最近のトラックバック

« シアターコクーン『罪と罰』感想 | トップページ | ドイツの流行語大賞 Wort des Jahres 2018 »

江川卓著『謎とき 罪と罰』

ロシア文学者江川卓氏が、『罪と罰』に秘められた多くの秘密を解説。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

謎とき『罪と罰』 (新潮選書) [ 江川卓 ]
価格:1512円(税込、送料無料) (2019/1/19時点)


この本があったからこそ、文庫本で2冊もある『罪と罰』を終わりまで読めたし、ロシア文学にハマるきっかけになった本。

観劇前に予備知識として読むもよし、観劇後に内容を深掘りするのに読むのもよし、です。



たとえば、
主人公の名、ロジオン・ロマーノヴィチ・ラスコリニコフの由来は?
「ロジオン」は洗礼名で、教会暦によると」ギリシャ語の「ロドン(薔薇)」に由来する。
「ロマーノヴィチ」は父称で、父親が「ロマーン」という名であったことを示す。
「ラスコリニコフ」は、17世紀にロシア正教会から分裂した「分離派(ラスコーリニキ)」に由来する。
これくらいならちょっと調べればわかること。謎解きの著者によれば、隠された意味があるという。
イニシャルが全部「R」となるが、ロシア語のR音は「P」で表されるから「PPP」。これを裏返すと、「666」、つまり悪魔の数字になるというのだ。
ドストエフスキーは、きっと「666」を意識して、主人公の名をつけたに違いない、と力説する。

また『罪と罰』のキーワードともいうべき「ラザロの復活」についても、こんな風に解説されている。
ラスコリニコフの母が自分の息子の下宿部屋について、「ここはお棺みたいだ」と評するが、
ここで使われる原語「グロープ」は、ラザロの復活のくだりでも使われている。
ラザロの墓の前に来たイエスがその姉妹マルタに、(墓をふさぐ)石を取り除けるように命じると、マルタは答えた。「主よ、もう臭くなっております。墓(グロープ)に入って4日ですから」
ラザロ=ラスコリニコフであり、ラスコリニコフが最後に「復活」することがここで暗示されている。

・・・という感じに豊富な知識と、ときにこじつけすれすれの推理力で、この作品に秘められた謎を解いていくわけですよ。
ね、わくわくするでしょ?読むしかないでしょ?
『白痴』や『カラマーゾフの兄弟』など他の「謎とき」シリーズも面白いのでぜひ読んでみてください。

« シアターコクーン『罪と罰』感想 | トップページ | ドイツの流行語大賞 Wort des Jahres 2018 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« シアターコクーン『罪と罰』感想 | トップページ | ドイツの流行語大賞 Wort des Jahres 2018 »

2019年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