神奈川県立音楽堂「音楽堂で聴く雅楽」感想
めったに聴くことのできない雅楽の演奏会。華道家・假屋崎省吾さんが、文字どおり舞台に「花を添え」る、というコラボ企画付きでした。
舞台の上には、赤い割箸を篝火の形に束ねたようなオブジェが飾られていました。
館長さん、假屋崎さんのご挨拶のあと、東京楽所(とうきょうがくそ)による演奏が始まりました。
第1部は管絃です。
『壱越調音取(いちこつちょうねとり)』
『胡飲酒(こんじゅ)』序・破
古典の2曲を演奏したあと、舞台転換の準備の間に解説が入り、
箜篌(くご)と雅楽のための『華の宴』(委嘱初演)
箜篌というのは、奈良時代の大型ハープで正倉院に現存する破損した状態のものをもとに考証し復元したものだとか。奏者である佐々木冬彦さんに作曲を依頼したもので、今回が初演だそうです。
楽器こそ伝統的なものだけど、曲調とかメロディーラインとかがね・・・。私は現代音楽が苦手なので、あまりピンときませんでした。楽器全部が一斉に音を出す、というのは、あまり風情がないと感じましたね。
休憩時間に、假屋崎さんがオブジェのところに黄色い花を付け加えましたが、もっとセット(?)が劇的に変わるのかと思っていましたが、まー、20分じゃ無理よね。
第2部は舞楽で、『抜頭(ばとう)』『賀殿(かてん)』『長慶子(ちょうげいし)』
楽人の皆さん、第1部は茶色の装束でしたが、第2部は、舞人とお揃いの華やかな装束を着ています。
躍動感あふれる『抜頭(ばとう)』、その次の『賀殿』は新殿落慶の折などに舞われるおめでたい曲で、この1月にオープンしたばかりの神奈川芸術劇場〈KAAT〉への開館祝いも兼ねて(?)、ということで選曲されたそうです。4人の舞人が華やかに舞いました。
『長慶子(ちょうげいし)』は、宴の最後に演奏される曲だそうです。
うーん、やっぱり伝統芸能はすばらしいな~。
韓国には専用のホールがあって、毎週のように公演があるそうですが、日本でもあればいいのに。外国人観光客とかに需要ありそうだけど。
東京楽所ホームページ:http://www.technogallery.com/tokyogakuso/index.html
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