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DVD『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』感想

年末はアイヒマン祭りだ!(←どんな祭りだよ・・・)

1961年、イスラエルのエルサレムでは、歴史的な裁判が開かれようとしていた。被告は、アドルフ・アイヒマン。第二次世界大戦下のナチスの親衛隊の将校であり、“ユダヤ人問題の最終的解決”、つまりナチスによるユダヤ人絶滅計画(ホロコースト)を推進した責任者である。15年による逃亡生活の果て、アルゼンチンで身柄を拘束されたアイヒマンは、イスラエルに移送されエルサレムの法廷で裁かれることになった。
このテレビ放映権を獲得したのが、アメリカの若き敏腕プロデューサー、ミルトン・フルックマンである。「ナチスがユダヤ人になにをしたのか、世界に見せよう。そのためにTVを使おう」(あらすじは公式サイトより引用)


ミルトンが監督に起用したのは、才能があるにもかかわらず、マッカーシズム(1950年代に猛威を振るったアメリカの反共産主義に基づく社会運動)の煽りで職を失っていたユダヤ系米国人ドキュメンタリー監督レオ・フルヴィッツ。
当局の許可は下りたものの、3人の判事の了解が取れていない状況の最中、フルヴィッツはエルサレムに到着。判事たちが難色を示す理由がカメラが目立ちすぎることだったので、壁に穴を開けてそこから撮影することを思いつく。

政治の壁、技術的な問題、さらにはナチの残党による脅迫などさまざまな壁を乗り越え、4月11日、裁判は初日を迎えた。

法廷で112人に及ぶ証人が、生々しくホロコーストの体験を語った。ホロコーストの残酷な実録映像も証拠として流された。それを見聴きし撮り続けている現場のスタッフの方が体調を崩すほどの壮絶なものだった。

それでもアイヒマンは顔色一つ変えることなく、罪状を否認していく。
アイヒマンは「怪物」ではなく、我々と同じような平凡な男だったはずだ。何がそんな男を何千人もの子供を死に追いやる人間に変えたのか。人は、状況下によっては誰でもファシストになる可能性があるのだ。

それをカメラの前で暴き出したいフルヴィッツだったが、アイヒマンはなかなか表情を崩さない。
焦りとイラ立ち、そして無力感から監督を降りようとすら考えたが、逗留先のホテルの女主人から、「あの裁判のおかげで、周りの人も興味を持ってくれるようになったし、私のようなホロコーストの生存者は『ホロコーストについて語ってもいいんだ、嘘だと言われなくてもすむんだ』と思えるようになった」と感謝され、思いとどまる。

こうして4ヶ月の間、フルヴィッツらによって撮影された映像は、世界37カ国でTV放映された。アメリカの3大ネットワークでも放映され、イギリスのデイリーニュースは速報で伝えた。ドイツでは人口の80%がこの放映を観たといわれている。
そして死刑判決が下り、1962年6月1日、アイヒマンは絞首刑に処せられた。

アイヒマンという男の「人間ドラマ」を撮りたい、「凡庸な悪」を証明したい監督フルヴィッツと、裁判を「ショー」と割り切り視聴率を取りたいプロデューサーのミルトン。
その信念の違いもあるも、「真実を世界に知らしめたい」という情熱は同じ。アイヒマン裁判の裏話としてとても興味深い映画でした。
公式サイト:http://eichmann-show.jp/


ところで、南米にナチスが逃亡することができたのって、裏で当時のアルゼンチン大統領、フアン・ベロンが支援してたからんですね~。
ということが今読み始めたガイ・ウォルターズ著『ナチ戦争犯罪人を追え』に書いてありました。

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ほんとは大掃除しなきゃならない・・・けど、ちょっと読んでみようか。

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