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映画・テレビ

『ベルリン 天使の詩』の名優、ブルーノ・ガンツ氏が死去

『ベルリン 天使の詩』『ヒトラー 最期の12日間』などで知られる、スイスの名優、ブルーノ・ガンツさんが、2月15日、チューリヒの自宅でお亡くなりになりました。死因は大腸がんとのこと。77歳でした。
以下、「ブランクフルター・アルゲマイネ」紙の記事です。


    Schauspieler Bruno Ganz ist tot

    Schauspielerbrunoganz


    Er war einer der Größten seiner Zunft – im Theater und im Kino. Er arbeitete mit den bedeutendsten Regisseuren zusammen und prägte klassische und zeitgenössische Rollen. Nun ist der Schauspieler Bruno Ganz im Alter von 77 Jahren verstorben.
    彼は、彼の属する業界のなかで、もっとも偉大なる存在だった――舞台そして映画で。
    最も重要な監督たちと共に仕事をし、古典的な役や現代的な役を演じた。そして今、俳優ブルーノ・ガンツは77歳で亡くなった。
    https://www.faz.net/aktuell/feuilleton/schauspieler-bruno-ganz-ist-tot-16044461.html


    日本でドイツ映画といえばブルーノ・ガンツ、というくらい、有名な俳優でした。
    『ヒトラー 最期の12日間』なんて、映画館で3回も見たよ。

    余命宣告された作家役の『永遠と一日』を見て、テオ・アンゲロプーロス監督作品のファンになったし。

    最近では、『ハイジ』のおんじ役もやったんですね。

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    ラース・フォン・トリアー監督の『The House That Jack Built』(連続殺人犯が主人公で、去年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、100人以上の退席者を出したという問題作)にも出ていたとか。ガンツさんの役はVergeという名の謎の老人らしい。



    『ベルリン 天使の詩』のサウンドトラック、一番最初にペーター・ハントケの詩“Als das Kind Kind war(子どもが子供だった頃)”を朗読する彼の声が入っていますが、素晴らしく美しいからぜひ聴いてほしい。




    ご冥福をお祈りします。

    DVD『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』感想

    年末はアイヒマン祭りだ!(←どんな祭りだよ・・・)

    1961年、イスラエルのエルサレムでは、歴史的な裁判が開かれようとしていた。被告は、アドルフ・アイヒマン。第二次世界大戦下のナチスの親衛隊の将校であり、“ユダヤ人問題の最終的解決”、つまりナチスによるユダヤ人絶滅計画(ホロコースト)を推進した責任者である。15年による逃亡生活の果て、アルゼンチンで身柄を拘束されたアイヒマンは、イスラエルに移送されエルサレムの法廷で裁かれることになった。
    このテレビ放映権を獲得したのが、アメリカの若き敏腕プロデューサー、ミルトン・フルックマンである。「ナチスがユダヤ人になにをしたのか、世界に見せよう。そのためにTVを使おう」(あらすじは公式サイトより引用)


    ミルトンが監督に起用したのは、才能があるにもかかわらず、マッカーシズム(1950年代に猛威を振るったアメリカの反共産主義に基づく社会運動)の煽りで職を失っていたユダヤ系米国人ドキュメンタリー監督レオ・フルヴィッツ。
    当局の許可は下りたものの、3人の判事の了解が取れていない状況の最中、フルヴィッツはエルサレムに到着。判事たちが難色を示す理由がカメラが目立ちすぎることだったので、壁に穴を開けてそこから撮影することを思いつく。

    政治の壁、技術的な問題、さらにはナチの残党による脅迫などさまざまな壁を乗り越え、4月11日、裁判は初日を迎えた。

    法廷で112人に及ぶ証人が、生々しくホロコーストの体験を語った。ホロコーストの残酷な実録映像も証拠として流された。それを見聴きし撮り続けている現場のスタッフの方が体調を崩すほどの壮絶なものだった。

    それでもアイヒマンは顔色一つ変えることなく、罪状を否認していく。
    アイヒマンは「怪物」ではなく、我々と同じような平凡な男だったはずだ。何がそんな男を何千人もの子供を死に追いやる人間に変えたのか。人は、状況下によっては誰でもファシストになる可能性があるのだ。

