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DVD『やさしい本泥棒』感想

マークース・ズーザックの『本泥棒』の映画化です。(感想とあらすじはこちらから)


もともと英語圏の作品だし、出演者がジェフリー・ラッシュやエミリー・ワトソンだったから英語の映画でしたが、ナチス党員の演説や、“Nein,Mama (いいえ、ママ)”とか簡単な言葉はドイツ語で、ちょっと面白かったわ。

里子に出されたリーズルとその弟。その道中で弟は息絶える。埋葬のときに墓堀人が落とした本をリーゼルはくすねる。 里親のハンスは、リーズルが字が読めないことに気づき、本を読み聞かせたり、地下室の壁に字を書かせたりした。

ハンスの命の恩人の息子マックスが、ユダヤ人狩りを逃れて、ハンスを頼ってやってくる。地下室に匿われた彼のために、リーズルは毎日外の様子を話して聞かせる。 「君の目が口だったら何を話す?」と言われて、「全てが雲に覆われている・・・太陽は銀色の牡蠣のよう」と答えるリーズル。こうして文字を知らない少女は表現の才能を開花させていく。

しかし時代は、ナチスに認められた思想が描かれた本以外読むことを禁じるようになっていった。 ある日、リーズルはナチスにとって「有害な」書物を燃やす儀式に参加する。本を愛する彼女はその光景を見るに忍びない。同級生に「実の母親は共産党員なんだって?この本を燃やしてみろ」と本を手渡され、しぶしぶ本を火に投じる。

皆がいなくなったころ合いを見て、焚書された本の山から一冊持ち帰ろうとしたところを市長夫人に見られる。

養母ローザは、生活費の足しに市長の家の洗濯物を引き受ける。アイロンをかけた物を届けに市長宅を訪れたリーズルは、市長夫人に図書室に招きいれられる。

焚書された本を持ち帰るような「危険人物」を市長である夫に突き出さずに、さらに本を読める環境を与える、というのは、夫人のナチスへのささやかな抵抗なのかな。戦死した、本好きな息子とリーズルを重ねただけかもしれないけど。

ローザも、マックスのことは匿うのは当然だと思っているし、高熱で倒れたマックスの意識が戻ったときには、リーズルに知らせにわざわざ学校まで行きます。 (気難しい性格に見えて、実は愛情を表すのが苦手な、不器用な女性だということがわかるよいシーンでした。)

マックスの親友も、ナチス党員であるにもかかわらずマックスを逃がしますが、当時のドイツ人全員が「ナチス」に染まっていたわけではない、良識ある行動をとる人もいたんだ、ということを表しているんじゃないでしょうか。


映画だから、いろいろ省略されたり改変されたりするのは仕方ないのですが、 マックスがリーゼルのために書き残した、『言葉を揺らす人』という感動的なファンタジーのエピソードが省略されていました。あれがこの物語のキモなのにな~、残念。


登場人物がみんないい人で、身なりや家の中が小奇麗だったり、空襲の最中ハンスが防空壕でアコーディオンを弾いても誰も文句も言わないとか戦時中なのに殺気立ったところがなかったりで、 ナチス政権下のユダヤ人迫害の話なのに、なんだかふわふわした、おとぎ話のような映画でした。

それでも、ハンスが党員でないから仕事を回してもらえないとか、時代を感じさせるところはありましたが。

公式ホームページ:http://video.foxjapan.com/release/bookthief/

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