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ネイサン・イングランダー著『アンネ・フランクについて語るときに僕たちが語ること』感想

もしもまたホロコーストが起こったら、誰があなたを匿ってくれるでしょう――。
フロリダの旧友夫妻を訪ねてきたイスラエルのユダヤ教正統派夫妻。うちとけた四人は、酒を飲み、マリファナまで回してすっかりハイに。そして妻たちが高校時代にやっていた「アンネ・フランク・ゲーム」を始める。無邪気なゲームがあらわにする、のぞいてはいけなかった夫婦の深淵。ユダヤ人を描いて人間の普遍を描きだす、傑作短篇集。」(新潮社ホームページより)

著者のネイサン・イングランダーは、ニューヨークの敬虔なユダヤ教徒の家庭に育ち、高校までユダヤ学校に通うが、大学時代にそれらに疑問をもち、ユダヤ教から離れました。そうした著者の経歴が、著作に色濃く反映されているようです。自分と同じ「ユダヤ人」に対して、奇妙な愛憎というか、複雑な葛藤があることをうかがえました。

一番印象に残ったのは『キャンプ・サンダウン』で、高齢者向けのサマーキャンプに集うユダヤ人の老人たちを描いたものですが、ホロコーストの生き残りである彼らは、収容所の衛兵に似ているという理由で、ある老人を溺死させるのです。(その老人自身、ウクライナ出身のユダヤ人で、ナチには酷い目に遭っていたことがわかる。)

上記短編のほかにも、ユダヤ人のヨルダン川西岸への入植した二人の母親の物語(『姉妹の丘』)や、歳若い息子に父が語る、収容所を生き延びた男の非情な選択(『若い寡婦には果物をただで』)など、全8編。

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