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2023年7月

メズム東京のアフタヌーンティー「The Kiss」

メズム東京のアフタヌーンティー企画「アフタヌーン・エキシビジョン」第7弾は、ウィーン出身の画家グスタフ・クリムトの超有名作「接吻(The Kiss)」(ドイツ語だと「der Kuss(デア クス)」。
(去年の10月くらいに行って、記事にしないで放置していたんですが、やっぱり備忘録として残したいと思って・・・)

 

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「接吻」は、1907年から1908年にかけて描かれた作品で、現在はウィーンのベルヴェデーレ宮殿オーストリア絵画館に所蔵されています。クリムト自身と恋人エミーリエがモデルとも言われており、固く抱き合う男女の構図や、金箔を多用した絢爛豪華な作品です。

この絵がどんなふうにアレンジされて登場するのでしょう・・・?こちらです!

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(以下、ホームページより引用)

https://www.mesm.jp/news/o239410000001qkh-att/press_release_AE_kiss.pdf


アール・ヌーヴォーを代表する画家の一人であるグスタフ・クリムトの作品に思いを馳せながら、彼が生まれ育ったウィーンをはじめとするオーストリアの食文化を、8種のスイーツ&セイボリーとペアリングモクテルで表現しました。豊かな文化や芸術が行き交う、オーストリアの美しい街並みを旅するかのようなひとときをお楽しみください。

 

《グーゲルフプフ(クグロフ)》
オーストリアではどの家庭にもグーゲルフプフ型があると言われるほど、広く国民に愛されるお菓子です。日本でも“クグロフ”の名前で親しまれるようになりました。今回は本場オーストリアの製法を再現してバターたっぷりの生地で仕上げております。クグロフの中には、バター生地とぴったりなまろやかな甘みのチョコレート、そして味のアクセントとしてオレンジを加えています。あのマリー・アントワネットも愛したと言われる伝統的な味わいをご堪能ください。

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《モーン スフレ》
オーストリア人が、好んでお菓子作りに使用するケシの実を混ぜ合わせたスフレ。“モーン”はドイツ語で“黒ケシ”を意味します。ケシの実の香ばしい風味とプチプチとした食感が特徴で、添えられた生クリームとの相性が程良く、味わい深い一品です。

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《スコーン》
オーストリアで家庭料理の食材として親しまれているジャガイモを使用したスコーン。中に含まれるチーズの塩味がしっかりときいており、ふんだんに使用したジャガイモの食感が後引く美味しさのセイボリーです。

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《クラップフェン》
オーストリアではカーニバルが開かれる冬の時期の定番スイーツとしてポピュラーなクラップフェン。“揚げパン”を意味し、外側はカリッと、内側はふんわりと仕上げたパンが、アプリコットのジャムを包んでいます。ウィーンではよく紅茶が飲まれるため、アプリコットジャムはアールグレイ風味に仕上げました。味わい深い生地とアプリコットアールグレイのジャムの上品な甘さが、寒い季節にもぴったりの一品です。

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《リンツァートルテ》
オーストリア第二の都市リンツ発祥の焼菓子リンツァートルテ。シナモンをしっかりときかせた生地に、イチゴやラズベリーのジャムをのせ、表面を格子柄に焼き上げました。シナモンのスパイスと、しっとりとした食感の上品な甘い生地が、中央ヨーロッパのお菓子ならではの味わいです。←このリンツァートルテが絶品だったの!

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《ザルツシュタンゲン》
日本で人気の塩パンのルーツとも言われるザルツシュタンゲンは、オーストリア発祥のパンです。塩味が強く、弾力のある食感のパンで、シャキシャキのアスパラガスと肉厚のベーコンを挟み、食べ応えのある一品に仕上がりました。

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《ザッハトルテ》
オーストリア・ウィーンのスイーツと言えば、ザッハトルテ。19世紀、オーストリア外相に仕えていた料理人のフランツ・ザッハーが考案したケーキです。しっとりした口当たりのチョコレート生地に、砂糖でシャリシャリとした食感に仕上げたチョコレートをコーティングしています。甘さをおさえたチョコレート生地と中の甘いアプリコットジャムのバランスが絶妙な一品です。

 

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《アップルシュトゥルーデル》
“渦巻き”を意味するシュトゥルーデルは、ウィーンを代表するデザートの一つで、薄くのばした生地で具材を何重にも巻いて提供する焼菓子です。パリッと軽い食感の自家製生地で、シナモンをきかせたリンゴやレーズン、クランベリーを包み込んで仕上げました。

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甘いものを食べた後にしょっぱいものがくる、という繰り返しがよかったです。

ペアリングモクテルは、白ワイン、赤ワインをイメージしたもの。白ワイン風のは、マスカットジュースをベースにセージやレモンバームを加えたものだそう赤ワイン風は、グレープジュースをベースにチャイコーディアルでスパイシーな風味をプラスし、グリューワインに似た感じ。
ペアリングモクテルに白ワイン・赤ワインをイメージした飲み物を持ってくるのは、「The Supper(ダ・ヴィンチの「最後の接吻」)」でもありましたね。

 

で、真打登場です。

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ノンアルコールのモエ・エ・シャンドンをふんだんに使用したシャンパンジュレのパフェ。挨拶に来られたパティシエの方にお聞きしましたが、シャンパンの濃さがちょうどよくなるようにいろいろ試行錯誤したそうです。

