映画・テレビ

DVD『ディファイアンス』感想

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さて2010年最初の記事は、『ディファイアンス』。

新ボンドのダニエル・クレイグ主演の、第2次世界大戦中に実在した1,200人ものユダヤ人を救ったビエルスキ兄弟の物語を映画化。

1941年、ドイツ軍によるユダヤ人狩りは、ベラルーシの田舎の村までよし寄せてきた。
トゥビア、ズシュ、アザエルのビエルスキ兄弟は家を留守にしていて助かった。
森に潜み始めた彼らだったが、ユダヤ人狩りから逃げてきた他のユダヤ人たちも続々と森へ集まってきた。
トゥビアは同胞たちを見捨ててはおけず、いつしか彼らのリーダーとして慕われるようになった。食糧や武器は農民たちから略奪して調達したが、ズシュは長兄のやり方を生ぬるく思い、ドイツ人と戦うため、ソ連赤軍に身を投じる。

一つの街のゲットーから一人残らず救出するなどして、森の中のキャンプはどんどん大きくなっていった。そこは男も女も銃を持ち、お互い助け合う、一種のコミュニティだった。アザエルはキャンプの娘の一人ハイアと結婚する。

春になり、ドイツ軍が攻めてきた。決死の思いで森を抜けるが、目の前には湿地帯が広がっていた。茫然自失となるトゥビアだったが、アザエルが「河を渡ろう」と促す。「奇跡は起きない。奇跡は僕たちで起こすんだ!」ベルトを命綱のようにして河を渡ると、そこにはドイツ兵が待っていた。必死に応戦するトゥビアたちだったが、そこに駆けつけたのがズシュだった。

彼らは2年間森に潜み続け、戦争が終わったときには1,200人のユダヤ人がそこに住んでいた。


最後の脱出劇は、モーゼがユダヤ人と共にエジプトを脱出した「出エジプト」とダブらせてあり、緊迫感あふれるシーン。成り行きでリーダーになった「モーゼ」は、森へ残るのか河を渡るのか、皆に決断を迫られて恐怖に押し潰されそうになる。
そんなトゥビアを励ましキャンプを導いていくのがアザエル。両親を殺されベソをかいていたのが嘘のよう。どっかで見た、と思ったら、『リトル・ダンサー』の主人公ビリー役の子でした。はぁ、大きくなって・・・。

ユダヤ人といえば、なす術もなく収容所に送られて命を奪われた人たちばかりかと思いきや、こんなふうに自ら銃を取りサバイバルしてた人たちもいたんですね。


この映画、ドイツ兵はドイツ語、赤軍はロシア語、村人はベラルーシ語、だけどユダヤ人は英語を喋っているという・・・。でもイディッシュと言うわけにも行かないんでしょうね。

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DVD『レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―』感想

西暦208年、魏呉蜀が争う中国・三国時代。孔明の奇策で曹操軍を撤退させた孫権・劉備同盟軍だったが、疫病のために、劉備軍は撤退してしまう。
戦意も武器も尽きようとしていたが、孔明は「10万本の矢を用意してみせる」と宣言。
ある濃霧の朝、案山子を乗せた船を仕立てて曹操軍に矢を射掛けさせるように仕向ける。こうして10万本の矢を手に入れた。
「敵を退けた」と喜ぶ水軍の将たちだったが、周瑜の策略により、裏切りを疑われて曹操に殺される。

水軍を指揮するものがいなくなったとしても、曹操軍には2000隻の戦艦と80万の兵士があり、おまけに風は同盟軍には不利な方向に吹いていた。
しかし天候を読んだ孔明は、「風向きは変わる。そのときまで待て」と進言する。曹操が自分に横恋慕をしていることを聞いた周瑜の妻・小喬は、時間稼ぎのために、ひとり敵地に乗り込む。

そうしている間に風向きが変わった。孫権軍に続き、劉備軍も曹操軍の大船団へ攻めかかる。実は劉備の撤退も、策略の一つだったのだ。長江が火の海ならぬ“火の川”になり、さしもの曹操も追い詰められた。観念した曹操は撤退し、歴史に残る「赤壁の戦い」は幕を閉じた。
「この戦いに勝者はいない」と、周瑜たちは戦場をあとにするのだった。

ストーリーの展開がよりスピーディーで、テンポがよくなっていたので、早送りしないでも楽しめましたよ。1作目以上に戦闘シーンがダイナミックです。中村獅童、けっこう見せ場があり、おいしいところを持っていってましたね。

