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DVD『陽だまりハウスでマラソンを』感想

原題は『Sein letztes Rennen 彼の最後の走り』。
またもや元気老人の映画です。
























1956年のメルボルン五輪、マラソン競技で金メダルを獲得し、「走る伝説」と呼ばれたパウル・アヴァホフ。しかし半世紀以上たった今、その選手人生を公私で支えた妻マーゴの病気をきっかけに、夫婦で老人ホームに入居する。

子供だましで退屈なレクリエーション、型にはめたがる療法士、仕切り屋の入居者にうんざりしたパウルは、何十年ぶりかのランニングをホームの庭で再開する。

目標はベルリン・マラソン。最初は冷ややかに見ていた入居者たちも、彼を応援するようになる。

しかしパウルの言動を、「妻を失う恐れから情緒不安定になっている」「老人性うつ病のせい」と決めつけた療法士が彼を精神科の医師に診せたことに怒り、マーゴを連れて施設を飛び出す。
CAとして世界中を飛び回っている娘の家に転がり込み、マーゴとともにマラソンの練習に励むが、マーゴは病気が進行し、帰らぬ人となる。
抜け殻のようになって街を彷徨っているところを保護され、パウルは施設に戻る。しかし妻を失った悲しみから錯乱状態になり、壁に頭を叩きつけるなどの自傷行為をしたことから、鎮静剤を打たれ拘束されてしまう。
そんなパウルの姿を見た、(彼をかつてうんざりさせた)入居者の一人が一計を案じ・・・。


この映画では、元気老人だけでなく、主人公を取り巻く周囲の人々のこともちゃんと描いています。
介護の必要な親を抱え、仕事も忙しい娘。死を目の前にした高齢者たちを助けてあげたいという使命に燃える療法士。規則や制限づくめの介護に疑問をもっている介護士。
歌ったり、栗で人形を作ったり、幼稚なレクなのは認めるよ、でも予算も人手もないんだろうな。
なり手がいなくてタイ人やポーランド人を雇っている、ってセリフもあったし。
ドイツの介護事情も、インドネシアから介護要員を募っている日本と一緒ですね。
ほのぼのした邦題やDVDのパッケージのデザインで想像されるものと違って、内容はかなり世知辛いです。


介護する側からすれば、事故や面倒を恐れて規則で縛り拘束も辞さないのでしょうが、そんな窮屈な生活を強いられている入居者たちには、パウルは今でもヒーロー。

「ここは人生の終着駅だ、終の棲家なんだ」なんて諦めを言っていても、心のなかでは、自分らしく生きたいと思っている。

ベルリン・マラソンでゴールする彼を見に行こう、と療法士を閉じ込め、街に飛び出す入居者たちの楽しそうなことと言ったら!
やっぱりこういうのが大切だな~、と思いましたよ。

ベルリン・マラソンが題材ということで、画面の随所にベルリンの風物が出てきて――あ、クーダムのクランツラーの前だ~とか、テレビ塔だ~、とかブランデンブルク門だ~、と、ベルリン好きには楽しい映画でした。

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