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映画『ミッドナイトスワン』感想

 

 


 

 

身体は男で心は女のトランスジェンダーの凪沙(なぎさ)は
従妹の娘で、母親から育児放棄されていた一果(いちか)を養育費目当てで預かることに。
心を閉ざし、転校先の学校でも問題を起こす一果に手を焼く凪沙だったが、いつしか心を通わせるようになる。
彼女にバレエの才能があると知り、バレエを習う費用を工面するために、身体を売ろうとしたり、男の格好に戻って倉庫勤務の職を得たりもしたり、
ついには「母になりたい」とまで思いつめ・・・という話。

心と体の不一致がおきるということは、
「お前は男だから/女だから」と言われて、「自分が男/女だ」という性自認になるわけではなく、
最初から、「男の心」とか「女の心」というものがあるということなのか。
天使のいたずらで男の子の心と女の子の心を一つの体に宿した「リボンの騎士」のサファイヤみたいに。

そしてトランスジェンダーの厳しい現実、みたいな内容に考えさせられました。
スカートをはいてメイクした男性を受け入れてくれるのは、場末のゲイバーとか夜の商売くらいしかなくて、だから経済的余裕がない。
ホルモン注射とか、身体のメンテナンスにもお金がかかるし。

「なぜ自分たちばかりがこんな目に遭うの」って同僚たちと嘆いていたけど
普通の男だったら、普通に仕事もあって「オネエ」だの「オカマ」だのと馬鹿にされずに暮らせただろうに、
「自分らしく」どころか、普通に、つまり仕事もあって、健康で文化的な生活を送ることすら難しいってのは、本当に厳しいことだと思いましたね。


実の母親に連れ戻された一果を迎えに行きたいと思い、「女になれば母になれる」と、タイで性適合手術を受けるも、それはかなわなかった。

中学を卒業した一果が、バレエを続けついに海外留学の切符を手にしたことを報告しに、凪沙に会いに行く。しかし凪沙は、術後のケアをサボって手術した箇所が悪化し、血と糞尿にまみれたおむつ姿で横たわっていた。

「海に行きたい」という願いを聞いて、一果は凪沙を海に連れていく。そこで凪沙は、スクール水着を着た少女の幻を見る。
それは、スクール水着を着たいのに海パンを履かされた凪沙の本当の姿だった。


一果が踊る『白鳥の湖』のオデットは、朝日を浴びると白鳥に戻ってしまいます。

でも凪沙や一果は、白鳥になることで、人間関係とかいろんなしがらみから自由になり羽ばたけた、そういうことを言いたかったのではないか。

凪沙の想いを胸に世界のコンクールの舞台で踊るラストは圧巻でした。

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