小喬が、PARTⅠではちょっと浮いている感じがしたのですが、本作では聡明さや強さが描かれ、曹操が心奪われるのも納得の美しさ。
でも曹操もさ、いざ出陣という瞬間に美女に誘われたからって、のんきにお茶を飲むというのは、いかがなものか。敵が陣地を突破してきたと聞いてからは、茫然自失でフラフラしだすし。

曹操軍に間者として入り込んだ孫権の妹・尚香。女性が戦で活躍するプロットってあまり好きではないのですが、これは厭味なく見られました。

でもこれ、まとめて3時間半くらいに出来なかったのかしら。その方がテンポもよくていいと思ったのでした。

さて、これが2009年最後の記事です。ブログを見てくださった方、ありがとうございました。また2010年も、細々と書いていきたいと思います。

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DVD『コッポラの胡蝶の夢』感想

ミルチャ・エリアーデの幻想的な小説「Youth without youth」を原案にした、コッポラ監督作品。
この作品を見ようと思ったのは、エリアーデ原作、それとブルーノ・ガンツや『ヒトラー最期の12日間』の女秘書役のアレクサンドラ・マリア・ララが出てるからでしたが、う~ん・・・。

第二次世界大戦が近づく1938年のルーマニア。70歳の老人ドミニクは、婚約者ラウラに去られてまですべてを捧げた言語の起源についての研究を完成できず、人生に絶望していた。

復活祭の日、自殺するつもりでブカレストに行った老人は、雷に打たれる。
病院に運び込まれた彼は奇跡的に助かり、その上なんと若返り、超常的な知的能力まで身につけていた。
病院のスタンチュレスク教授の論文を見てナチスも興味を持ち、ドミニクを引き渡すよう要求する。
危険を感じたドミニクはスイスに逃げる。
その間もドイツは戦争を続け、ドミニクに対する追跡は続けられていた。

1955年、ラウラに瓜二つの若い女性ヴェロニカに出会う。しかしヴェロニカは落雷に合い記憶喪失に、さらにサンスクリット語を話し、「ルピニ」と名乗ったのだった。1400年前の女性で洞窟で瞑想をしていたという彼女を連れ、東洋学の学者とともにインドへ向かうと、そこにはヴェロニカが語ったとおりの洞窟があった。
ルピニはヴェロニカの前世の姿だったのである。

惹かれあった二人はマルタ島へ行き、一緒に暮らし始める。
ヴェロニカは夜毎トランス状態の中でさまざまな古い言語を話し始めた。「言語の起源」という研究テーマが完成するのではないかと思ったドミニクだったが、ヴェロニカが老化するにつれ、それが自分のせいだと分かっているドミニクはヴェロニカに別れを切り出す。

1969年12月、ドミニクは故郷に戻る。常連だったカフェに行くと、友人たちが彼を出迎え、今は1938年だと語る。
翌朝ドミニクの死体が見つかる。その姿は101歳の老人の姿だった。

「胡蝶の夢」は、中国の荘子の説話。一人の男が一睡の夢の中で蝶になっていた。目が覚めたが、しかし実は自分は蝶で、夢の中で自分になっているのではないか・・・。
すべては1938年のドミニクが見た夢だったのか・・・ってことなんでしょうか。
ドミニクの分身が出てきたり、宗教哲学的な対話がなされたりで難しかったです。

セピアがかった映像や音楽は幻想的で美しかったです。

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DVD『ワルキューレ』感想

実際にあったヒトラー暗殺未遂事件を描いた、トム・クルーズ主演作品。

第二次世界大戦下のドイツ。アフリカ戦線で左目を負傷したシュタウフェンベルク大佐は、ヒトラー暗殺を企む抵抗運動グループに誘われる。
祖国のために、暗殺計画≪ワルキューレ作戦≫の首謀者として、トレスコウ少将やオルブリヒト将軍ら、同志と着々と準備を進めていく―。そして、決行の1944年7月20日を迎えた。ヒトラーとその護衛たちを前に、大佐たちは計画を成功させられるのか…。


「ワルキューレ」は、国内で反乱が起こった際、国防軍・武装親衛隊を含め、全ての武装集団を予備軍の指揮下に置き、戒厳令を布告して全てを掌握する、という作戦のコードネーム。
それを逆手にとり、ヒトラー暗殺後に「ワルキューレ」を発動し、それをクーデターに利用して国内を一気に掌握する計画だった。
しかし暗殺は失敗、その後の対応も混乱を極め、クーデターは失敗、関係者は粛清された。

