最近のトラックバック

« 凍るオイル | トップページ | FLOのバケットシュトーレン »

DVD『プライズ~秘密と嘘がくれたもの~』感想

本作は、監督のパウラ・マルコビッチの半自伝的な映画だということです。

海辺の掘立小屋のような家で、隠れるように暮らし始めた母と娘。

娘のセシリアは7歳。近くの小学校に通い始める。友だちもできたが、家族のことについては、「パパはカーテンを売っている。ママは主婦で家にいる」としか言ってはいけない。

ある日、軍人がやってきて、国旗を讃える作文のコンクールをやるという。セシリアは、作文に「いとこは彼らに殺された」と書く。
そのことを母に告げると、真夜中にもかかわらず街を出ていこうとするが、作文が教師の手元にあることを知ると、教師の家に押しかけ、作文を直させてほしいと申し出る。
一旦は断った教師だが、作文を読んで、書き直しを許す。
軍を褒め称える内容の作文は、コンクールで最優秀賞を取る。

授賞式に出ることを母は許さない。なぜ賞を取ったのに賞賛されてはいけないのか、なぜ身を隠さねばならないか、納得のいかないセシリアは、授賞式に出ると言ってきかない。
母はとうとう、すでに父は軍に殺されたのだ、と打ち明ける。

授賞式には出たセシリアだが、そのことを聞いた後では素直に喜べず、軍人たちに恐怖を覚える。

セシリアは母に許しを請う。

1970年代、軍事政権下のアルゼンチン。当時、軍政権に反する思想の持ち主は「悲観論者」と呼ばれ、連行され拷問を受け殺されたりしていたようです。「悲観論者」とされると、一族もろとも弾圧を受け、セシリアのいとこも殺されています。そういえば、『瞳は静かに』も、同じ時期、軍事独裁政権下のお話ですね。

教師が作文の書き直しを許したのも、同情が半分、あともう半分は、教え子に「悲観論者」がいると軍部に知れると面倒なことになると思ったからでしょうね。
コンクールの話をしに来た軍人の前で、ことさらに子どもたちに軍隊式の挨拶をするよう強要するのも、「軍に睨まれないように」と思ってのことに違いない。

ところで、セシリアが行く小学校の生徒たちが着ている白いスモックみたいなのが、アルゼンチンの公立の小学校の制服だそうです。
19世紀末より、アルゼンチンはイタリアからの移民が多かったので、イタリアの影響を受けたかららしいです。

« 凍るオイル | トップページ | FLOのバケットシュトーレン »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 凍るオイル | トップページ | FLOのバケットシュトーレン »

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