    それをカメラの前で暴き出したいフルヴィッツだったが、アイヒマンはなかなか表情を崩さない。
    焦りとイラ立ち、そして無力感から監督を降りようとすら考えたが、逗留先のホテルの女主人から、「あの裁判のおかげで、周りの人も興味を持ってくれるようになったし、私のようなホロコーストの生存者は『ホロコーストについて語ってもいいんだ、嘘だと言われなくてもすむんだ』と思えるようになった」と感謝され、思いとどまる。

    こうして4ヶ月の間、フルヴィッツらによって撮影された映像は、世界37カ国でTV放映された。アメリカの3大ネットワークでも放映され、イギリスのデイリーニュースは速報で伝えた。ドイツでは人口の80%がこの放映を観たといわれている。
    そして死刑判決が下り、1962年6月1日、アイヒマンは絞首刑に処せられた。

    アイヒマンという男の「人間ドラマ」を撮りたい、「凡庸な悪」を証明したい監督フルヴィッツと、裁判を「ショー」と割り切り視聴率を取りたいプロデューサーのミルトン。
    その信念の違いもあるも、「真実を世界に知らしめたい」という情熱は同じ。アイヒマン裁判の裏話としてとても興味深い映画でした。
    公式サイト:http://eichmann-show.jp/


    ところで、南米にナチスが逃亡することができたのって、裏で当時のアルゼンチン大統領、フアン・ベロンが支援してたからんですね~。
    ということが今読み始めたガイ・ウォルターズ著『ナチ戦争犯罪人を追え』に書いてありました。

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    ほんとは大掃除しなきゃならない・・・けど、ちょっと読んでみようか。

    『検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男』『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』感想

    最近、amazon prime で映画を観ることにハマっているのですが、
    戦後、南米に逃亡した元ナチス幹部、アドルフ・アイヒマンの逮捕に尽力したユダヤ系ドイツ人の検事、フリッツ・バウアーについて描いた作品を立て続けに観ました。
    アイヒマンが南米に潜伏していたことは知っていましたが、逮捕の陰にバウアーがいたことは初めて知りましたし、元ナチスが政府の中核にまでいたことも初めて知りましたね。

    「ナチスの戦争犯罪の時効まであと7年に迫り、フリッツ・バウアー検事が中心となってナチ犯罪追及センターが設立された。彼の調査で、ナチス親衛隊アドルフ・アイヒマンの逃亡先がアルゼンチンであるとの情報を掴む。」

    『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』



    「1950年代後半のフランクフルト。ナチス戦犯の告発に執念を燃やす検事長フリッツ・バウアーのもとに逃亡中のナチス親衛隊中佐・アイヒマン潜伏に関する手紙が届く。
    アイヒマンの罪を法廷で裁くため、国家反逆罪に問われかねない危険も顧みず、その極秘情報をモサド(イスラエル諜報特務庁)に提供する。しかしドイツ国内に巣食うナチス残党による妨害や圧力にさらされたバウアーは、孤立無援の苦闘を強いられていくのだった…」

    (両方ともAmazon Prime の作品紹介より引用)



    フランクフルトで検事総長をしていたフリッツ・バウアーは、戦後のドイツが過去を忘れ、元ナチス党員が公職に就くことを禁じたにもかかわらず、政府高官にまでいる状況を憂慮し、「ドイツは過去と向き合わねばならない」と元ナチスを逮捕し法廷で裁いた「フランクフルト裁判」の立役者です。
    (この辺りは、『顔のないヒトラー』という映画で詳しく描かれています。)

    2作品とも、実在のバウアー氏に外見を似せてきているし、執務室とかのセットもあらすじもほぼ一緒なのでどっちがどっちのエピソードだったかこんがらがるんですが、
    どちらの作品にもバウアーの考えに共鳴し、手足となって働く若き検事が出てきます。
    前者の作品では、血気盛んなヘル検事。もうすぐ子どもが生まれ金が必要ということで、内通を引き受けますが、最後は改心(?)しますが、内通者であったことがバウアーにバレて職場を去ります。

    後者の作品では、(当時違法だった)男と同衾する写真をばらまかれたくなければ、モサドに情報を流したバウアーを国家反逆罪で告発しろと脅されても、バウアーを守るために自首するアンガーマン検事。
    バウアーは若い世代に期待していました。
    『アイヒマンを追え!』の方で、討論番組で若者たちに、「ドイツ憲法を誇るものいいが、本当に誇るべきは『善行』というもので、自分たちが父や母、息子として何を行うかが大切だ。」というようなこと語りかけていました。