ヒトラーの暗殺計画は少なくとも43回は企てられたそうですが、このような軍内部が関与した大掛かりな作戦があったとは知りませんでした。

ただ映画は、なんというか、淡々と出来事を連ねていくだけでヤマがない、という印象。史実を無視してムチャクチャやったり、ヘンなメロドラマ仕立てじゃなくてよかったとは思いますが・・・。
トム・クルーズがやらなくてもいいじゃん。トムに「華」がある分、話が薄っぺらく感じた・・・。
実はこの作品の主演候補だったトーマス・クレッチマン、どんな風に物語に絡むのか注目してましたが、予備隊の責任者というだけの、誰がやってもいいって感じのチョイ役でした。クレッチマンで見たかったな~。

シュタウフェンベルクのいた陸軍最高司令部には、現在ドイツ連邦国防省がおかれ、その一角は、シュタウフェンベルクを記念する抵抗記念館となっています。

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アンディ・ラウ主演・DVD『三国志』感想

『三国志』の中でも人気の高い趙雲を主役に据えた映画。趙雲を香港スター・アンディ・ラウが演じています。

蜀の君主・劉備の軍に入った趙子龍(趙雲)は、同郷の平安と義兄弟の契りを結ぶ。
ある日、孔明の助言を元に、曹操軍に奇襲をかけることになった。その戦いで趙雲は平安の命を救い、しかも敵の前衛隊長を討ち取る。しかし手柄を兄と慕う平安に譲り、その結果として平安は劉備一族の警護を任される。
ところが魏の曹操率いる10万の兵に攻めこまれ、その追跡から逃れる最中、平安は劉備の夫人と子供を見失うという失態を犯してしまう。成敗しようとする関羽と張飛を押しとどめ、趙雲は代わりに自らが夫人らの救出に向かった。そして見事敵軍の中を突破し、無事に嫡子を救出し、しかも曹操の剣まで奪ってくるという快挙を成し遂げる。


 趙雲はその勇気と武勇によって、蜀の“五虎大将軍”の一人となり、“常勝将軍”の異名を持つほどになっていた。平安は彼を羨望の思いで見守り続けた。

 時は流れ、劉備の息子が蜀の国を継ぎ、その若い君主を孔明が補佐していた。孔明は最後の魏征討を決意、すでに若くはない趙雲だったが、かつての戦友・関羽や張飛の息子世代の若い武将たちを率いて出陣する。

孔明の指示により、途中から若い武将たちとは別々に進軍を続ける趙雲だったが、鳳鳴山への篭城を余儀なくされる。
趙雲を討ち取ろうと対峙する魏軍の将は、曹操の孫娘、曹嬰。祖父譲りの軍略の才を持ち、趙雲は次第に追い詰められる。しかも思いもよらぬ裏切りに遭い、味方が次々と戦死していく中、趙雲は数万の敵軍へと一人突き進むのだった…。

「レッド・クリフ」のような娯楽超大作を期待すると肩透かしを食います。色調もセピアっぽく、戦闘シーンも地味だし。同時期の公開だなんて、便乗効果を狙ったのか?
『三国志』というよりも、それに数多く登場する武将の一人、趙雲に焦点をあてた『趙雲伝』って感じで、平安と趙雲の関係がメイン。武勇を欲しいままにし、出世しても偉ぶることのない趙雲に嫉妬し、平安は趙雲を裏切る。凡人の悲哀を感じます。

マギー・Q演じる曹嬰が、男装の麗人みたいで格好よかったです。まあ、トンデモと言えばトンデモなんですけど(敵の大将に一騎打ちを挑む女武将、って何者・・・?)、敵役を女性にしたことでより華やかにドラマチックになりました。男性だったら、あまりに地味・・・。
戦場で琵琶を弾き鳴らし、ちょうど大河ドラマ『風林火山』でガクトが演じた長尾景虎のようでした。

