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DVD『ミヒャエル』感想

男が食事の支度をしている。2人分だ。地下へ降り、その一室の扉の閂を外して中に「おいで」と呼びかける。出てきたのは幼い少年――。

ミヒャエルは、ウィーンに住む保険会社に勤めるごく普通の、目立たない会社員。隣人や同僚ともそつなく付き合っている。誰も少年を監禁している小児性愛者とは思っていない。


ミヒャエルは少年に対してやさしい。TVは見せてやるし、一緒に食事の片づけをする。おもちゃを買い与え、クリスマスを一緒に祝ってやり、ときには外に連れ出し動物と触れ合わせたりする。病気のときには、仕事を休んで介抱する。子どもにちょっと厳しいお父さん、くらいの接し方で、そこだけ見れば、別に「普通」なんだけれども。 洗面やトイレなど設備が整ってはいるけれど、窓もない地下室に閉じ込め、あからさまには出てこないが、性的虐待を暗示するシーンもあり、「普通」な分だけミヒャエルの異常さが際立つというか・・・。


ミヒャエルがゴーカートレース場(?)である男の子を「うちにも車があるよ、見に来ない?」と誘い出す場面があるのですが、少年もそんなふうに連れ出したのでしょうか。

映画は、そんな二人の「日常」を淡々と描いていきます。

最初は(恐怖からか諦めからか)隷属に甘んじていた少年も、次第に反抗的になっていく。


ミヒャエルの昇進祝いのパーティの夜、上機嫌で帰ってきたミヒャエルは、少年から熱湯を浴びせかけられる。その隙に逃げようとした少年を部屋に閉じ込め、慌てて病院に行こうとしたところ、交通事故を起こし死んでしまう。

映画は、ミヒャエルの母親が遺品整理のため家を訪れ、例の部屋の扉を開けたところで終わるのですが、生きているのか死んでいるのか?なんともいえない後味を残すラストです。

普通に、ミヒャエル・ハネケ監督の作品だと思ってみたのですが、よくよく見たら、ハネケ監督のキャスティング・ディレクターだったマルクス・シュラインツアーさんという人の初監督作品だそうです。全然違和感なかったわ。


映画の中で、昔懐かし「SUNNY」という曲が使われていました。昇進してウキウキしたミヒャエルが車のBGMに合わせて鼻歌交じりに歌うのがそれですが、それがエンドロールにも流れていて、ある意味陰惨なこの映画に、絶妙なハマり方をしていましたね。

舞台がウィーンということは、あの動物園はシェーンブルン動物園なのかな?

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