    元ナチスたちを追うのも「ユダヤ人の個人的な復讐」と批難されていましたが、そうではなくて、

    この若い世代への期待が、バウアーが元ナチスたちを追う原動力だったんでしょうね。
    またこの作品で知ったのですが、バウアーが同性愛者で、ドイツでは当時、同性愛は刑法175条で禁じられていたんですね。
    嘘みたいな話ですが、19世紀のドイツ統一まもない1871年に制定され、廃止されたのは20世紀の再統一の1994年になってからのようです。
    作品中、バウアーの性的指向がクローズアップされるのは、ユダヤ人同様、同性愛者もナチスの迫害対象であったことも示しているのかな。
    これをネタにバウアーは失脚させられようとしてましたが、結局その「文春砲」みたいのが出たかどうかは映画では出てこなかったな。

    『帰ってきたヒトラー』感想

    1945年に自殺したはずのヒトラーが、2014年のベルリンにタイムワープ。物まね芸人として大ブレイクするという、荒唐無稽のコメディー。


    ティムール・ヴェルメシュ原作の同題小説は、2012年にドイツで発売され、同国内で250万部を超えるベストセラーとなったそうです。

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    テレビ局をリストラされた青年・ザヴァツキは、ヒトラーを物まね芸人として売り出し、テレビ局に返り咲こうと画策。彼を連れて、ドイツ中を行脚して「現代にヒトラーが甦ったら人はどう反応するか」という企画を、ドキュメンタリー形式で撮影することに。
    驚いたことに、それほど拒否反応はなく、それどころか「何かの撮影?」とノリノリで一緒に自撮りをしたり、抱きついたりする人も。
    ヒトラーが「現在困っていることはなんですか?」と問うと、「昔はよかった。次に選挙に出たら投票するよ」などと現在の政治に不満を漏らす人もいた。


    ヒトラーは当初こそ戸惑うものの冷静に状況を判断し、次第にその立場を利用しはじめた。
    ヒトラーは昔と同じことを語っているだけだった。偏狭なイデオロギー、世界制服の野望、ユダヤ人憎悪。ただ、その振る舞いがモノマネ芸人の痛烈なブラックジョークと勘違いされただけなのだ。

    ヒトラーの動画は人気を呼び、テレビに登場するや否や、得意の話術で一躍人気者に。
    ところが、ヒトラーの起用を決めたテレビ局長のベリーニが気に食わない副局長のゼンゼンブリンクの企みで、ヒトラーの人気は急落。テレビ界から干される。

    しかし、暇な時間で本を書いたところベストセラーになり、もともと映画監督志望だったザヴァツキが監督で映画化されることに。
    しかしザヴァツキの恋人がユダヤ系だと知ったとたん、ユダヤ人への偏見をあらわにするヒトラーに嫌悪し、自分と出会うまでの過去がまるでわからないヒトラーに「もしかして本物なのでは」と疑念を抱き始め…。


    そうなんだよ。
    ヒトラーが語っていたことって、ユダヤ人がらみを抜きにしたら、ちょっと言い方が過激だけど、よくある内容というか政策なんですよ。

    「強いドイツ」とか、貧困や失業問題をどうするかとか・・・・「ユダヤ人排斥」を「移民」に置き換えたら、状況は当時とそんなに変わっていないと言えるかもしれない。
    当時は、「ユダヤ人がドイツ人の仕事を奪う」と言っていたけど、今は「移民がドイツ人の仕事を奪う」になる。

    混沌とした世界情勢の中、多少過激でも「進むべき道はこうだ」と示してくれる人に民衆がなびくのは、今も昔も変わらない。
    今のアメリカがそうだしね。

    コメディーなんですが、ヒトラーをおちょくることはせず、インターネットを使いこなすスマートなデマゴーグとして描いています。
    そこが
    「現代にヒトラーが現れたら・・・」の反応がリアルにありそうと思わせたり、
    ブラックジョークの極みと思わせるところでもあります。

    DVD『グランド・ブダペスト・ホテル』感想

    5月にブダペスト(とベルリン)に行こうかと思っていて、題名を見て、ブダペストが舞台の映画かな、と思って観たら違った。
    でも面白かった。観てよかった。




    1985年、東欧の架空の国ズブロフカの国民的作家が、代表作『グランド・ブダペスト・ホテル』の創作秘話を語るところから始まる。
    それは1968年、ズブロフカ・アルプス麓の町ネベルスバートにある『グランド・ブダペスト・ホテル』で、とある老紳士から聞いた物語だった。
    その老紳士は、昔は栄華を誇っていたが今は廃墟のようなこのホテルのオーナーの、ゼロ・ムスタファという富豪で、年に3回ほど泊まりに来るが、決まって最上階の使用人用の部屋に泊まるという。
    彼から漂う孤独感に惹かれた作家は、「このホテルを手に入れた経緯は?」と声をかける。