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DVD『宮廷画家ゴヤは見た』感想

18世紀末のスペイン。宮廷画家でありながら、権力批判と社会風刺に富んだ作品も精力的に制作し続けるゴヤ。
彼に肖像画を依頼した、異端審問を強硬するカトリック教会の神父ロレンソは、ゴヤのアトリエで裕福な商人の娘で、天使のように美しいイネスの肖像画に目を留める。
居酒屋で豚肉を食べなかったという理由でユダヤ教徒と疑われ、イネスは異端審問所に捕らえられる。
彼女を救ってほしいとゴヤに頼まれたロレンソは、拷問を受け牢に繋がれたイネスに面会する。
イネスの家族は多額の寄付と引き換えに彼女の釈放を願うが、すでにイネスは拷問に耐えかねて嘘の告白をしており、釈放は認められなかった。業を煮やした家族はロレンソを痛めつけて、「自分は猿だ」という書類にサインさせる。娘が戻らなければこれを公表するといって・・・。
ロレンソは行方を絶った。
ときに1793年。フランスでは革命が起こり、国王ルイ16世が断頭台に消えた。

それから15年後。革命後に台頭したナポレオンは絶頂期を迎え、スペインの内紛にも介入し、自分の兄をスペイン国王に据えた。
ゴヤは耳が聞こえなくなっていたが、「自由・平等・博愛」を掲げたフランス軍が、民衆に対して暴虐の限りを尽くすのをその目で見、作品に残した。

支配者フランス側の責任者として現れたのは、ロレンソ神父だった。出奔後フランスに逃れたロレンソは革命思想を受け入れ、手の平を返すように今度は教会を弾圧した。
異端審問所が廃止され、イネスも釈放された。しかし15年の歳月は彼女の若さと美しさを奪っていた。そんなイネスの口から、ゴヤは彼女がロレンソの子を産んだことを聞かされる。
真相を確かめようと、イネスと共にロレンソを訪ねたゴヤだったが、ロレンソは彼女を精神病院に追いやってしまう。

子どもの行方を調査したロレンソは、アリシアという娼婦がそれだと知る。アリシアもろとも娼婦たちを取り締まってアメリカに追放しようとしたとき、イギリスがスペインに進軍、国王も逃げ出したという知らせが入る。
ロレンソも家族と共に逃げ出そうとしたが、教会を支持する村人らに捕らえられ、今度は彼が裁判にかけられる。改悛を迫られても応じなかった彼は、群衆が見守る中で処刑される。その中に、正気を失ったイネスと、イギリス軍将校のそばに侍るアリシア、そしてゴヤがいた。

最初、神父が異端の娘をかばって・・・という話だと思っていましたが、全然違いましたね!ゴヤを語り部とした、スペイン版大河ドラマでした。ゴヤと愛人関係にあったアルバ公爵夫人とか、「マハ」の話もなかったし。
時代は18世紀末~19世紀初頭。フランス革命と同時期、スペインではあんな異端審問がまかりとおっていたなんて。
ミロス・フォアマン監督は、この時代のスペインが、当時共産主義社会だった自分の国チェコと似ていると思って、この映画のアイデアを思いついたそうです。この時代を描くのに、風刺画を描いたゴヤがうってつけと考えたとか。

姑息な神父ロレンソを、ハビエル・バルデムが怪演。「拷問されたとしても、神が耐える力を与えてくれる」と言っていたのにあっさり暴力に屈したり、自分を頼る無垢な少女を欲望の餌食にしたり、異端とみなした革命思想に、何のためらいもなく鞍替えしたり、いけ好かない男ですが実に説得力があります。
でもこの人、こんなブヨブヨした人だったっけ?と一瞬ショックを受けました。私のバルデム像は『夜になる前に』で止まっていました(笑)。
ゴヤがロレンソの肖像画を描いているシーンで、「手を描くと追加料金」と言われて手を上着の下に引っ込めたのが笑えました。

公式サイトhttp://www.goya-mita.com/flash.html

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DVD『キャラメル』感想

レバノン・ベイルートの小さなエステサロンに集う5人の女性たち。
不倫の恋に悩み、親に嘘をついていることに罪悪感を持つオーナーのラヤール。
婚約者に過去を打ち明けられないイスラム教徒のニスリン。
長い髪の美しい顧客に心惹かれるリマ。
サロンの常連ジャマルは、オーディションを受け続けるが上手くいかず、年を重ねる自分を受け入れられない。
そしてサロンの向かいに住むローズは認知症の姉を抱え、すでに自分の人生を諦めていた・・・。

ベイルートにもエステサロンがあるんだ~。女性の「美しくなりたい」という願望は全世界共通ですね。
向こうでは、キャラメルを脱毛に使うんですね。タイトルは、「おいしい砂糖でも人を焦がして痛めつけてしまうことを表している」そうです。キャラメルのように、甘くてほろ苦い映画でした。

