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2024年10月

人形浄瑠璃文楽 神奈川公演に行ってきました。

10月に何か文楽公演どこかでやっていないかな・・・で検索したら、ヒットしたので行ってきました。

坂の上にある神奈川県立青少年センター。12月公演の会場でもありますね。

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会場前に、お人形さんと一緒に記念撮影。

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昼の部(13時開演)
「解説」(あらすじを中心に)

『二人三番叟(ににんさんばそう)』
『絵本太功記(えほんたいこうき)』
  夕顔棚の段
  尼ヶ崎の段

『絵本太功記』は、明智光秀の謀反をモチーフにした十三段からなる作品です。

主君・尾田春長(おだはるなが)を討った息子・武智光秀を許せずに決別した、光秀の母・さつきが住む摂津・尼ヶ崎の片田舎、夕顔棚のある閑居が舞台。そこに、光秀の妻・操(みさお)と、孫・十次郎の婚約者・初菊(はつぎく)が訪れる。操が孫息子・十次郎の初陣(ういじん)の願いを取り次ぐと、さすがのさつきも涙を流す。そして十次郎に初菊との祝言を挙げさせたあと、戦に送り出す。

その時、旅の僧が一夜の宿を願い出る。さつきは風呂を沸かして、僧に勧める。藪かげに隠れていた光秀は、今、風呂に入っている旅の僧こそ真柴久吉(ましばひさよし)に違いないと、竹槍を湯殿めがけて突き通す。しかし、うめき声をあげたのは母・さつき。さつきは苦痛をこらえながら、主君を討った天罰が、回りまわって母に当たったのだと、光秀を厳しく諫めるが、光秀の、悪逆無道の主君を討つのは天下のため、という信念は揺るがない。

そこに深手を負った十次郎が戻り、味方の敗走を報告する。にわかに辺りが騒がしくなり、光秀が松の木に登り見渡すと、すでに久吉軍が大挙して押し寄せていた。奥から久吉が立派な大将の装束で姿を現し、光秀と久吉は、京(みやこ)の郊外、山崎の天王山で雌雄を決する約束を交わす。

尼ヶ崎の段の切(劇中で一番重要な、盛り上がる場面)は豊竹若太夫&鶴澤清介さん。清介さんの三味線、激しくてもはやロックでした。

 

夜の部が始まるまでに、ランドマークタワーの方に行って腹ごしらえ。夜の部の開演前にも記念撮影をやってました。もちろん撮りました。

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夜の部(17時開演)
「解説」(あらすじを中心に)

「達引」とは、辞書によると義理や意気地を立て通すこと。また、そのために起こる争いを指すとのこと。つまり「近頃河原達引」とは、近頃起こった河原の喧嘩、という意味です。」との解説がありました。


『近頃河原の達引(ちかごろかわらのたてひき)』
  四条河原の段
  堀川猿回しの段

井筒屋伝兵衛は祗園の遊女お俊と探い恋仲であったが、お俊に横恋慕する横淵官左衛門に諮られて、ついに争ってこれを斬ってしまいお尋ね者に。(四条河原の段)

お俊は堀川の実家に預けられ、猿廻しの兄与次郎は妹可愛さのあまり、忍んで来た伝兵衛を逢わせまいとするが、心中を覚悟した二人の心を察し、盲の母親の手前をつくろい、猿廻しの曲をはなむけに二人を送り出す。(尼ヶ崎の段)
男女の心中ものの話ではありますが、最後の猿廻しの猿が全部持っていく、という演目です。猿の動きに目が釘付けになります。

次は11月に大阪で公演があります。『仮名手本忠臣蔵』を第一部、第二部と通しでやるから、観劇は一日がかりですね。

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国立劇場9月文楽鑑賞教室、観てきました。

文楽公演、今度は初台の新国立劇場へ。


国立劇場が閉場中で、あちこちの劇場を転々として関係者の方々は本当にご苦労でしょうけど、こうやってあちこちの劇場に行けるのはちょっといい経験になりますね。
また日によってAプロ、Bプロ、Cプロとそれぞれ演者・演奏者が違ったので、複数回を見て見比べる、という楽しみ方もできました。(まあ、ぼんくらな私はよくわかりませんでしたが)
私は2日目の9月8日に見て、もう1回見たいなってなって21日にも見ました。

