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パスカル・キニャール著『アマリアの別荘』感想

本作品は、イザベル・ユペール主演で映画化されたという。なるほど、イメージぴったりだ。


アン・イダンは現代音楽家。15年連れ添ったパートナーの浮気現場を目撃したそのとき、小学生時代の幼なじみのジョルジュに再会する。

ジョルジュの助けを借りながら、アンはパートナーと別れ、家財道具を一切売り払い、生まれ変わるための旅に出る。
ナポリを経てイスキア島にたどり着き、そこで海が一望できる崖の上の別荘、兄が自分の妹アマリアのために建てたという謂われのある別荘に一目惚れして、所有者に交渉して借りることに成功する。

部屋で倒れていたのをきっかけに、アンはナポリの病院に入院し、いつしか主治医のラドニツキと懇ろになる。彼は離婚した妻との間に2歳半の娘レナがおり、3か月ごとに面倒を見ることになっていた。

海で溺れたアンはヴァカンス中のカップルに救助される。女性の方・ジュリアはアンに夢中になり、レナのベビーシッターとしてナポリにとどまる。
しかしジュリアの不注意でレナが死に、ジュリアは行方をくらます。
アンはラドニツキと別れ、ジョルジュの元に戻る。

その矢先、母が死んだという知らせを受け取る。母の葬儀に、アンが幼いころ失踪し、長年音信不通だった父親が姿を現す。

ユダヤ人である父は、カトリック教徒の母と結婚することで書類が整い、戦争中もフランスに留まることができたが、結婚生活そのものやお互いに監視し合うような狭い社会に耐えられなくなったのだ。二人は和解をするが、二度ともう会わないという約束をし、最後に一緒に作曲する。

病で余命いくばくもないジョルジュに懇願され、ついにアンは彼と結婚するが――。

父親が失踪したという過去が影響しているのか、アンは他人に対して臆病であると同時に薄情だ。
一緒にいてくれと縋る男たちを平気で置き去りにするのは、置き去りにされることに耐えられないからだろう。

父親の前で子供のように泣きじゃくるくせに、パートナーに黙って、二人で住んでいる家を売りに出し、彼の持ち物までも捨て去る。残酷と思う人もいるかもしれないが、いったん心が離れたら、そこまでするのに何のためらいもないのが女だ。女性の心理を上手いこと書いているな~、と思いましたね。

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