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映画『エレニの帰郷』感想

テオ・アンゲロプーロス監督の『エレニの帰郷』を見ました。
激動の20世紀を主題にした3部作の第2作目なのですが、監督が撮影中の事故で亡くなったため、これが遺作となりました。

映画監督“A”は、歴史的事件と絡めて自分の両親に起こった出来事を描こうとしていた。その映画は現在中断していたのだが、再開しようとしているところだ。
しかし、妻との離婚を機に鬱になってしまった娘が行方不明になる事件が起こる。そんなとき、両親が彼を訪ねてベルリンにやってくる・・・。

『エレニの旅』の続編ではなかったのですね。
政治犯として投獄されたとか、恋人が音楽をやっているというのは一緒ですが、「スピロス」は『旅』では、ヒロインに後妻になれと迫る養父でしたし、ヒロインの子どもは兄弟で内戦の敵味方に分かれて殺し合い・・・。

Aの母エレニはギリシャの内戦時代、投獄されその後脱獄。
恋人のスピロスは、ギリシャ難民が多く住むカザフスタンの街テミルタウで彼女をようやく見つけるが、逢瀬を楽しんだのもつかの間、二人は逮捕される。
1953年、その日はレーニンが死んだ日だった。
エレニはシベリアに送られる。彼女と親しいヤコブも、後を追うようにシベリアへ。
エレニとスピロスの間に生まれた息子は、ヤコブの姉のもとで育つ。

1974年、ヤコブとともにオーストリア経由でアメリカに渡ったエレニは、先にアメリカに来ているスピロスを探すが、彼はすでに別の女と暮らしていた。失意のエレニは、息子が暮らすカナダへ向かい、そこで3歳のときに別れた息子と再会する。

1999年12月31日。現在ライプツィヒに住むヤコブもやってきて、エレニ、スピロス、ヤコブはベルリンで再会を喜ぶ。
そこへ孫のエレニが見つかったという知らせが入る。孫を連れもどしたエレニは、具合が悪くなり、ベッドに横になるが・・・。

エレニを演じたのはイレーヌ・ジャコブなんだけど、イマイチこの作品のヒロインとしては薄っぺらいというか、迫力不足でしたね。
ヤコブを演じたブルーノ・ガンツやスピロス役のミシェル・ピッコリが重みがあってすごくよかっただけに・・・。
ドイツ系ユダヤ人であるヤコブは、オーストリアからイスラエルに行くことを長年の夢としてきたのですが、エレニと離れがたく、一緒にアメリカに向かう。
彼がこんなにも想い続けたエレニは、しかしスピロスのことしか心にない。
ベルリンでエレニに別れを告げたヤコブの最後のシーンは圧巻でしたね。


ベルリンが舞台、というのも私的にポイント高い映画でした。Aの家はクーダムのあの辺とか、遊覧船乗り場はあそこだとか、ポツダム広場の映画館やオイローパツェンターじゃないかと思われる場面もあり、ウルウルきちゃいました。

作中、空港のセキュリティチェックでNacked Scanner(裸スキャナー)の前に立つ場面があったのですが、2、3年前話題になっていたヤツってこれか~。スクリーンに映る姿はまるで全裸。性器の形まで映し出されて、これは物議を醸しだすのも当然ですね。

くり返し出てくるモチーフに「第3の翼」というのがあるんですが、あれは何のメタファーなんだろう・・・。

公式ホームページ:http://www.eleni.jp/index.html

サントラはアマゾンのページで視聴できます。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001OBML1K/cinematicroom-22

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