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ウラジーミル・ソローキン『青い脂』感想

ハマっちゃったけど理解不能。

 2068年のロシア。人里離れた研究所に、かつてのロシアの文豪のクローンが7体運び込まれる。クローン人間と言っても外見が似ているとは限らず、手足や頭が極端に大きいなどいびつな形をしている。このクローンの文学活動から生まれるのが「青脂」で、これを摂るのが目的である。
 しかしできた青脂を、「ロシア大地交合者教団」に奪われる。(男性のみで構成される教団の信徒たちは、大地を崇拝するだけでなく、文字通り男根を土の中に突き刺す。)
 教団は青脂を1954年のソ連に送り込む。この世界ではスターリンは現役。フルシチョフと愛人関係(フルシチョフが攻め)にある。また壁はベルリンにはなくプラハにある。
 青脂を手に入れたスターリンは家族とフルシチョフを伴い、ドイツのヒトラーのもとを訪れる。
 しかし青脂を我が物にしようとするナチスとの死闘の最中、青脂を注入されたスターリンの脳は膨張を続け、ついには宇宙を埋め尽くす。その後収縮し元のサイズに戻る。
スターリンが目を開けると、そこは2068年。年老いたスターリンは傲慢な若者の下僕となっている。青脂でできたマントを若者に着せかけて、物語は終わる。

370ページ分のあらすじを、乱暴に要約すると、こんな感じ。未来のロシアは中国文化が浸透しているという設定なので、文章に中国語が混じるは、それ以外のところでも英語やドイツ語、フランス語などが使用されています。
造語もおびただしい数が使われていて、作者本人が註解をつけていますが、余計わけわからない(笑)。

例えば会話の中で、呼びかけ(?)でよく使われる「リプス・老外」についての注は
「リプス」・・・2028年のオクラホマにおける核災害の後、ユーロアジア人たちの会話の中に現れた国際的罵言。独断で放射線障害ゾーンに残り、25日にわたって放射線を浴びた死にゆく己の体の状態について詳細な実況放送を行った、USA海兵軍曹ジョナサン・リプスの苗字に由来する。
「老外(ラオワイ)」・・・よそ者。
もうね、よくわからないから「くそったれ」とか「Fuckin' ××」くらいのニュアンスで捉えておけばいいと思うの。(←諦め)

クローンのメンバーは以下のとおり。
ドストエフスキー2号、アフマートワ2号、プラトーノフ3号、チェーホフ3号、ナボコフ7号、パステルナーク1号、トルストイ4号。
彼らがそれぞれ、オリジナルの文体を模倣しつつ内容は破壊的な作品を書きます。クローン人間がオリジナルとそっくりにならない、というのは、しょせん模倣、パロディなんだよ、っていうことだからでしょうか。
私はドストエフスキーくらいしか知っている作家がいませんが、ソローキンの博識、多彩さが際立つところでしょう。

内容の過激さから「わいせつ本」と訴えられたという本作。(なんせスターリンがフルシチョフに「おじさんの芋虫を坊やの中に入れてほしいの・・・」だもんな。)
でも、1度読んだら意外とハマます。

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