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ウラジミール・ソローキン著『親衛隊の日』感想

トルストイ風の牧歌的な情景が突如狂気の殺戮に変わる『ロマン』の作者、ウラジミール・ソローキンの問題作。

2028年、皇帝による専制政治が復活した新生ロシア。皇帝直属の親衛隊<オプリーニチク>が、反体制派を取り締まっていた。親衛隊の幹部、コミャーガの日々を描く。
イワン雷帝時代の親衛隊をモデルにした新時代のオプリーニチクたちは、真っ赤な<メーリン>(メルセデスベンツの隠語)を駆り、貴族の屋敷に押し入り、ロシアの敵を吊るし、その妻を皆で凌辱して実家に送り届ける。

規律は厳しい一方で賄賂はOK。皇帝一家のお気に入りのプリマドンナから知人を救ってほしいと頼まれ、金品並びに麻薬<アクアリウム>を要求する。
この<アクアリウム>という麻薬は、球の中に目に見えないほど小さいチョウザメが入ったもので、このチョウザメが血管を通って脳に至ると得も言われぬ快楽が得られるのだった。コミャーガは親衛隊の仲間とともにトリップする。

その日もコミャーガはロシアの敵を排除する3つの案件をこなし、親衛隊のリーダー、バーチャの邸宅に呼び出される。親衛隊が一堂に集う中、皇帝からモビーロ(テレビ電話のようなもの?)が入り、中国を困らせている西シベリアの役所を粛正するように命令が下る。新生ロシアは中国との関係に腐心しており、皇帝一族も中国語を習っているほどだ。

そのあと、幹部たちだけの秘密の会合があった。蒸し風呂に通されると、中国の秘薬を用いて光り輝かせた陰茎を相手の菊門に挿入し、親衛隊は数珠つなぎになり、それは毛虫のように見える。
この結合の儀式のあとに、皇帝の女婿の伯爵が命乞いにやってくる。皇帝の寵を失った侯爵にかける情けはないとばかりに、若い親衛隊たちが伯爵を血祭りにあげる。

いやすごすぎる、ハチャメチャ状態。
ソローキンは、70年代後半からモスクワのコンセプチュアリズム芸術運動に関わり、アブノーマルな性や暴力の描写と結びついた作風で、カルト的な作家とみなされていましたが、近年は国内外で評価が高まっているロシアの作家。

作者は現代のロシアを風刺していると言っていますが、皇帝のように権力をふるい、反対勢力を軍事行動で押しつぶしたり暗殺させたりする大統領がいるんだから、あながちホラとも言えないですね。

凝りに凝った設定と同性愛的な男たちの絆。オタクが好きそうだな~、おっさんばかりだけど腐女子なら余裕で萌えられるでしょ、とか思いましたね。でもほんと薄い本できそうですよ。コスチュームとか、映画『イワン雷帝』見てパクるとかどうでしょう(笑)。

続編は『砂糖のクレムリン』というらしいです。これは邦訳がありませんが、どんななんでしょうね。
邦訳があるのでは、『青い脂』というシュールな題名の作品があるようです。

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