小劇場は地下にあるのですが、案内が出ていないものだから、最初どこにあるのかわかりませんでした(笑)。劇場内も狭・・・コンパクトで、椅子はスタジアムとかにありそうな簡易なつくり。ほんと「小劇場」って感じでした。舞台の近くに赤い提灯が吊り下げられて、これから文楽が始まるんだというわくわくした雰囲気を醸し出していました。

 

『伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)』

八百屋の娘・お七による江戸時代に実際に起きた放火事件を題材にした作品。火の見櫓に上り、恋人のために命がけで半鐘を打つ場面が有名です。

【火の見櫓の段】

 八百屋の娘・お七は、恋人が探している刀剣をようやく手に入れることができた。しかし、すでに時間は夜、町の木戸は閉まり恋人へ渡すことができない。明日の朝までに用意できなければ恋人は処刑される・・・。そこでお七は、火の見櫓の鐘を叩いて、火事が起こったことにし、木戸を開けようと思いつく。嘘が分かれば重罪ですが、恋人を思うお七は、意を決し櫓に上り――。

雪の中、途中で手が滑って落ちそうになる場面もあったりしてハラハラする場面もあります。嘘ついて半鐘を鳴らしたことがバレれば、市中引き回しの上火あぶりにされるのに、それでも想い人を助けたいという女の強い想いに圧倒されますね。

3人セットで動かしている人形がどういう風に櫓を上るのか、というと、まず左遣いさんが裏に回り、櫓の隙間から手の部分を持ち、あとから面遣いさんにバトンタッチしてましたね。

『解説 文楽の魅力』

客席通路から、だんじりの衣裳を着たつめ人形を持った人形遣いさんが登場。内容は配信でも見たのと同じでした。


『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』

延享元年に堺の魚屋が大坂の長町裏で人を殺した実在の事件を題材にした世話物。同じ新国立劇場の中劇場にて、同じ演目を歌舞伎でも公演していることも注目ポイント。

【釣船三婦内の段・長町裏の段】

 大坂に暮らす侠客・団七は、恩ある家の磯之丞を支えることを心に決めている。磯之丞の恋人・琴浦に横恋慕する悪侍が彼女を奪おうとするので、磯之丞と琴浦は団七の仲間・三婦の家にかくまわれている。
 宵宮の祭囃子が聞こえてくる中、三婦夫婦のもとへ、仲間の一寸徳兵衛の妻・お辰が訪ねてくる。磯之丞を守るため、国元の備中に連れていく案が出るが、三婦はお辰が若く美しいので磯之丞と間違いがあっては、といい顔をしない。そこでお辰は鉄弓で自分を顔を焼く。お辰の壮絶な行動により話がまとまったころ、団七の義父・義平次が、団七のところへ案内すると言って琴浦を連れだす。しかし、入れ違いにやってきた団七により、義平次が悪侍に加担して琴浦を誘拐したことが判明。
宵闇の中、やっと追いついた団七は、義平次を説得し金を渡して琴浦を帰す。しかし渡された金が偽物だったことに気づいた義平次は、団七を様々に愚弄する。こらえきれなくなった団七が舅を手にかけ池に放り込むが、義平次は這い上がってきて二人は死闘を繰り広げる。ついに団七は義平次にとどめを刺し、祭囃子に紛れて夜の街に消える。

普通の人形は、着物で隠れる部分は枠だけっていうかがらんどうなんですが、団七は裸で大立ち回りを演じるのでしっかりボディがあり、それがすごく重そう。何キロくらいあるんだろ。

義平次がほんと憎たらしくてねぇ。まさか舅の自分に逆らうまいと思っているから、雪駄で殴りつけて額を割る、手に刀を握らせて「脛から切るか、腕から切るか」と挑発する。泥にまみれての死闘は凄惨の一言でした。

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