森田汐生著『「怒り」の上手な伝え方』感想
今まさに、心に怒りを抱えている状況なので、読み進めるのが辛かった本でした。
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アサーティブとは、自己主張すること。私は門を立てずに自分の主張を通す言い方のことだと思っていたけれど、目指すところは「自分も相手も尊重するコミュニケーション」なのだそうだ。
嫌なことをされたり言われたりしたときは、怒っていい。でも言い方を工夫して、相手も自分も責めないようにして、よりよい人間関係を構築しましょう、というのが本書の内容です。
では、怒ったときにどう振る舞うか。相手に対し攻撃的になってしまう「カッちゃん」、ひねくれた言い方をしてしまう「ヒネちゃん」、心のうちに抱え込んでモンモンとしてしまう「モンちゃん」とタイプ別に分け、それぞれ対応の仕方を提案しています。
紹介されているスキルの一つに、怒りを伝えるときに「私」を主語にして言うというのがあります。「みんな言ってるよ」などと一般論にすり替えないほうがよいと説いています。
でも以前、上司に「私はそういうは嫌だ。こう思う」と言われたときに、「あなたはそうかもしれないけど、普通の人はそうは考えないよ!!」と反発を覚えてしまいました。
私はその上司に不信と不満を持っていたので、そう感じた。信頼関係がないと「私」が主語のメッセージは逆効果だと思うんだが、そこはどうなんでしょうね。
逆に怒りをぶつけられたときの対処法も出ています。実際こんなふうに冷静に対応できるかどうか難しいけど、真似してみたいと思いました。
この手の本にはだいたい、「自分を認めよう」「自分を肯定しよう」というメッセージが入ります。
ただ、この本を手に取った人は、自分のことは肯定しているけど、「他人は自分のことを肯定していない、悲しい」と思っているから悩んでいるのではないでしょうか。
なんだろう。私は自分のことを肯定していると思っているけど、実は違うのかな。
自分にぴったりの処方箋など載っている本などあるはずはないのですが、この手の本を読むたびに違和感を感じるのです。
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