« コロナにまつわるドイツ語 | トップページ

映画『ヒトラーVSピカソ 奪われた絵画の行方』感想

 


 

「1933年から45年にかけて、ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、戦後70年以上経った今でも10万点が行方不明と言われる。なぜ、ナチス・ドイツは、いやヒトラーは、美術品略奪に執着したのか? 本作は欧米で活躍する歴史家、美術研究家を始め、略奪された美術品の相続人や奪還運動に携わる関係者の証言を元に、ヒトラーの思想の背景と略奪された美術品が辿った闇の美術史に迫る。ピカソ、ゴッホ、フェルメール、マティス、ムンク、モネ…今なお行方不明の名画たち。ナチスに弾圧され奪われた美術品と、それに関わる人々の運命に迫る名画ミステリー」

(ホームページより引用:https://klockworx.com/movie/m-407147/)

 

ローゼンベルクを中心にした、ERR--全国指導者ローゼンベルク特捜隊--ドイツ語で Einsatzstab Reichsleiter Rosenberg, ERR)という組織を作って、美術品を略奪したヒトラーとゲーリング。
戦後見つかって所有者のもとに帰ったのはほんの一握り。
2012年、略奪に加わった画商グルリットの息子が略奪美術品を隠匿していたことが発覚した。ドイツ政府はもちろん返還要求をしたが、息子は拒否。息子が亡くなったときも、所有者のもとには戻らず、なぜかスイスのベルン美術館に遺贈されることとなった。
所有者やその子孫は、中には金目当ての人もいるけれど、ほとんどが家族の思い出を取り戻したいと思って返還を要求している。


原題:HITLER VERSUS PICASSO AND THE OTHERS。題名はピカソのもとに親衛隊がやってきた時のエピソードに由来します。
ピカソの手元に「ゲルニカ」の絵葉書があった。親衛隊は聞いた「これはあなたの仕事(作品)ですか」
ピカソは答えていった「いいえ、あなた方の仕事(仕業)です。」

「芸術家は絵を描いたり音を聴いたりするだけじゃいけない。この世の悲劇や喜びに敏感な政治家であるべきだ。無関心は許されない。絵は、敵を攻撃し、防御するための手段なのだから。」

ヒトラーたちはこのことをわかっていたからこそ、ピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、シャガール、クレーらの作品を退廃芸術の烙印を押して迫害したのでしょう。
前衛美術の芸術家たちにユダヤ人が多かったことも理由の一つだったのでしょうが。


それらの作家の作品を集めた『退廃芸術展』が、それと並行して行われた、ヒトラー好みの古典芸術を展示した『大ドイツ芸術展』よりも盛況だったことも、

芸術を迫害したことで多くの芸術家や作品がアメリカに流出し、それがもとでニューヨークで現代美術が盛んになった、現代芸術の発展に寄与したというは、ちょっとした皮肉だと思いました。

 

 

|

« コロナにまつわるドイツ語 | トップページ

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« コロナにまつわるドイツ語 | トップページ