中近東の国なので服装にも厳しいと思いきや、女性も肌を出して歩いていて、開けているな~、というのが印象。戦争の傷痕もあまり感じられなかったし。フランス語を喋っているのも初めて知りました。
でも女性たちは今でも昔からのしきたりや周囲の目に縛られている、というのがテーマのようでした。

主人公ラヤールを演じる女優さんがペネロペ・クルスばりの美女。しかも脚本・監督もこの人だというからびっくり。天は二物を与えるものなのね。
監督以外はみな素人ということですが、そうとは思えないほどきれいな人たちで、自然な演技でした。

リマが心惹かれる女性は、最後に念願のショートカットにするのですが、その輝く笑顔は、「自分らしく生きるために思い切って最初の一歩を踏み出そうよ」という女性たちへのメッセージなのでしょう。

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ドイツ映画祭2009『ソウル・キッチン』感想

10月14日(水)にハンブルクで行われた、サッカーワールドカップ2010年大会予選、ドイツ対フィンランド戦。結果は1:1で引き分けでした。ちなみにゴールを決めたのは、ポドルスキ。

さて、新宿バルト9で開催中の「ドイツ映画祭2009」、そのうちのファティ・アキンFatih Akin監督作品『ソウル・キッチンSoul Kitchen』を見てきました。

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≪会場に貼られていたポスター。レコードジャケット風≫

ハンブルクの下町で流行らないレストランを営むギリシャ系のジノス。腕は良いが変人のコックを雇い、バンドに生演奏をさせたところ、若者に大人気。
上海にいる恋人ナディーンのもとに行こうと店の経営を弟に任せたが、店は弟の借金のカタに取られてしまう。そのうえ、祖母の葬儀のため急遽帰国したナディーンの隣には中国人の男がいた。
ぎっくり腰を患い、店は取られ、恋人に心変わりされる。八方塞のジノスはどうなるのか・・・!?

『愛より速く』『そして、私たちは愛に帰る』など、深刻なテーマを扱った作品からうって変わって、文句なしに楽しいコメディを撮ったファティ・アキン監督。

ぎっくり腰のために、いつでもどこでも(ディスコでも)腰痛体操を始めるジノス、仮出所中なのに賭けに目のない弟イリアス、包丁をナイフのように投げつけるさすらいの料理人シェイン、ジノスの店に居候している老人など、一癖も二癖もある人物ばかり。でも最後は、ハッピーエンド。

タイトルの『ソウル・キッチン』は、ジノスの店の名前ですが、「ソウル・フード」という言葉があるように、魂に訴えるような、思い出と結びつくような料理、その料理をつくる場所=キッチンを意味しているとのこと(←うろ覚えですが・・・)です。
この映画は、アキン監督の中では「郷土映画」という位置づけであり、生まれ育ったハンブルクへの「愛」がこもっています。倉庫街から見る港の風景、すごく好き。
私はハンブルクは、乗換えで1泊したことがあるだけなので、今度行って見てみたいな~、と思いました。

上映終了後は、来日ゲストによるQ&A。主人公ジノス役のアダム・ボウスドウコスさんと、プロデューサーのクラウス・メックさんです。
『ソウル・キッチン』は本国ドイツではクリスマスの頃に公開予定だそうで、日本の我々が一足先に見たというわけ。

撮影裏話をひとつ。
ナディーンの祖母を演じたのは、モニカ・ブライプトロイ。『4分間のピアニスト』の老ピアノ教師などを演じたドイツの国民的女優にして、ジノスの弟イリアス役のモーリッツ・ブライプトロイの母。彼女は以前から病気を患っており、撮影後に亡くなったそうです。「(祖母の)埋葬のシーンについて、関係者は、そして息子のモーリッツはどう考えているのか。」という質問が出ました。
祖母の葬儀については、ナディーンが仕事をおいて帰ってくる理由として必要不可欠なエピソードだったこと。このシーンを残すかどうかは、モーリッツも交えて話し合ったが、彼女なら残せというだろうという結論に達した、ということでした。

インタヴュー終了後、お二人はロビーでサインをしたりご挨拶したりしていました。

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≪左:プロデューサーのメックさん、右:ボウスドウコスさん≫

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ドイツ映画祭2009開催のお知らせ

10月10日(土)にモスクワにて行われた、サッカーワールドカップ2010大会予選、ドイツ対ロシア。ドイツ側に一人退場者がいたにもかかわらず、クローゼがゴールを決めて1対0でドイツの勝ち
ドイツは南アフリカで行われる本戦進出を決めました!
あとは14日のフィンランド戦を残すのみです。

