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2023年9月

国立劇場雅楽公演「安摩・二ノ舞」「新鳥蘇」観ました

国立劇場で雅楽公演を観てきました。思えば、小劇場ばかりで、大劇場の方に入ったのは初めて。小劇場よりロビーのシャンデリアとか豪華なつくり。

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国立劇場のロゴマークの飛天

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豪華なロビー

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鏡獅子の人形

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「安摩・二ノ舞」
この演目は、もともとは寺院の堂塔の楽慶供養などに催される舞楽法要で演奏されていたものだったそうです。
それも法要後に余興として行われるもので、まず最初に「安摩・二ノ舞」を演奏するのが慣例でした。
「安摩」は、「千と千尋の神隠し」に出てきた「春日様」のような、「雑面(ぞうめん)」と呼ばれる長方形の紙に三角や三つ巴などの
図形で顔を表した面を着けた舞人が2人で舞います。
その後、黒い面を着けた翁と媼が出てきて、「安摩」を真似して舞おうとするけれど、足がヨレヨレで上手く舞えない、という滑稽な「二ノ舞」が続きます。

「新鳥蘇 一具」 納序・古弾・当曲・後参

序・破・急を通しで演奏することを「一具」と呼ぶとのことですが、ベートーヴェンの第九で言ったら、合唱のある第4楽章だけでなく、全楽章を演奏するようなものですかね。この大曲は、1974年の復活上演以来、約半世紀ぶりの再演なのだそうです。
これも特徴的な面を着けます。三日月のような眉と目、頬には、韓国の伝統的な婚礼で花嫁が付けている様な赤い丸。この顔は、この舞楽が伝来した朝鮮半島の人をイメージしてるんだろうな。そして頭には鶏のトサカみたいな形をした「別甲(べつかぶと)」を被ってます。
舞人は6人(4人のときもあるらしい)。6人も舞うと本当に華やかです。後半は2人で舞います。

これで私の国立劇場通いも終止符を打ったわけなのですが、
仮にも「国立」を名乗るのに、10年近くも専用の劇場がなくて、あちこち間借りして公演を続けていくのってどうなんでしょうね。
まだ建て替えする建築会社も決まっていないと聞くし、今後どうなるのやら。

 

半蔵門駅のサン・マルクカフェ。ハロウィン仕様の紅芋とかぼちゃのパフェ。美味しかった🌕
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国立劇場文楽公演『菅原伝授手習鑑』鑑賞しました

今の国立劇場で行われる最後の文楽公演かつ千秋楽の日に、急遽チケットを取って見にいってきました。

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千秋楽ということで、記念品が配られていました。ご祝儀袋みたいだから、5円玉でも入っているのかしら?と思ったら、袋自体が記念品らしい。何も入っていませんでしたね。

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9月の頭にも行ったのですが、結構空席が目立っていたのに、今日はさすが千秋楽だったからか、そこそこの入りでした。
歌舞伎みたいに「待ってました!」などと掛け声が聞こえましたが、多分、いつもは来ていない人なんでしょうね。
あと、人物(人形)が登場するたびに拍手が・・・。いつもと違う雰囲気でした。

 

第1部公演
三段目
 車曳の段
 茶筅酒の段
 喧嘩の段
 訴訟の段
 桜丸切腹の段
四段目
 天拝山の段

三段目は、喧嘩や切腹など、派手なエピソードもあるけれど、主な舞台は田舎の百姓家なので全体的に地味なんですよ。
しかし、四段目、
政敵、藤原時平の家来が菅丞相(かんしょうじょう)を暗殺に来て、それを丞相の部下・梅王丸が取り押さえます。そして時平の家来から、時平が国家転覆を企んでいると聞くと、たちまち怒りの形相に。梅の花を口に含むとそれが火花となり、手にした梅の枝で家来の首を打ち落とします。ここ、本当にドラマチックで。

雷神と化した丞相は、髪を振り乱し太宰府を望む天拝山(てんぱいざん)に駆け登り、鳴り響く雷をバックにここから京の都へと飛び去る――
という劇的な幕切れでした。


今回、第1部は見る予定じゃなかったので、ラストの部分(第二部)を先に見るという変則的なことをやらかしたのですが、これはこれでよかったです。


聞いたところによると、第三部終演後、ほんとのほんとの最後の公演のあと、太夫さんたちが勢ぞろいするカーテンコール(?)があったそうです。
観たかったな~。

 

