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映画『ミッドサマー』感想

 


 


家族を妹が起こした無理心中で亡くした女子大生ダニーは、スウェーデン出身のペレに誘われて、彼の故郷の”90年に一度の祝祭”を、大学で民俗学を研究する恋人クリスや友人と共に訪れる。


美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村「ホルガ」は一種のコミューンで、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。しかし、次第に不穏な空気が漂い始める。


9日間続くお祭りの二日目。会食のあと、二人の年老いた男女が輿に乗せられて断崖絶壁の崖の上に連れていかれる。二人は次々と身を投じるが、村人たちはそれを晴れやかな顔で見守っていた。驚く客人たちに族長らしき女性は、「これは昔から続く風習で、ホルガでの生命のサイクルを終えたので、老いて苦痛や恥辱の中で生きるより前に死ぬことは大いなる喜び」と説明する。
「ホルガ」が牧歌的な村と思いきや狂気のカルト集団だと知り愕然とするダニー達だったが、それは悪夢の始まりにすぎなかった・・・。


白地に色とりどりの刺繍が施された民族衣装、花冠、中世の宗教画のようなタッチで描かれた壁画・・・。メルヘンな世界で行われるトラウマ級の残酷な風習の数々。しかもそれ、実は壁画とかに描かれていて、「あ、これはこのことだったのか」と後から分かる仕掛けになっています。熊が縛られて焼かれる壁画があって、そのあとそのシーンが思わぬ形で再現されていて驚愕しましたね。


「90年に一度の祝祭」ってことでしたが、夏至祭自体は毎年やっていた様子。ポールの下で少女たちが躍る女王選びとか、歴代の女王の写真が飾られていたし。

ペレの両親も彼が12歳のときに焼死したとのことでしたが、それって儀式の一環で犠牲になったってことなんじゃないのかな。9人もの犠牲をささげるという大掛かりなことはやってなかったけれど、似たようなことはやっていたのでは。


ペレが友人たちを祭に誘ったのは、最初から生贄にするためだったんでしょうね。
ダニーのような天涯孤独の女性なんて、失踪しても誰も気にする人はいないし、小さな共同体での近親婚を避けるために、ときどきは外部の人間を招いて「性の儀式」をしていたようだし、クリスのような見目好い白人の男はうってつけだったでしょうね。
長老たちに「新たな血(クリス)と新たな女王(ダニー)を連れてきてくれた」と褒められた時の誇らしげな笑顔が、ほんとゾッとしました。

女王として、9人目の生贄にクリスを選んだダニー。自分を裏切って他の女と交わったから?ホルガの女王としてよそ者を始末しようと思ったから?
ダニーが清々しい笑みを浮かべるラストが衝撃的でした。



あとからネットで調べて驚いたのが、儀式の一環で崖から飛び降りる村の老人役として『ベニスに死す』で有名な美少年だった、ビョルン・アンドレセンが出ていたこと。
まだ役者として活動していたんだ・・・。



公式サイト:https://www.phantom-film.com/midsommar/

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