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DVD『ヒトラーの審判 アイヒマン、最後の告白』感想

トーマス・クレッチマンがアイヒマン役を演じたこの映画、やっと見ることが出来ました。


アドルフ・アイヒマン(最終階級は親衛隊中佐)は、ナチス政権による「ユダヤ人問題の最終的解決」(ホロコースト)に関与し、数百万の人々を強制収容所へ移送するにあたって指揮的役割を担った人物。
戦後はアルゼンチンで逃亡生活を送っていましたが、1960年にイスラエル諜報特務庁(モサド)によってイスラエルに連行されました。
1961年4月より人道に対する罪や戦争犯罪の責任などを問われて裁判にかけられ、同年12月に有罪・死刑判決が下されます。翌年5月に絞首刑に処されました。
この映画は、尋問を任されたアブナー・レス警部と、「命令に従っただけ」と罪を認めないアイヒマンとの息詰まる攻防を描いています。


「私は巨大な装置の歯車の一つに過ぎない」
「移送についての責任を負っていただけで虐殺には関与していない」
「私自身は反ユダヤ主義者ではない」と、アイヒマンはのらりくらりと尋問をかわし、なかなか自供しない。
さらにレス警部は、「裁判なんかせずにすぐに処刑しろ」と憤り彼を「裏切り者」と罵る民衆や、彼の秘密(父がガス室で殺された)をタネにスクープを狙う女性記者に悩まされる。
そんな中、妻は心労の余り倒れてしまう。

ついにレス警部は、アイヒマンがヒムラーの中止命令を無視してユダヤ人移送を行ったという証拠を入手し、アイヒマンに突きつける。
観念したアイヒマンは、子どもたちへの手紙を必ず届けて欲しいとレス警部に懇願する。

「子どもたちの将来が心配だ。末っ子はまだ6歳なのです。」
「もっと幼い子どもも殺したくせに。なぜ殺した?」
「ユダヤ人だから。」
最後にポロッとこぼした本音が怖ろしかったです。

トーマス・クレッチマン、ほんとナチスの軍服が似合うな~。
尋問を受けているときは、特殊メイク(?)で禿げ上がったオジさん姿ですが、回想シーンでは「有能な小役人」というより「エレガントな将校」で、違和感を覚えるほど。愛人が何人もいたことになっていますが、これも史実なのかな~?

アイヒマンは神経質な人物であったみたいで、この映画でも眼鏡をとっかひっかえする姿が印象的でした。

以前、ニュルンベルク裁判についての本を読みましたが、上は下の者へ、下は上の者へ責任をなすりつけていました。映画でも「総統の命令には絶対服従」みたいなことを言っていましたが、そうしなければ生きていけない雰囲気が行間から漂っていましたね。
私も前にいた部署のトップが、陰湿で高圧的な人物で、自由にものも言えない状態だったので、「ナチス」という組織の実態が想像できたような気がしました。
極端なことを言えば、みなそれぞれ職務に忠実だっただけ。それを思うと、歪んだ思想の持ち主が、それを忠実に実行し、ときにはその意図を汲み取って命令してないことまでも実行できる組織を持っていたことが、ドイツの悲劇だったのかもしれません。

余談ですが、このDVDのパッケージもサギだな~。
使われている画像は回想シーンのものですが、大半は刑務所での尋問シーンです。

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