終演後、半蔵門駅前のタイ料理店「SHAWADEE」でパッタイとグリーンカレーのセットでランチ。

前から気になっていたけど、もう半蔵門も来ることないんだよな・・・、ということで。

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映画「エリザベート1878」 感想

原題は『corsage(コサージュ』、コサージュ(胸元などを飾る小さな花束)、そして胴衣(コルセット)という意味です。
映画の中で何度も、コルセットで身体を締め上げるシーンが出てきます。これは、エリザベートを取り巻くすべてが彼女の精神をコルセットのように締め上げていたことの隠喩なのでしょう。

1877年のクリスマスイブ、40歳の誕生日を迎えたエリザベート皇后が容色の衰えにおびえ、宮廷のしきたりやその他諸々に窮屈さを感じている。
エリザベートが推したハンガリー政策で貴族と揉めたことから、夫の皇帝フランツ・ヨーゼフはもはや政治に口を出すことを許さない。
何かあればすぐ旅に出ていなくなる母親を、皇太子ルドルフやヴァレリー皇女ですら疎ましく思っている。
そして死に憑りつかれた彼女はある計画を思いつく・・・。

ラストはあっと驚くものでしたが、「え、この終わりかた、アリなの?」っていう終わり方でした。
どこかの映画レビューで「わかる~!」という人と「?」という人に分かれると思うと書かれていましたが、
途中までは私も、中年女の閉塞感や焦燥感、わかる~って感じでしたが、
ラストには度肝を抜かれて「え?」になりました。

エリザベート皇后といえば、「悲劇の美女」っていうイメージがありますが、本作のヒロインは、タバコを吸い中指を立てる、ロックな中年女です。「悲劇の儚げな美女」というイメージを思っている人にはちょっとこれは、ショッキングなヒロイン像かもしれませんね。

 

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公式サイト:
https://transformer.co.jp/m/corsage/

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ガウディとサクラダファミリア展 感想

先日、東京国立近代美術館で開催中の「ガウディとサクラダファミリア」展に行ってきました。バルセロナに行ったのがもう4年前のことだし、いろいろ情報を補完したくて。

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平日だし入場は予約制のはずなのに、朝から長蛇の列。入場制限してこれだから、してなかったら混雑で身動き取れないとか、入場まで2時間待ちだったかも。

 

4部構成になっていて、第1部「ガウディとその時代」でガウディの年譜やサクラダファミリア以外の作品を、そして第2部「ガウディの創造の源泉」で、当時の建築様式や彼が影響を受けたものを紹介。

メインは第3部「サクラダファミリアの軌跡」。実はサクラダファミリアは、ガウディが最初から手掛けた建築ではなくて、主任建築家としては2代目だそうだ。(現在主任建築家は9代目。)この部門は撮影可でした。

「降誕の正面」のメイン「ベツレヘムの星」の彫刻のレプリカ

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全体模型

独特な形の塔がたくさんあってわかりにくいけど、教会建築としてはオーソドックスなラテン十字型。

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身廊部(聖堂中心部の回廊)の模型

基本はゴシック建築にあるヴォールト天井のようだが、もっと枝分かれしていてまるで森の中にいるような感じ。、実際の建物の中では、ここに午前中は暖色系のステンドグラスの光が差し込むものだから、この世のものとは思えない空間が現れるんですよ。

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あとは、鐘塔頂華(しょうとうちょうか(ちょうげ))について、模型や映像で紹介されてしました。
鐘塔の先端部分。十二使徒に捧げられたそれは、ちょっとずつデザインが違うとのこと。(写真撮ってませんでした)
その他にも、マリアの塔の星の冠の模型とか様々な彫刻とかが展示されていました。

第4部は「ガウディの遺伝子」ということで、ガウディに影響を受けた現代建築の紹介をしてしめくくり。

 

図録は写真や説明が充実していて3,300円でしたが、買って損なし。グッズもいろいろありましたね。
混みすぎだろとは思いましたが、とても見ごたえのある展覧会でした。

バルセロナ・・・また行きたいなぁ。

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