    時はさらに遡り、1932年。名コンセルジュとして名高いグスタヴ・Hが取り仕切る「グランド・ブダペスト・ホテル」に、ロビー・ボーイとして雇われたゼロ・ムスタファ。明らかに移民とわかる顔立ちでグスタヴは怪訝に思うが、「名門ホテルで働きたい」というゼロの熱意に心動かされ、以後弟子として扱う。

    グスタヴが年老いた女性客に特に「サービス」するということで、多くのファンを持ち、ある日その中の一人、マダムDが自宅で死亡したという新聞記事が掲載される。グスタヴはゼロを連れて、マダムDの邸宅のあるルッツに向かう。
    マダムD宅では、ちょうど遺言を公開中だった。彼女はグスタヴに名画「少年と林檎」を遺産として残した。
    逆上した息子・ドミトリーに殴られたグスタヴは、執事のセルジュに手伝わせて絵画を盗む。

    しかしホテルに戻ったグスタヴを待っていたのは、なんとマダムDの殺害容疑。逃げる間もなく第19犯罪者拘留所に収容されてしまう。

    すべてはドミトリーの陰謀で、さらに彼は用心棒ジョプリングを使って、次々と関係者を殺害していく。それだけでなく、ドミトリーに脅されて虚偽の重要証言をしたセルジュも失踪していた。

    華やかなホテルの場面から一転、ハードボイルドな雰囲気に。


    グスタヴは脱獄し、ホテル・コンシェルジュのネットワーク「鍵の秘密結社」の協力を得てゼロと共に逃亡、山上の修道院でセルジュと再会する。
    ジョプリングやドミトリーに追い詰められながらも、最後は新たに発見された遺言状により、マダムの遺産を全部受け取ります。
    そしてグスタヴの死後、ゼロがそれを受け継いだ、というのが、経緯だというのです。

    この映画の最大の特徴は、ピンクを基調としたファンタスティックな色彩ですね。
    マカロンのような淡いピンクの外壁や内装。従業員のユニフォームは重厚なヴァイオレット。ゼロの恋人でパティシエのアガサがつくるケーキは、インスタ映えしそうなかわいらしさ。
    ちなみにロケ地はハンガリーではなくて、ドイツのゲルリッツやドレスデンだそうです。(マダムDの弁護士が、ジョプリングに追われて逃げ込んだ美術館はドレスデンのツヴィンガー宮殿でしたね。)

    また俳優陣が豪華。
    戦争で家族を失ったゼロに父親のような愛情を注ぐ名ホテルマン、かつ粋で優雅でどこかいかがわしい主人公グスタヴにレイフ・ファインズ。いつのまにか、こんなダンディーなオジサマになっていたのね。
    強欲なドミトリーにエイドリアン・ブロディ、冷酷な用心棒がウィレム・デフォーとか、その他にも「あ、この人見たことある!」っていう役者さんがずらり。


    でも、お洒落なドタバタコメディーと思いきや、案外深いところがあるんですよ。
    ゼロがズブロフカに来たのは戦乱で故郷を追われたからですが、ユダヤ人やロマなどの少数民族へのホロコーストを思わせるし、
    グスタヴが収監された監獄の囚人服は淡いグレーの横縞ですが、強制収容所の囚人服そっくりだし、
    戦争がはじまり、ホテルが軍の兵舎として接収されるのですが、そこに掲げられる旗は「Z」を重ね合わせた意匠で、どう見てもナチスを連想させるし。
    ネットの映画の解説コラムなどによれば、フリッツ・ラングなどの昔のドイツ映画のオマージュも含まれているそうです。
    まあ、そんなことを知らなくても楽しめる映画でした。


    今回の旅行は、こんなコンセルジュのいるような名門ホテルに泊まりたいな・・・。無理か。

    DVD「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」感想

    第2次世界大戦時、ドイツの世界最強の暗号「エニグマ」を解き明かした天才数学者アラン・チューリングの波乱の人生を描いた伝記ドラマ。



    1951年、マンチェスター。大学教授アラン・チューリング宅が何者かに荒らされる。にもかかわらず当人は「何も盗まれていない」と言い、傲慢な態度で警察を追い返す。その態度にノック刑事は「何か隠している」と疑う。

