最近のトラックバック

« ドイツの流行語大賞 Wort des Jahres 2013 | トップページ | ドイツ・ブレーマーハフェン動物園でホッキョクグマ「ヴァレスカ」が双子を出産! »

リュドミラ・ウリツカヤ著『女が嘘をつくとき』感想

『通訳ダニエルシュタイン』の著者で、今ロシアで最も人気のある作家の一人と言われるリュドミラ・ウリツカヤの短編集。沼野恭子訳。

「彼女の波瀾万丈の人生が、全くの嘘だったとしたら!

ジェーニャの家に毎晩やってきては、ポートワインを飲みながら辛い人生を涙ながらに語るアイリーン。ところがその話はほとんど嘘。彼女は結婚したことも子供を亡くしたこともない。真実を知り打ちのめされるジェーニャ。だが嘘にも効用があって……。もう一人の自分の物語を生きる女たちの、面白く哀しくときに微笑ましい人生。」

新潮社紹介ページより)

教養豊かな女性でありながら、お人よしで情が厚いジェーニャ。2度の結婚を経験し息子を育てながら働く彼女の前に現れた女たちが語る「嘘」をテーマにした6篇の短編集。原題は「貫く線」。産んでもいない娘の死を語るアイリーン。いもしない兄について語るナージャ。親戚の男性とデキていると吹聴する13歳の少女。詩人のふりをする老女教授。スイスの繁華街で、シンデレラストーリーを夢見る娼婦たち・・・。

「嘘」がテーマの短編というと、ベルンハルト・シュリンクの『夏の嘘』が思い出されるが、あちらはその場しのぎの嘘が、大事になり、取り返しのつかないことになってしまうような「嘘」だった。

しかし彼女たちの語る嘘は、人を騙そうと思ってついた、というより、その嘘でつらい現実を忘れられるとか、そんな類のもの。

そんな「嘘」にすっかり振り回されるジェーニャ。しかし事故に遭い不幸のどん底に落ちた彼女を絶望から立ち上がらせたのが、凡庸だが信心深い女が見た夢の話――嘘のような話というのも、人生の妙というものだろう。

« ドイツの流行語大賞 Wort des Jahres 2013 | トップページ | ドイツ・ブレーマーハフェン動物園でホッキョクグマ「ヴァレスカ」が双子を出産! »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ドイツの流行語大賞 Wort des Jahres 2013 | トップページ | ドイツ・ブレーマーハフェン動物園でホッキョクグマ「ヴァレスカ」が双子を出産! »

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