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W.G.ゼーバルト『カンポ・サント』感想

うおお~!やっと出た!
ゼーバルトコレクションの前作『空襲と文学』の上梓が2008年9月だから、2年半ぶりの新刊です。

【送料無料選択可!】カンポ・サント (ゼーバルト・コレクション) (単行本・ムック) / W・G・ゼーバルト/著 鈴木仁子/訳 【送料無料選択可!】カンポ・サント (ゼーバルト・コレクション) (単行本・ムック) / W・G・ゼーバルト/著 鈴木仁子/訳

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「本書はゼーバルトの死後に編まれたアンソロジーで、前半に遺稿となった表題作、「アジャクシオ短訪」など、コルシカ島をめぐる4編の散文作品、後半にカフカ、ナボコフなど、作家が愛した文人についてのエッセイと批評を収録している。
 「聖苑(カンポ・サント)」は、〈私〉がコルシカ島ピアナの墓場を訪ね、墓飾りや墓碑に関する思い出、亡霊によく出会い、死者がまだ傍らにいることなど、脳裏に浮かぶさまざまな想念が行き交う、ゼーバルトらしい作品。
「スイス経由、女郎屋へ──カフカの旅日記によせて」は、カフカがマックス・ブロートとともにプラハを発ち、スイス、イタリア、パリを旅した際につけていた日記に寄せたエッセイ。まるで自らが居合わせたかのように、すみずみまで現実感があったと述べている。
また、「夢のテクスチュア──ナボコフについての短い覚書」では、ナボコフが私たちの生の前後にひかえる闇に光を当て、またその闇から私たちの不可解な存在を照らし出そうとしたと指摘している。
 その他、ゼーバルトの素顔がうかがえるエッセイ、「破壊・哀悼・想起」といったゼーバルト文学の中心的テーマが見て取れる批評など、まさに興趣尽きないアンソロジー。」
(白水社ホームページより)
http://www.hakusuisha.co.jp/detail/index.php?pro_id=02733

2001年12月14日に交通事故によって、突然の死を迎えたW.G.ゼーバルト。『カンポ・サント』は、遺稿を含む散文およびエッセイをスヴェン・マイヤーという文学者がまとめたもの。

編者のあとがきによると、『土星の環』(1995年)の刊行後、すでにコルシカ島についての本を書き始めていました。しかしそれを断念して『アウステルリッツ』やその他のエッセイを優先したとのこと。

「スイス経由、女郎屋へ──カフカの旅日記によせて」では、冒頭、プラハからニュルンベルクへ電車の旅をしたという女性の話が出て、そこからカフカの旅日記に話が飛ぶのだが、このプラハ-ニュルンベルクという経路に、『アウステルリッツ』を想起する。
「歴史と博物誌のあいだ」では、やたら熱くノサック(ハンブルク大空襲についての小説『滅亡』)について語っており、これがのちの『空襲と文学』に繋がるのだな、と類推する。


ところで『空襲と文学』は、「空襲による破壊」というテーマとした文学はほとんどかかれなかった、という文学論である。

それで震災に被災した人のことを考える。人間の生活圏を破壊され、多くの人が被害を蒙ったという点では共通するところがある。

震災による体験を、作家たちは文学にまで昇華できるだろうか。


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