    空き巣を手引きしたのが男娼で、チューリングと懇ろにしていたことが判明。当時英国では同性愛は違法だったことから、警察から取り調べを受ける。
    ソ連のスパイではないかと疑っていたノック刑事が取り調べを担当したが、チューリングの口から出たのは、衝撃の告白だった・・・・。

    第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリングは、ドイツ軍の暗号機「エニグマ」を解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、「エニグマ」を解読するマシンをつくろうと思い立つ。

    チャーチル首相に直訴してチームの責任者となった彼は、2人をクビにし、後任を難解なクロスワードパズルを解いた回答者の中から選んだ。その中に、うら若き女性、ジョーン・クラークの姿があった。
    「なぜ私を?」とためらうクラークに、チューリングは「時には誰も予想しなかった人物が、だれも想像しなかった偉業を成し遂げる。」と声をかけるのだった。それは昔、親友クリストファーから言われた言葉だった。

    仲間から孤立して、夭逝した親友の名をつけた解読マシンをつくる作業に没頭していたチューリングだったが、クラークのとりなしでチームのメンバーとも打ち解けていく。

    クラークが「戻って結婚しろ」という両親の意向で職場を去ろうとしたとき、「独身じゃなくなればいい」と思いつき、その場でクラークにプロポーズする。

    いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけで「エニグマ」を解き明かすが、暗号が解読されたことをドイツに知られれば、ドイツはまた新しい暗号を作り出し、自分たちのやってきたことが水の泡になる。
    かくなるうえは、情報を取捨選択し、効率的に戦う。そのためには多少の犠牲は止むをえない・・・。
    こうして暗号解読チームは、連合軍を勝利に導いた。その働きは戦争終結を2年は早め、1,400万人を救ったとみられている。

    有罪判決が下ったチューリングは、服役する代わりに同性愛を「治療」するためのホルモン投与を強制された。そして1954年、青酸カリで自殺した。
    恩赦が認められたのは、2013年のことだった。


    なんかこう・・・。暗号解読のための極秘プロジェクト、今ここに明かされる!みたいな話なのですが、チューリングの同性愛者として苦悩する姿が随所で描かれるため、そっちの方が本筋なのかと思うくらい。
    エニグマ解読のことは戦後50年も秘匿されてきましたが、それ以外、創成期のコンピューターに大きな業績を残した偉大な科学者なのに、同性愛者というだけで不当な扱いを受けてきた、と世に知らしめよう、同性愛者差別反対!というのもこの映画の狙いじゃないでしょうかね。

    クラークという女性も興味深い役でしたね。
    チューリングに引けを取らない数学の才能を持ちながら、女性と言うだけで大学にも残れず、結婚して家庭に入ることを期待された時代に、
    チューリングが同性愛者と知りながら、彼と結婚し、仕事を続けることを望んだ。
    ネットでチョロッと調べた限りではモデルとなった女性がいたかどうかわかりませんでしたが、
    これが映画オリジナルのキャラだとしたら、当時の同性愛者差別だけでなく、女性差別についても描いているのかな、と思いました。

    ネットで「ベネディクト・カンバーバッチがコツメカワウソに似ている」と書かれているのを見て以来、彼の顔を見ると、フフッと微笑んでしまう・・・。

    DVD『ミケランジェロ・プロジェクト』感想

    私がベルギーへ行く、と聞いて「ベルギーが出てくる映画がありますよ」とオススメされたのがこれ。
    第2次世界大戦中、ナチス・ドイツに略奪された美術品を奪還した、アメリカの特殊部隊「モニュメンツ・メン」の活躍を描いた映画。

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    1943年、ナチス・ドイツが侵攻を進める地域では、貴重な美術品が強奪され、ヒトラーやその側近の手に渡っていた。戦火に合い破壊される美術品も数知れず、さらにはドイツが撤退する際には美術品を故意に破壊してしまうため、ヨーロッパでは多くの文化財が失われていた。


    この事態を重く見たハーバード大学付属美術館長のストークスは、ルーズベルト大統領に美術品の救済を直訴する。しかし、大統領からは人手不足を理由に、ストークス本人が戦線に向かうよう指示される。

    1944年3月、ストークスは6人の美術専門家を招集し、美術品救出作戦を行う特殊部隊「モニュメンツ・メン」を結成。まずは軍事訓練と作戦会議を兼ねて、イギリスの英軍基地へ向かう。そこで新たなる仲間を得て、人数は7人となった。

