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DVD『愛、アムール』感想

『ピアニスト』『白いリボン』など、衝撃的な作品を発表してきたミヒャエル・ハネケ監督。
その彼が次に見据えたのは、ひと組の老夫婦の愛の形だった――。

消防団が玄関を破り、目貼りのしてあった部屋を開けると、盛装をして花を撒き散らしたベッドに横たわる老女の死体があった。

ジョルジュとアンヌは、ともに音楽家の老夫妻で、パリの高級アパルトマンに暮らす。その日、ふたりはアンヌの愛弟子のピアニスト、アレクサンドルの演奏会へ赴き、満ちたりた一夜を過ごしたのだった。

翌日、いつものように朝食を摂っている最中、アンヌに小さな異変が起こる。突然、人形のように動きを止めた彼女の症状は、病による発作であることが判明。手術を受けるも失敗に終わり、アンヌの体に麻痺が残った。医者嫌いの彼女の「二度と病院に戻さないで」との願いを聞き入れ、車椅子生活となった妻と、夫は自宅でともに暮らすことを決意する。

当初、時間は穏やかに過ぎていった。誇りを失わず、これまで通りの暮らし方を毅然と貫くアンヌ。それを支えるジョルジュ。離れて暮らす一人娘のエヴァも、階下に住む管理人夫妻も、そんな彼らを見守る。思い通りにならない体に苦悩し、ときに「もう終わりにしたい」と漏らすアンヌを懸命に励ますジョルジュ。

しかしアンヌの病状は確実に悪化していった。母の変化に動揺を深めるエヴァ。それでも、ジョルジュは献身的に世話を続けた。しかし、看護師に加えて雇ったヘルパーとうまくいかず、娘からの干渉も避けるようなり、次第に孤立していく。

夫は「痛い、痛い」と泣き叫ぶ妻を落ち着かせようと、懐かしい日々の思い出を語り出すが、発作的に布団をかぶせ――。

体がいうことをきかない。失禁してしまったことにショックを受ける。人間誰しもが避けて通ることのできない「老い」と「死」。
しかし、映し出されるのは決してそれだけではない。常に相手を気遣い、次第に衰えていく相手のありのままを受け入れる。苦楽を共にしてきた夫婦の歴史や絆の深さが映し出される。
「老老介護」の果ての介護疲れによる殺人――。なんて一言でまとめちゃいけませんね。

でも実際、一人で献身的に介護するのは美談に聞こえるけど、どんどん他人の手を借りなくちゃ、共倒れになることは目に見えています。
核家族化が進み、「子どもに迷惑をかけたくない」という人も増えている現在、「老老介護」によるトラブルも増えていくと思うな~。

夫妻の愛弟子のアレクサンドルは、役者さんが扮しているのではなくて、現役のピアニストが実名で出演していて、劇中音楽も彼が担当したそうです。
2011年に来日してコンサートしてますね。

ハネケ監督だからためらいもなくドイツ語作品と思いこんでいたけど、パリが舞台なのでフランス語作品でした。

公式ホームページ:http://ai-movie.jp/

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