トマス・ピンチョン著『メイスン&ディクスン』感想
上巻542ページ、下巻552ページの超大作。読み終えるのに1ヶ月かかりましたが、面白かった!
独立以前のアメリカで、ペンシルヴァニアの植民者とメリーランドの植民者との間の境界戦紛争を解決するために、両者の依頼を受けて、英国人の天文学者チャールズ・メイスンと測量士ジェレマイア・ディクスンの2人が率いる測量隊がアメリカ大陸に線を引いた。後にこの線が、アメリカの北部と南部に、すなわち奴隷州と自由州に分かつ線――「メイスン&ディクスン線」――と呼ばれるようになる――。
最愛の妻を亡くして憂鬱症気味のメイスンと、酒と女が大好きな陽気なディクスン。そんな凸凹コンビが開拓時代のアメリカを横断していく。途中でフランクリンとかも登場しますが、当時のこととて、2人は行く先々で「奴隷」制度を目にします。
それに我慢ならなくなったディクスンが、奴隷商人を打ち据えて、奴隷たちを逃がしてやるエピソードは痛快!このことで、2人に固い絆が生まれます。
原文が18世紀の英語で書かれているのにあわせたらしい擬古文調(?)の文体が最初読みにくかったけど、慣れればOK。メイスン&ディクスンをはじめ、一癖も二癖もある人たちばかり。その面白さに引きこまれました。
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