジャンナはクヌートの舎(いえ)に住むことになったのです。

ヨギは12歳の牡熊で、クヌートのおばあさん・リザのパートナーでした。(しかしリザは昨年、ベルリンで客死しました。)
ヨギがミュンヘンの動物園でジャンナと初めて会ったときは、生後14~15ヶ月の彼女にピシャリとやられたそうです。(←そんなころから気の強い娘っ子だったのね)。
彼がジャンナのお婿さんになるのかしらね。


でも当初、帰るのは秋以降と報道されていたのでびっくり!9月に行ったときにラブラブツーショットを撮るつもりでいたのに・・・。

フロッケたちのときは「お別れ会」じゃないけどイベントがあったりして出発までの動向がつかめたけど、気がついたらミュンヘンに去った後だった(笑)。7月30日に引っ越したそうです。
マスコミ向けの公開は8月4日、一般公開は8月7日とのこと。今度の新居は、ヨーロッパ一モダンな獣舎らしいです。

さて、また独りぼっちになってしまったクヌート。ナンシー、カチューシャおばちゃんたちと、トスカ母さんと隣の広い敷地に住む予定ですが、そうなると、今まではかなり近いところからクヌートを見ることが出来たんですが、それが出来なくなりますね。残念だわ~。

DVD『ツィゴイネルワイゼン』感想

内田百聞原作の『サラサーテの盤』とその他多くの短編のアイデアをもとに、時間と空間、現実と幻想の間を映像がさまよう不思議な世界を生み出した異色作。
久しぶりにレンタルショップで見つけて、懐かしさに見てみました。

ツィゴイネルワイゼン デラックス版(DVD)


 陸軍士官学校のドイツ語教授、青地豊二郎は,友人の中砂糺と海辺の町を旅していた。宿を取った二人が呼んだ芸者・小稲は、弟の弔いを済ませたばかりという。弟が服毒自殺をしたが、その骨は血を吸ってか、桜のようにほんのり赤かった、という話に中砂は興味を持つ。その後、中砂は旅を続け、青地は湘南の家に戻る。
 歳月が流れ、青地のもとへ中砂の結婚の知らせが届いた。新妻・園は、芸者の小稲と瓜二つだった。
その晩、青地は作曲家サラサーテが自ら演奏している「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを中砂に聴かされる。この盤には、演奏者のサラサーテが伴奏者に喋っているのがそのまま録音されているという。中砂は青地にその話の内容を訊ねるが、彼にもそれは聞き取れなかった。中砂は再び旅に出る。
 
 青地は、周子の妹で入院中の妙子から、妻・周子が中砂と二人で見舞いに来たと聞かされる。青地はそのことを中砂から聞き出そうとするが、中砂から「死んだら骨を君にやる、その代わりに君が先に死んだら君の骨をくれ」と約束させられる。
 中砂の放浪癖は治らず、その間にも園は女の子を産む。その子は青地の名の一字を取って「豊子」と名づけられた。園は次第に精神に変調をきたしていく。
 その翌年、園が死に、新しく乳母を雇ったという知らせを中砂からもらう。訪ねてみると、その乳母とは芸者の小稲だった。
しばらくして、中砂が旅の途中で麻酔薬で遊んでいて事故死したという連絡が入った。
 5年の歳月が過ぎた。ある晩、小稲が青地を訪ね、生前に中砂が貸した本を返して欲しいと言う。なぜ今ごろ、しかもドイツ語の専門書の名を芸者あがりの小稲がスラスラ言えるのか、青地は訝しがる。
 ある日、「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを返して欲しいと訪ねて来たが・・・。


いや~、やっぱり凄いわ。めくるめく悪夢というか、極彩色の幻想美というか。こんなにスタイリッシュな映像、めったにあるもんじゃないです。

トンビを着てもじゃもじゃ髪の中砂(原田芳雄)は、獣じみた狂気の男。
夏目漱石のようなインテリゲンチャの青地は、藤田敏八が演じていますが、この人ほんとは映画監督だったそうですね。

大楠道代演ずる周子の、ピンクハウス風のワンピースやモダンな着物が素敵。水蜜桃を食べる周子の色気が凄い。

小稲と園は大谷直子の二役ですが、中砂が死んだあたりから、おきゃんな芸者だった小稲が、憑依されたかのように言動が園そっくりになっていく。

内田百聞の短編に、土手を歩いていたら、いつの間にかあの世に来ていた、というふうなのがありましたが、昔ながらの日本人の死生観ってこんなふうだよな、と納得したことがありました。
死がすべての断絶、という西洋的死生観とは違って、「死」が怖いものではなく、身近にある感じ。49日間は死者の魂はこの世に留まっていたり、あの世とこの世が陸続きだから、お盆には死者が気軽に(?)帰ってきたりする。父親を知らないはずの豊子が、夢の中で中砂と話をするのも変じゃない。

この映画の魅力を語る能力が私にはないので残念ですが、一言で言えば、ラストシーンで、豊子が青地に向かって言う「生きている人間は本当は死んでいて、死んでいる人が生きているのよ。」という言葉に尽きるんじゃないですかね。。
この、生きているんだか死んでいるんだかわからない世界、「死」の気配を濃厚に漂わせる世界に魅入られてしまいました。

Berliner Eisenベルリーナー アイゼン

ベルリーナー・アイゼンとは、19世紀初頭に流行った鉄製の装身具のことです。

鉄製というと、無骨でアクセサリーっぽくないような気がしますが、写真を見ると繊細な細工で、かつ黒一色でシック。

Halskette

写真はベルリン州立博物館のサイトから

ウィキペディアによると、ベルリンの鋳鉄工場でつくった鉄製のアクセサリーを、プロイセンのマリアンネ妃が身に着けて流行らせたことから、「ベルリーナーアイゼン(ベルリンの鉄)」と呼ばれるようになったみたいです。

ベルリンのメルキッシェスムゼーウム(マルク地方博物館)などにあるらしい。

http://www.stadtmuseum.de/html/sammlungen/eisenkunstgussi.htm

鉄製の装身具についての博物館もあるそうですよ。
http://www.buderus-kunstguss.de/sixcms/detail.php/2183668

錆びてほとんど残っていないそうですが、アンティークショップなどで探してみるといいかもしれませんね。
目玉が飛び出るほど高いですが。

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写真はベルリンのアンティークショップ「Ploetz Peters」のサイトから。こちらを見ると、アクセサリーだけでなく、レリーフとか彫像とか、いろんなアイテムがあったんですね。
しかし繊細な細工のアームバンドが2,000ユーロ、ため息が出ます。

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