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DVD『わたしを離さないで』感想

寄宿学校「ヘールシャム」で学ぶキャシー、ルース、トミーの3人は、小さい頃からずっと一緒に暮らしている。外界と隔絶したこの学校で、子供たちは勉強のほかに絵や詩の創作をしていた。ときどき「マダム」と呼ばれる女性が来て、子供たちの作品を「ギャラリー」に飾るために持っていった。ある日、トミーが販売会で手に入れた「わたしを離さないで」の曲が入ったカセットテープをキャシーにプレゼントする。しかしトミーと恋を育むようになったのは、ルースだった。キャシーは孤立していく。

3人の担任のルーシー先生が教室で驚くべき発言をする。「あなたたちは臓器提供をするために生まれてきた。」ヘールシャムの子どもたちは、臓器提供のためにつくられたクローン人間だったのだ。ルーシー先生は学校を去った。


  18歳になり寄宿学校を出て農場のコテージで共同生活を始めた3人。ある日コテージの仲間が、ルーシーによく似た人を見た、「もしか」、つまりオリジナルではないか、と言ってきた。彼らと連れ立って見に行った3人だったが、オリジナルかどうか確認できず、かえって絶望が深くなる。
コテージの仲間によると、「ヘールシャムの出身者は、恋人どおしが本当に愛し合っていると証明できるなら、提供開始の猶予を申請することができる」という噂があるという。そんな噂は初耳だった3人だが、それがきっかけで3人の関係がギクシャクし始め、キャシーは介護人を志願してコテージを出る。

 9年後、キャシーはルースと再会する。ルースは2度の「提供」を終えたところだった。ルースはキャシーを誘って、やはり2度目の提供を終えたトミーに会いに行く。そして「あなたたちの仲を引き裂いたことを償いたい、マダムの住所を手に入れたから猶予を申請して」と告白する。 愛を確かめ合ったトミーとキャシーは、マダムを訪ねたが・・・。


  原作はずっと昔に読みましたが、原作者のカズオ・イシグロといえば『日の名残り』、端正な英国小説を書く人だと思っていたので、ある意味グロテスクなテーマに驚きました。 原作では、ヘールシャムの子供たちが臓器提供のために育てられたクローン人間だということは、読んでいて次第に分かってくる、という感じだったと思いますが、映画では、ルーシー先生が暴露していますね。このように原作と違うところがほかにもあるようですが、静謐で謎めいた雰囲気は原作と通じるものがあると感じました。

  ヘールシャムの子どもたちのような存在が合法化されていて、「提供」が当たり前だと、人間側も本人たちも思っているところが不気味です。ドナーたちは人間扱いもされていない。ギャラリー用に絵を描かせるのは、「魂を探るためではなく、魂があるのかどうかを知るため」と言うヘールシャムの校長の言葉に愕然としましたね。

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