恋人たちを包み込む黄色い背景部分を丸いレモンチュイールで表現。仏様の光背のようで度肝を抜かれました。人物の部分はホワイトチョコレートにプリント。パフェ上部のレモンクリームの層とシャンパンジュレの層はキャラメルチョコレートで仕切られてます。
すっきりさわやかなジュレの中に浮かぶ、四角いチョコレートで男性が身にまとう衣装を、赤スグリで女性が身にまとう衣装を表現されています。パフェの下の方は、青リンゴクリームと、リンゴのブランデーであるカルヴァドスをアクセントにしたガナッシュで、濃厚な甘みで締めています。

ペアリングモクテルは、ミントンのようなエレガントな花柄のティーカップに注がれたピーチの香りのするお茶でした。ピーチジュースをベースに、グレナデンシロップやローズレモネード、チャイティーをブレンドしたとのことでしたね。このピーチベースのモクテルと、メインのシャンパンジュレのパフェを一緒に食べることで、人気のカクテル「ベリーニ」を連想させるような味わいにあるそうです。

メインがパフェというちょっと珍しいアフタヌーンティーでしたが、今回も大満足でした。

 

ついでに着ていった着物の紹介をば。

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菊がメインのグレーの小紋に、黒地の帯を合わせて。帯締めは、・・・今見ると赤が明るすぎてイマイチだったな。

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「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」 感想

 


 

バス・ラーソン監督『ムーラン・ルージュ』のミュージカル化。
この作品は、ミュージカルなのにオリジナルの音楽はほぼなくて、
オッフェンバックの『天国と地獄』――カンカンの曲――から、「ムーラン・ルージュ」のテーマ曲としてリメイク(?)された1970年代の女性ボーカルグループLabelleの「Lady Marmalade」をはじめとする20世紀に大流行したポピュラーミュージックが約70曲が散りばめられているそうです。(こういうミュージカルを「ジュークボックスミュージカル」というらしい)

 

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帝国劇場の中に入ると、そこはもうムーラン・ルージュの世界。赤い内装が目に飛び込んできます。
客席に入ると、舞台左手に「ムーラン・ルージュ」のシンボルである赤い風車、右手には青い象のオブジェが見えます。(開演前まで舞台を撮影可でした。)

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開演ベルが鳴っていないのに、気が付けば舞台上にはエロティックな格好をしたダンサーがリズムをとって歩いています。
女性と同じコルセットに網タイツの衣装の男性ダンサーもいて、頽廃的な雰囲気倍増です。
そして奥に4人のダンサーのシルエットが浮かびあがり、"Welcome to the Moulin Rouge!"の曲とともにミュージカルが始まります!

(あらすじ)

1899年、パリ。アメリカ人の若い駆け出しの作家クリスティアンは、ボヘミアンにあこがれ、パリのモンマルトルを訪れる。そこで
その日暮らしの画家トゥールーズ=ロートレックと、タンゴダンサーのサンティアゴと出会い意気投合する。
ふたりは、ナイト・クラブ「ムーラン・ルージュ」でショーをやりたいと考えていて、クリスティアンの即興でつくった歌を聞いて「これは使える」と判断する。そしてまずはクラブのスターのサティーンに取り入ってオーナーのジドラーに話をしてもらおうともちかける。

クリスティアンは、「輝くダイヤモンド」と称されるサティーンに一目惚れし、彼女も才能ある若者を好きになる。しかし経営難の「ムーラン・ルージュ」のために、サティーンは大金持ちのモンロス公爵をパトロンとして惹きつけておく必要があった。

新作のショーの練習にかこつけて、公爵に隠れて逢瀬を重ねる二人。しかしそれも公爵にバレて、クリスティアンの命を盾に取られたサティーンは、恋人に別れを切り出す。

ショーの初日、病をおして舞台に立ったサティーン。舞台に乱入してきたクリスティアンと愛の歌を歌いあげ、そのまま恋人の腕の中で絶命する。


で、ここで終わりか、アンコールかと思いきや、いきなりカンカンが始まったりしたので、悲しんでいいのか楽しんでりゃいいのかわからないラストでしたね。どこまでが本筋でどこまでがおまけかわからないというか・・・。

元モーニング娘。の加賀楓さんがニニ役で出ていて、それでこの作品を観に来たんですよ。抜群のスタイルでダンスも折り紙付きだったけど、正直演技のイメージのない人だったので、卒業後の初仕事がミュージカルと聞いてびっくりしていたのですが、いい意味で裏切られましたね。口調はきついけどサティーンのことを本気で心配しているのが伝わってきました。色気はまだまだでしたけどね。

ちなみに、この日のサティーン役は平原綾香さん、クリスティアン役は井上芳雄さんでした。平原綾香さんはさすがの貫禄と色気、井上芳雄さんは闇の帝王トート閣下とは打って変わって、初心な青年にしか見えませんでした。役者さんってすごい!


映画では、ショーの内容が、マハラジャの想い人の遊女とその恋人のシタール奏者の三角関係でしたが、ミュージカルでは「裏社会のボスと街娼と船乗り」みたいに改変されていましたね。

いまではナイトクラブのスターでクルティザンヌの(高級娼婦、日本でいう花魁みたいなもの)サティーンも、最初は13歳で客を取っていた街娼でした。オーナーのジードラーもおそらくポン引きで、二人して「ムーラン・ルージュ」を立ち上げた。だからこそ、家である「ムーラン・ルージュ」を守るために、公爵に身を売る決断をしたのでしょう。華やかに見えるショービズの世界も、一皮むけば暗闇という対比が描かれた作品だと思います。


公式サイト:
https://www.tohostage.com/moulinmusical_japan/index.html

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