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DVD『トガニ 幼き瞳の告発』感想

恩師の紹介で霧の美しい田舎街=ムジンの、聴覚障害者学校に赴任することになった美術教師のカン・イノ。途中、車の事故をきっかけに知り合った人権センターの幹事ソ・ユジンに成り行きで送ってもらいようやく到着した学校は、どこか異様な雰囲気に包まれていた。
ニコニコと人当たりはいいがどこか不気味な校長、そして教職に就くための不正な金を平然と要求してくる校長と瓜二つの双子の弟の行政室長。何より生徒たちのおびえたような表情に違和感を覚えるイノ。 そんなイノの不審を裏付けるような出来事が、次々に起こる。職員室で平然と生徒を袋叩きにする男性教師、稼動している洗濯機の中に女生徒の顔を押し込むという常軌を逸した暴行を加える女寮長…。

イノはぐったりした女生徒を入院させ、ユジンに連絡を取る。だがユジンが女生徒から聞き出した新たな事実は、複数の生徒たちが校長をはじめとする教師たちから、日常的に性的虐待を受けているというあまりにおぞましいものだった。 怒りに燃えるイノはユジンらと共に、マスコミの力を利用し真実を暴くことを決意する。

やっとのことで逮捕まで漕ぎつけ裁判が開かれたが、街の名士でもある校長たちが金と権力で裁判を有利に進めようとしたため、裁判は難航を極めた。イノにまで、大金をちらつかせながら示談を持ちかけ、さらには「体の弱い娘さんを大切にしないと」と脅迫めいた言葉さえ投げかける。
しかしイノは、失職を知り怒鳴り込んできた母親に「今この手を離したら、ソルにとっていい父親になれる自信がない」と語りかける。

決定的な証拠も見つけこれで断罪できるかと思いきや、弁護士が寝返り、校長たちにはたった懲役6ヶ月という軽い処分が下っただけだった。

あまりの理不尽さに呆然となるイノたち。祖母が示談に応じたため、証言台に立つことすら出来なくなったミンスは、自分と弟を陵辱したパク教師の家に向かい・・・。

原作はコン・ジヨンの小説「トガニ」。誰もがここに描かれている事柄が“実話”であるという事実に驚愕し、戦慄し、そして怒りを爆発させました。
それをスター俳優のコン・ユさんが映画化に乗り出し、そして本作が公開されるや460万人以上を動員しました。ついには政府をも動かし、「トガニ法」という新たな法律を生み、問題を起こした学校を廃校に追い込んだそうです。

さすが韓国映画。子どもへの性的虐待シーンも容赦なく描いている。日本の映画ならここまでやらないよね。
でもそういう内容を描いた映画だという予備知識があったせいか、それほど衝撃は受けませんでした。衝撃的な事件があまりに多すぎて感覚がマヒしているのかしら・・・。(男子生徒への性的虐待というのは、日本でもほとんど取り上げないので、それはやはり衝撃でしたが・・・。)
それよりも、金や権力で事件を揉み消そうとする大人たちの非道さに怒りを覚えました。

日本でも、児童擁護施設で虐待があって県の調査も入ったけど、改善命令が出たくらいで、何も変わらなかったとかいう話だったし、こういう事件はきっといつまでたってもなくならないんでしょうね。

ラスト、ミンスの遺影を抱えて、「この子を忘れないで」と世間に呼びかけるイノの悲痛な叫び声が耳に残る、そういう映画でした。

公式ホームページ:http://dogani.jp/

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