    7月、「モニュメンツ・メン」チームはフランス・ノルマンディへ上陸した。現地では理解のない将校たちの協力は得られなかったが、それでも略奪された美術品をの行方を追って、手分けしてヨーロッパの各地をかけ回った。
    メンバーの一人、ジェフリーズは幼いころ住んでいたブリュージュに飛び、聖母子像を守ろうとするが、目の前でナチスに奪われ、殺される。

    パリで美術品の強奪を指揮する親衛隊士官・シュタールに対し、その秘書クレールは嫌悪感を抱いていた。彼女は忠実な秘書を演じながらも、彼らが握る美術品の行方に目を光らせていた。
    しかし連合軍は今にもパリに迫ってきており、シュタールは美術品ともにパリから脱出する。

    メンバーのグレンジャーは、パリの知人の美術館長に会い、「美術品の行方を知りたければ、クレールに会え」とアドバイスされる。

    一方、ドイツの敗戦が間近に迫るにつれて、ヒトラーが美術品を含めた全てのものの破壊を命じる「ネロ指令」を発令。
    ソ連軍も、「奪還」を口実に美術品を略奪していたので、チームは美術品の捜索をなおさら急ぐ必要があった。

    親衛隊から押収した地図上の、印がついている地名には鉱山や炭鉱があることに気づいたチームは、坑内に隠されていると予測を立てる。その予測どおり各地の坑内からは、何千点もの略奪美術品が見つかり、中には金塊もあった。


    ジェフリーズが命を懸けたブリュージュの聖母子像や、ヘントの祭壇画も、アルトアウスゼーの岩塩坑で見つかった。

    アメリカによる略奪を警戒していたクレールだったが、杞憂だったことがわかると、さらに詳しい情報を提供してくれた。

    こうして、メンバー二人の犠牲はあったけれども、何万点もの美術品が取り戻されたのだった。

    ロバート・M・エドゼル著『ナチ略奪美術品を救え─特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』を原作として映画化。映画化にあたって設定を変えた部分もある(メンバーが7人しかいないとか)らしいですが、ほぼ実話だそうです。

    彼らの活躍がなければ、フェルメールやミケランジェロなどの大量の芸術作品が失われていたかもしれないなんて、ほんと信じられない・・・・。
    圧巻は、迫りくるソ連の鼻先で略奪美術品を掠め取るアルトアウスゼーの場面。撤収寸前にブリュージュの聖母子発見!となったときには、ストークスでなくとも言葉がでなくなりそう。
    ヘントやブリュージュに実物を見に行きたくなりました。



    とはいえ、こんな面白い題材にもかかわらず、映画としては微妙、というかちょっとテンポが悪かったかな~、と。
    多少はつやっぽい場面を、ということでしょうが、クレールがグレンジャーを誘惑するシーンなんていらないから!
    手に汗握るアクションを多めに、もっとメリハリがあったらよかった。

    ソ連の方にも奪われた美術品があり、そちらのほうは持ち主に返還された話もないようだし、その全貌すらまだわかっていないんですよね。
    ソ連側のドキュメンタリーとかあったら面白そうですね。

    映画『相棒-劇場版Ⅳ-首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』感想

    妹に誘われて、映画『相棒』を見てきました。

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    実は、『相棒』をほとんど見ていなくて。
    水谷豊扮する杉下右京なる人物、あまりに切れ者、変わり者過ぎて警視庁でももてあまし、「特命係」という部署をつくって隔離し、密かにお目付け役として配された人物とペアを組んでいろんな事件を解決する話・・・という程度の認識しかありませんでした。
    いちおう、公式サイト見て予習はしていったけどね。


    7年前、英国で日本領事館関係者の凄惨な集団毒殺事件が起こり、その唯一の生き残りだった少女が国際犯罪組織によって誘拐された。しかし、当時の駐英大使と日本政府は“高度な政治的判断”によって、その誘拐事件を闇に葬っていた——。

     それから7年。国際犯罪組織バーズのリーダー=レイブンを長年追ってきた国連犯罪情報事務局・元理事のマーク・リュウが、日本にレイブンが潜伏しているという情報を得て香港から来日。特命係の杉下右京と冠城亘は、社美彌子からの指示で、案内役としてそのリュウに同行していた。その矢先、リュウの部下が、「天谷克則という男を調べてくれ」というメッセージを残し、首に黒い羽のタトゥーを入れた“黒衣の男”に殺害された。

