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DVD『おじいちゃんの里帰り』感想


1960年代半ば、労働力不足に悩むドイツは、トルコなどから数多くの移民を受け入れた。フセイン・イルマズもその一人。100万1人目の「外国人労働者Gastarbeiter」としてやってきて、後には家族も呼び寄せた。 気がつけば50年もの間故郷には帰っておらず、フセインは70代を迎え、イルマズ家は大所帯になっていた。

ある日、フセインは「故郷の村に家を買ったので、休暇はそこに家族皆で行こう」と言い出す。皆は反対するが、並々ならぬ彼の熱意を前に折れる。3000キロも離れたトルコの村へ向け、一同は出発する……。

故郷の村へ向かう道すがら、孫娘のチャナンが思い出話を話す、という形で家族の歴史が回想シーンとして挿入されます。

それはそのまま、トルコ移民の典型的なファミリーヒストリーだったんでしょうね。 ドイツ語も話せないままやってきて、パン1つ買うのにも悪戦苦闘。そのうちクリスマスや水洗トイレに慣れ、もう以前の暮らしには戻れなくなる。ドイツに根付いて、中にはドイツ人と結婚する者も出てくる。

フセインの孫息子チェンクの母はドイツ人ですが、チェンクは「僕はどっちの国の人間なんだろう」と頭を悩ませています。 旅の途中で、物売りの少年に出会いますが、トルコ語をほとんどしゃべれないチェンクは、少年とコミュニケーションが取れない。少年の方が、「僕ドイツ語話せるよ」と言って合わせてくれる。(この子にもドイツに出稼ぎに行った身内がいるのかな~、なんて思いました。)

物語の中盤でフセインは帰らぬ人となりますが、彼は自分の死期を悟っていたから、家族を誘ってトルコに旅立ったのか。 いや、ただ自分たちのルーツを、家(といってよいものか(笑))から見えるあの風景をもう一度見せたかっただけなんだろうな。 何らかの兆候はあったのかもしれないけど。

葬儀のシーン、現在の家族と50年前の子供時代の彼らがともにいて、とてもファンタジックに思いましたね。

この映画の原題は「Almanya - Willkommen in Deutschland」。「ドイツへようこそ」当時そう言って迎え入れられた外国人労働者ですが、文化の違いや差別など、今では社会問題となっています。

映画の最後のクレジットでマックス・フリッシュの「我々は労働力を呼んだが、来たのは人間だった」という言葉を引用していますが、用が済んだら邪魔者扱い・・・それはひどい。 ドイツとトルコ、なかよく共存していきましょう、という監督のメッセージがこめられた映画でした。


公式ホームページ:http://www.almanya-film.de/(独)

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