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アッシュ・メイフェア監督『第三夫人と髪飾り』感想

世界の50を超える国々で高い評価を受けるも、本国ベトナムでは公開4日後に上映中止となった衝撃作。

 

 

19世紀のベトナム。14歳のメイが大地主の第三夫人として嫁いできた大邸宅には、息子を出産した第一夫人、 3人の娘を持つ第二夫人が暮らしていた。まだ若くて無邪気なメイは、後継ぎとなる男児を産んでこそ奥様と認められることを知ったのち、妊娠する。出産を心待ちにする中、第一夫人も身ごもり、さらにメイは衝撃的な秘密を知る。


アッシュ・メイフェア監督が、自身の曾祖母の話から着想を得て自ら脚本を描いた作品。保守的なベトナムで上映中止になった理由は、「14歳の花嫁のラブシーン」なんて時代は違えど児童虐待もいいところだろ、ってことかと思っていたのですが、

 

普通なら寝所で男が来るのを待つ、ぐらいまでのところを、男が覆いかぶさって肌を合わせるところまで描いているんですから、こりゃあアウトだろうなと思いました。

さらに、妻同士のあけすけな性談義や、第二夫人と長男ソンとの密通など、かなりきわどいことも描いているし。

当局が中止を要請したというより、「こんな性的な映画に出演させるなんて、母親は金のために娘を売ったも同然」とネットで炎上して、主演女優とその母を守るために監督が中止を決めざるをえなかったそうな。


この映画は同時に、男尊女卑の時代を描いた物語でもあります。

男児を生まなかった第二夫人は「奥様」とは呼ばれず、長男ソンのところに嫁いできた少女は、ソンが手をつけなかったことで「役立たず」と父親から罵られ、追い詰められて自殺してしまう。

 

そうした女性差別は現代でも根強く残っていて、それが「女性が映画監督などけしからん」「女性が性を語るなどはしたない」という本音を隠して、「金のために娘を売った」などというとんちんかんなバッシングにつながったのでしょう。 

 

月満ちてメイが生んだのは女の子でした。亡くなった少女と、自分の娘の行く末を思い重ね、毒のある花をその口に入れようとするラストシーンが切なかったです。

 

 

 

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