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トーマス・デ・パドヴァ著・藤川芳朗訳『ケプラーとガリレイ 書簡があかす天才たちの素顔』感想

原題は、“DAS WELTGEHEIMNIS―Kepler, Galilei und die Vermessung der Himmels”。
「世界の秘密――ケプラー、ガリレイと宇宙の測量』とでも訳せましょうか。

2人の偉大な科学者の交流の軌跡が今明かされる!・・・というと、ガウスとフンボルトを主人公としたケールマン著『世界の測量』を思い出しますが、あれはフィクションだけど、これは実話。

1609年、ガリレオ・ガリレイがヴェネツィアで高性能の望遠鏡を発表し、翌年、それを使って発見した木星の衛星についての書『星界の報告』は、一大センセーションを巻き起こした。プラハでハプスブルク帝国皇帝ルドルフ2世に仕えていた、皇帝付数学者ヨハネス・ケプラーもその一人。ガリレイとともに近代天文学の祖とも言える人物である。
ケプラーはガリレイに宛てて熱烈な賛辞を送り、一緒に研究しようと誘ったが、ガリレイの方はかえってドン引き(?)して、なかなか返事を出すようなことはなかった。返事を出すのは、皇帝付き数学者としてのケプラーを利用したいときだけであった。

科学のことはチンプンカンプンですが、同じ科学者でも、権力志向のガリレイと、研究者としての野心はあれど世渡り下手で熱情家のケプラーとの対比や、同時代の科学者たちの足の引っ張り合いが面白かった。ガリレイの異端審判についても言及があり、あれは科学対宗教という構図で語られることが多いですが、実際はガリレイがローマ教皇やイエスズ会と対立したために異端審判にかけられただけっていうことも書かれています。
ガリレイって「偉大な天才」ってイメージがあったのですが、自分の研究も立身出世のために使うような、結構俗っぽい人だったんですね。

世紀の発見、エポックメイキングな出来事など、時代を変えてしまうような瞬間を、ドイツ語でSternzeit(シュテルンツァイト)というそうです。
時代は三十年戦争前夜、ケプラーの母も魔女裁判にかけられてしまうような不穏な時代でしたが、この17世紀初頭は新しい技術や宇宙の法則の発見など、科学研究が大躍進を遂げた時代でした。(このころ日本では、徳川家康が江戸幕府を開いたところですね。)
ガリレイは観測によって、ケプラーは計算によって宇宙の法則を導き出しました。これはまさに、Sternzeitというよりほかありません。

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