アービンジャー・インスティチュード著「自分の小さな「箱」から脱出する方法」感想
「これ読んで人生観変わった!」という書評を読んだので、興味を持ちました。
業界で驚異的な業績を上げている会社に転職して1か月のトム・コーラム。新人マネージャーとして、上司との1対1のミーティングを受けることになった。そこで思ってもみなかった言葉を投げかけられる。「君には問題がある」。自分ほど努力してきた人間はいない。仕事だって一生懸命やっている。それなのになぜ!?
家族や同僚との関係に感じる不満は、実は自分が「箱に入っている」状態であることから引き起こされている、ということが述べられています。そして本人はえてして自分が問題を抱えていることに気がついていない。
箱に入っている人は、自分に目を向けるだけで精一杯になってしまって成果を出すことに集中できなくなる。そして相手をも箱に入れようとするから、対立が生まれる。
まるで自分のことを言われているようで、胸が苦しくなりました。
そして「箱」の中から出るにはどうしたらよいか。それは乱暴にも一言でまとめると、「相手をモノとしてではなく、人間として見ること」あるいは「相手のために何かしたいと思うこと」。
例えば、2つ並びの席の一つに座っているとする。隣の空いている席に人が座らないよう牽制する人と、2つ並びの席を探している夫婦に譲って上げる人と、どちらが「箱の外に
いる」のか?
でも、相手が自分をモノとしてしか見ないのなら、こっちだってモノとしか扱えないでしょうに・・・。
こちらがアサーティブに振る舞っても、向こうがアサーティブに振る舞ってくれなかったら・・・。
そういうふうに考えること自体「箱に入っている」ということか。
それでも相手が変わらない場合、(歌の文句じゃないけど)「尽し足りない私が悪い」ということになるのか。
最後に「あるべきリーダー像」を示して本書は幕切れとなります。
私の疑問(というか不満)については、直接的な答えになりそうな部分はなかったのですが、何かしらヒントになりそうな気がしました。
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