     外務省のホームページをハッキングした犯行グループは、7年前に誘拐した少女=鷺沢瑛里佳の現在の姿を動画で公開した。「7年前、日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で、日本人の誇りが砕け散るだろう」というメッセージと約9億円の身代金を要求した。誘拐事件の全貌が明らかになって、騒然とするマスコミ。特命係の2人は捜査一課の面々、元鑑識の米沢守、警察庁の神戸尊らを巻き込みながら、事件解決へと独自に動き出す。」
    (公式サイトより引用:http://www.aibou-movie.jp/story/index.html)

    ううむ・・・。『相棒』ってのは、ひたすら杉下右京=水谷豊を前面に出したドラマなんですね。反町隆史も及川光博も彼の前ではただの引き立て役に過ぎない。というある意味すごすぎる作品でしたね。

    7年前の事件の真相、犯人の目的、犯人の正体・・・そこにたどり着くまでに事態が二転三転して、すごく面白かったですね。テロの標的となった、スポーツ選手団の凱旋パレードでの犯人との攻防も迫力がありました。
    でも肝心の犯人の動機が・・・・、乱暴にもひと言でいうと「テロに無関心な、平和ボケの日本に喝を入れてやる」っていうのが弱い、っていうか、無理がありすぎない?というのが感想です。

    せっかくスケールの大きい話なのに、そこがグダグダだと台無しだし、もっとしっかり作ってほしかった。
    北村一輝演じる首筋にカラスのタトゥーの男も、「え・・・?」って感じだしね。

    映画『僕らのごはんは明日で待っている』感想

    夏にやっていたドラマ『HOPE』で主人公を演じた中島裕翔さんを見て、「泣き顔が美しいなぁ」とファンになったニワカです。
    その中島裕翔さんが主演を務めた“うるきゅんラブストーリー”『僕らのごはんは明日で待ってる』を見てきました。(年をまたいでデート向け映画・・・。)
    平日の午前中とはいえ、観客4人しかいなかったのですが、大丈夫か。



    兄の死に心を閉ざし、周囲に無関心になってしまった葉山亮太は、高校の体育祭の米袋リレーでペアになった上村小春に告白されて付き合い始める。
    ネガティブな亮太とは反対に明るくポジティブな小春。二人はよくケンタッキーを食べに行った。小春は好き嫌いが多かったが、「鶏肉は嫌いだけど、ケンタッキーは好き」
    カーネルサンダースと握手すると勇気がもらえる、と亮太にも握手をするよう促すのだった。

    二人は大学生になってからも交際を続けていた。
    最初のころ彼女は自分のことを言いたがらなかったが、ある日、自分の母は妻子ある人の子供を産み、そして半年後いなくなったので自分は祖父母に育てられた、と自らの生い立ちを語った。だから結婚して子供を産み、幸せな家庭を築くのが夢なのだと。
    その夢はきっと叶うと、二人は信じていた。

    しかしある日、小春は亮太に一方的に別れを切り出す。
    理由も言わずに「別れよう」という小春に納得がいかず、ショックで立ち直れない亮太に、彼に想いを寄せる少女・えみりが寄りそう。
    えみりと付き合いながらも、それでも諦めきれない自分の想いに気づき、えみりに正直に自分の気持ちを話す。
    「知ってた?亮太が『俺たち』って言うとき、それは亮太と上村さんのことなんだよ。私と亮太じゃなかった」

    何度も小春に自分の想いを伝えるが、小春は取り付く島もない。ようやく言った別れの理由が、「おばあちゃんが反対したから。自分が家族のことで苦労しているのに、同じように家族のことで影のある人と付き合うなって」

    月日は流れ、亮太は社会に出た。
    仕事で卒業した大学の付近を歩いていたときに、小春が勤めている保育園の同僚に偶然出会う。そしてついに小春の隠していた真実を知る。
    彼女は子宮の病気を患っていて、助かるには子宮を摘出するしかない。
    急いで病院に駆けつけるも、彼女はけんもほろろに亮太を追い返した。

    そして亮太は気づく。
    子供の産めない自分は亮太と結婚できない。亮太に負担に思わせないために、祖母の言葉に事寄せて別れを告げたのだった。

    手術当日。どうしていいかわからない、やりきれない思いを抱えた亮太は、二人でよくデートしたデパートの屋上の遊園地に足を向ける。そこの展望鏡から、病院の屋上にいる小春の姿が見えた。泣いていた。
    「私が泣いているときは、相当弱っているときだから、絶対そばにいてね。」
    昔彼女が言っていたことを思い出し、亮太はカーネルサンダース像を抱えて、彼女のもとへ走り出す――。


