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国立劇場9月文楽鑑賞教室、観てきました。

文楽公演、今度は初台の新国立劇場へ。


国立劇場が閉場中で、あちこちの劇場を転々として関係者の方々は本当にご苦労でしょうけど、こうやってあちこちの劇場に行けるのはちょっといい経験になりますね。
また日によってAプロ、Bプロ、Cプロとそれぞれ演者・演奏者が違ったので、複数回を見て見比べる、という楽しみ方もできました。(まあ、ぼんくらな私はよくわかりませんでしたが)
私は2日目の9月8日に見て、もう1回見たいなってなって21日にも見ました。

小劇場は地下にあるのですが、案内が出ていないものだから、最初どこにあるのかわかりませんでした(笑)。劇場内も狭・・・コンパクトで、椅子はスタジアムとかにありそうな簡易なつくり。ほんと「小劇場」って感じでした。舞台の近くに赤い提灯が吊り下げられて、これから文楽が始まるんだというわくわくした雰囲気を醸し出していました。

 

『伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)』

八百屋の娘・お七による江戸時代に実際に起きた放火事件を題材にした作品。火の見櫓に上り、恋人のために命がけで半鐘を打つ場面が有名です。

【火の見櫓の段】

 八百屋の娘・お七は、恋人が探している刀剣をようやく手に入れることができた。しかし、すでに時間は夜、町の木戸は閉まり恋人へ渡すことができない。明日の朝までに用意できなければ恋人は処刑される・・・。そこでお七は、火の見櫓の鐘を叩いて、火事が起こったことにし、木戸を開けようと思いつく。嘘が分かれば重罪ですが、恋人を思うお七は、意を決し櫓に上り――。

雪の中、途中で手が滑って落ちそうになる場面もあったりしてハラハラする場面もあります。嘘ついて半鐘を鳴らしたことがバレれば、市中引き回しの上火あぶりにされるのに、それでも想い人を助けたいという女の強い想いに圧倒されますね。

3人セットで動かしている人形がどういう風に櫓を上るのか、というと、まず左遣いさんが裏に回り、櫓の隙間から手の部分を持ち、あとから面遣いさんにバトンタッチしてましたね。

『解説 文楽の魅力』

客席通路から、だんじりの衣裳を着たつめ人形を持った人形遣いさんが登場。内容は配信でも見たのと同じでした。


『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』

延享元年に堺の魚屋が大坂の長町裏で人を殺した実在の事件を題材にした世話物。同じ新国立劇場の中劇場にて、同じ演目を歌舞伎でも公演していることも注目ポイント。

【釣船三婦内の段・長町裏の段】

 大坂に暮らす侠客・団七は、恩ある家の磯之丞を支えることを心に決めている。磯之丞の恋人・琴浦に横恋慕する悪侍が彼女を奪おうとするので、磯之丞と琴浦は団七の仲間・三婦の家にかくまわれている。
 宵宮の祭囃子が聞こえてくる中、三婦夫婦のもとへ、仲間の一寸徳兵衛の妻・お辰が訪ねてくる。磯之丞を守るため、国元の備中に連れていく案が出るが、三婦はお辰が若く美しいので磯之丞と間違いがあっては、といい顔をしない。そこでお辰は鉄弓で自分を顔を焼く。お辰の壮絶な行動により話がまとまったころ、団七の義父・義平次が、団七のところへ案内すると言って琴浦を連れだす。しかし、入れ違いにやってきた団七により、義平次が悪侍に加担して琴浦を誘拐したことが判明。
宵闇の中、やっと追いついた団七は、義平次を説得し金を渡して琴浦を帰す。しかし渡された金が偽物だったことに気づいた義平次は、団七を様々に愚弄する。こらえきれなくなった団七が舅を手にかけ池に放り込むが、義平次は這い上がってきて二人は死闘を繰り広げる。ついに団七は義平次にとどめを刺し、祭囃子に紛れて夜の街に消える。

普通の人形は、着物で隠れる部分は枠だけっていうかがらんどうなんですが、団七は裸で大立ち回りを演じるのでしっかりボディがあり、それがすごく重そう。何キロくらいあるんだろ。

義平次がほんと憎たらしくてねぇ。まさか舅の自分に逆らうまいと思っているから、雪駄で殴りつけて額を割る、手に刀を握らせて「脛から切るか、腕から切るか」と挑発する。泥にまみれての死闘は凄惨の一言でした。

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