さて、新宿バルト9で、今年も「ドイツ映画祭」が開催されます。(10月15(木)~18日(日))

アカデミー賞外国語映画賞に輝いた『名もなきアフリカの地で』(2001)以来、7年ぶりにカロリーヌ・リンクが発表した『冬の贈りもの』、ファティ・アキンのベネチア映画祭で審査員特別賞を受けたばかりの『SOUL KITCHEN』など、新作がやってきます。

また、ドイツもしくは〈ドイツの歴史〉を楽しめる作品もあります。『ドイツ2009』は、〈ベルリンの壁崩壊〉20周年を期に、13人のトップ監督が集結して〈現在のドイツ〉像を多面的に浮かび上がらせようとした意欲的な短編集です。

さらに、トーマス・マンの代表的長編小説を映画化した『ブッデンブローク家の人々』、これは見たいですね。

 そしてミュンヒェン映画・テレビ大学で学んだ日本人女性・宮山麻里枝監督作『赤い点』にも注目です。

特別上映として『ラン・ローラ・ラン』、『マーサの幸せレシピ』もやりますよ。

ドイツ映画祭2009公式ホームページ
http://www.germanfilmfest.jp/index.html

このほか、注目のドイツ関連の映画をピックアップしますと・・・。

ウェイブ

独裁政治を学ぶ体験授業をきっかけに洗脳されていく高校生たちの姿を描き、ドイツで大ヒットを記録した心理スリラー。
これ、去年のドイツ映画祭でやった作品ですね。

http://www.the-wave.jp

カティンの森

第二次世界大戦中、ソ連の秘密警察によってポーランド軍将校が虐殺された「カティンの森事件」を、ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督が映画化した問題作。長い間明らかにされてこなかった同事件の真相を、ソ連の捕虜となった将校たちと、彼らの帰還を待ちわびる家族たちの姿を通して描く。

http://www.katyn-movie.com

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DVD『エグザイル/絆』感想

『インファナル・アフェア』のアンソニー・ウォンとフランシス・ンが出るというので見てみました。

中国への返還を間近に控えたマカオが舞台。

ボスを狙撃して逃亡していたウー。「帰る場所が欲しくて」妻子を連れてマカオに戻ってきた。
そのボスの命令でウーを殺しに来たブレイズとファット。
一方、ウーを守るために来たタイとキャット。
かつて仲間だった5人だが、今は立場を違えていた。
再会は銃撃戦となるが、赤ん坊の泣き声で銃を下ろす。ウーの妻子を交えて、昔のようにワイワイと夕食を楽しみ、記念写真を撮る。

妻子に金を遺したい、というウーのために、マカオのボス、キョンを殺る仕事を請け負う。
しかしキョンのいるレストランに、なぜかブレイズたちのボスが現れる。ウーをまだ殺していないことを知ると、ボスはブレイズの胸に銃弾を打ち込み、激しい銃撃戦が幕を開ける。
致命傷を負ったウーを、ヤミ医者に運び込むがそこにボスたちも駆け込んでくる。すんでのところで逃げ出すが、ウーは絶命していた。

組織から追われる身になったブレイズたちの行き先は、コインまかせ。
観音山までたどり着き、この日、金塊の輸送車が通りかかることを思い出すが、コインに従って断念する。しかし銃声に驚き行ってみると、別のグループが輸送車を襲っていた。横から奪い取り、一人生き残った軍人と共に逃走する。
この金で何をしよう、と盛り上がっているところに、ボスから電話が入る。
復讐を誓ったウーの妻が、銃を手に、赤ん坊を胸にブレイズたちを探し回っていたのだ。戻らなければ彼女たちの命はない。男たちはコインを投げ捨て、約束のホテルに向かった。

銃撃戦をやった次の瞬間に、笑い合って一緒に食卓を囲む。ほのぼのと殺伐が同居した映画ですね。脚本なし、代役なしの現場だったそうで、それであの見事な動きが出来たのは、アンソニー・ウォンら実力派の俳優ばかりだからですね。映像も抑制のきいたスタイリッシュな画面で、だからこそ「ほのぼの」の場面が余計切なくなるんだな。

金塊を輸送する軍人役の人が、飄々とした演技でいい味出してました。

公式サイト http://www.exile-kizuna.com/

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