    『僕は明日、昨日の君とデートする』や昨今のラブコメ映画のような派手な展開やキュンキュンな表現(壁ドンとか・・・)はありませんが、お互いがお互いを思い合う、見つめ合う目と目にこちらも頬が緩むような、そんな映画でした。

    退院後、二人で家庭的な料理を出す店で食事をするのね。奥で老夫婦がなかよくお茶を飲んでたりして、この二人も将来こんなふうになるのかなと想像させるような。
    このときの小春が、迷いも何もかもすべて洗い流したかのような表情で、清らかできれいでしたね。

    中島さんも、相変わらずきれいでしたね、泣き顔。(←どんな変態やねん)
    半年しか見ていないけど、この半年でグッと大人っぽくなった印象がありますね。

    それとさ、最後にさ。
    オバチャン、夢もへったくれもないけどさ。

    遊園地に置いていった鞄の行方と、黙って持ち出したカーネルサンダースおじさんのその後が気になってしょうがなくて。

    それにアンタ、仕事どうしたの?


    公式ホームページ:http://bokugoha.com/#topPage

    映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』感想

    yanoschさまに代わって号泣するつもりで行った(ハンカチ用意して)けど、時系列がややこしくて、話に集中できなかった・・・。





    公開2日目なのに、客の入りは半分くらいだったかな。ちょっと意外。

    どうでもいいけど、
    こんなデートムービーなのに、隣に座ったのが中学生男子二人組で、
    小松菜奈のファンなの?福士蒼汰のファンなの?
    デートのリハーサルなの?
    それともあなたたちデートなの?


    京都の美大に通う南山高寿(たかとし)は、電車の中で出会った若い女性に一目ぼれ。勇気を奮って声をかける。彼女の名は福寿愛美(えみ)。同じ20歳。
    「また会える?」高寿がそう聞いたとたん、愛美は泣き出してしまう。

    友人のアドバイスに従って高寿は愛美をデートに誘い、付き合い始める。

    不思議と涙もろい愛美は、初めて名前で呼びあったときも、初めて手をつないだ日も泣きだした。

    そして初めて結ばれた夜、彼女は自分の秘密を打ち明けたのだった。
    彼女は別の世界の人間で、5年に一度、30日間だけ高寿の住む世界に来ることができる。しかし、彼女の住む世界では、時間は逆の方向に向かって流れている。
    つまり、高寿の明日は、愛美にとっては昨日のことだというのだ。
    愛美は、5歳の高寿とは35歳のときに、10歳の高寿とは30歳の時に会っている。
    そして20歳に二人が出会ったときのことを、15歳のときに25歳の高寿から聞いたというのだ。



    ・・・私はね、愛美がタイムトラベラーとか歳をとらない人間とか想像していましたが、
    題名がすべてを物語っていましたね。



    そこで高寿はあることに気づく。
    高寿にとって最初の出会いの日は、愛美にとって最後の別れの日。
    高寿が不自然に思わないように、愛美が演技してくれていたのだったと。
    一緒に時を過ごしていても想い出を共有できない。
    それでも楽しそうに振る舞うエミが痛々しくて、辛くて、愛美にひどいことを言ったりしたが、愛美の方がもっと辛いことに気づき、それからは最後の日に向かって、できるだけ楽しい時間を過ごすようにした。

    そして迎えた最後の日。愛美にとっては、初めて20歳の高寿に会う日・・・。

    25歳の高寿は、15歳の愛美をわざわざ探し出したのだろうか。

    15歳の愛美は、20歳のときに描かれた自分の絵を見て、これを描いた20歳の高寿に会いたくなった、とか言うのですが、
    もうこの辺で頭がこんがらがってしまうのですよ。

    ああーもう!


    あらすじを書くとSFでシリアスですけど、内容はね、もうキュンキュンですよ。

    最初モサくてキモオタ一歩手前の南山君が、恋を知り、どんどん綺麗になっていく。
    恋人を見る目がすごーく、とろけそうなくらい優しいの。

    ひたすら福士蒼汰と小松菜奈を愛でる映画でしたね。
    あと、二人が行ったカフェとか行ってみたくなりました。

    yanoschさまもこんなところでデートしたんですかね?

    いいなぁ、京都、行こうかな!

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