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映画・テレビ

映画『相棒-劇場版Ⅳ-首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』感想

妹に誘われて、映画『相棒』を見てきました。

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実は、『相棒』をほとんど見ていなくて。
水谷豊扮する杉下右京なる人物、あまりに切れ者、変わり者過ぎて警視庁でももてあまし、「特命係」という部署をつくって隔離し、密かにお目付け役として配された人物とペアを組んでいろんな事件を解決する話・・・という程度の認識しかありませんでした。
いちおう、公式サイト見て予習はしていったけどね。


7年前、英国で日本領事館関係者の凄惨な集団毒殺事件が起こり、その唯一の生き残りだった少女が国際犯罪組織によって誘拐された。しかし、当時の駐英大使と日本政府は“高度な政治的判断”によって、その誘拐事件を闇に葬っていた——。

 それから7年。国際犯罪組織バーズのリーダー=レイブンを長年追ってきた国連犯罪情報事務局・元理事のマーク・リュウが、日本にレイブンが潜伏しているという情報を得て香港から来日。特命係の杉下右京と冠城亘は、社美彌子からの指示で、案内役としてそのリュウに同行していた。その矢先、リュウの部下が、「天谷克則という男を調べてくれ」というメッセージを残し、首に黒い羽のタトゥーを入れた“黒衣の男”に殺害された。

 外務省のホームページをハッキングした犯行グループは、7年前に誘拐した少女=鷺沢瑛里佳の現在の姿を動画で公開した。「7年前、日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で、日本人の誇りが砕け散るだろう」というメッセージと約9億円の身代金を要求した。誘拐事件の全貌が明らかになって、騒然とするマスコミ。特命係の2人は捜査一課の面々、元鑑識の米沢守、警察庁の神戸尊らを巻き込みながら、事件解決へと独自に動き出す。」
(公式サイトより引用:http://www.aibou-movie.jp/story/index.html)

ううむ・・・。『相棒』ってのは、ひたすら杉下右京=水谷豊を前面に出したドラマなんですね。反町隆史も及川光博も彼の前ではただの引き立て役に過ぎない。というある意味すごすぎる作品でしたね。

7年前の事件の真相、犯人の目的、犯人の正体・・・そこにたどり着くまでに事態が二転三転して、すごく面白かったですね。テロの標的となった、スポーツ選手団の凱旋パレードでの犯人との攻防も迫力がありました。
でも肝心の犯人の動機が・・・・、乱暴にもひと言でいうと「テロに無関心な、平和ボケの日本に喝を入れてやる」っていうのが弱い、っていうか、無理がありすぎない?というのが感想です。

せっかくスケールの大きい話なのに、そこがグダグダだと台無しだし、もっとしっかり作ってほしかった。
北村一輝演じる首筋にカラスのタトゥーの男も、「え・・・?」って感じだしね。

映画『僕らのごはんは明日で待っている』感想

夏にやっていたドラマ『HOPE』で主人公を演じた中島裕翔さんを見て、「泣き顔が美しいなぁ」とファンになったニワカです。
その中島裕翔さんが主演を務めた“うるきゅんラブストーリー”『僕らのごはんは明日で待ってる』を見てきました。(年をまたいでデート向け映画・・・。)
平日の午前中とはいえ、観客4人しかいなかったのですが、大丈夫か。



兄の死に心を閉ざし、周囲に無関心になってしまった葉山亮太は、高校の体育祭の米袋リレーでペアになった上村小春に告白されて付き合い始める。
ネガティブな亮太とは反対に明るくポジティブな小春。二人はよくケンタッキーを食べに行った。小春は好き嫌いが多かったが、「鶏肉は嫌いだけど、ケンタッキーは好き」
カーネルサンダースと握手すると勇気がもらえる、と亮太にも握手をするよう促すのだった。

二人は大学生になってからも交際を続けていた。
最初のころ彼女は自分のことを言いたがらなかったが、ある日、自分の母は妻子ある人の子供を産み、そして半年後いなくなったので自分は祖父母に育てられた、と自らの生い立ちを語った。だから結婚して子供を産み、幸せな家庭を築くのが夢なのだと。
その夢はきっと叶うと、二人は信じていた。

しかしある日、小春は亮太に一方的に別れを切り出す。
理由も言わずに「別れよう」という小春に納得がいかず、ショックで立ち直れない亮太に、彼に想いを寄せる少女・えみりが寄りそう。
えみりと付き合いながらも、それでも諦めきれない自分の想いに気づき、えみりに正直に自分の気持ちを話す。
「知ってた?亮太が『俺たち』って言うとき、それは亮太と上村さんのことなんだよ。私と亮太じゃなかった」

何度も小春に自分の想いを伝えるが、小春は取り付く島もない。ようやく言った別れの理由が、「おばあちゃんが反対したから。自分が家族のことで苦労しているのに、同じように家族のことで影のある人と付き合うなって」

月日は流れ、亮太は社会に出た。
仕事で卒業した大学の付近を歩いていたときに、小春が勤めている保育園の同僚に偶然出会う。そしてついに小春の隠していた真実を知る。
彼女は子宮の病気を患っていて、助かるには子宮を摘出するしかない。
急いで病院に駆けつけるも、彼女はけんもほろろに亮太を追い返した。

そして亮太は気づく。
子供の産めない自分は亮太と結婚できない。亮太に負担に思わせないために、祖母の言葉に事寄せて別れを告げたのだった。

手術当日。どうしていいかわからない、やりきれない思いを抱えた亮太は、二人でよくデートしたデパートの屋上の遊園地に足を向ける。そこの展望鏡から、病院の屋上にいる小春の姿が見えた。泣いていた。
「私が泣いているときは、相当弱っているときだから、絶対そばにいてね。」
昔彼女が言っていたことを思い出し、亮太はカーネルサンダース像を抱えて、彼女のもとへ走り出す――。


『僕は明日、昨日の君とデートする』や昨今のラブコメ映画のような派手な展開やキュンキュンな表現(壁ドンとか・・・)はありませんが、お互いがお互いを思い合う、見つめ合う目と目にこちらも頬が緩むような、そんな映画でした。

退院後、二人で家庭的な料理を出す店で食事をするのね。奥で老夫婦がなかよくお茶を飲んでたりして、この二人も将来こんなふうになるのかなと想像させるような。
このときの小春が、迷いも何もかもすべて洗い流したかのような表情で、清らかできれいでしたね。

中島さんも、相変わらずきれいでしたね、泣き顔。(←どんな変態やねん)
半年しか見ていないけど、この半年でグッと大人っぽくなった印象がありますね。

それとさ、最後にさ。
オバチャン、夢もへったくれもないけどさ。

遊園地に置いていった鞄の行方と、黙って持ち出したカーネルサンダースおじさんのその後が気になってしょうがなくて。

それにアンタ、仕事どうしたの?


公式ホームページ:http://bokugoha.com/#topPage

映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』感想

yanoschさまに代わって号泣するつもりで行った(ハンカチ用意して)けど、時系列がややこしくて、話に集中できなかった・・・。





公開2日目なのに、客の入りは半分くらいだったかな。ちょっと意外。

どうでもいいけど、
こんなデートムービーなのに、隣に座ったのが中学生男子二人組で、
小松菜奈のファンなの?福士蒼汰のファンなの?
デートのリハーサルなの?
それともあなたたちデートなの?


京都の美大に通う南山高寿(たかとし)は、電車の中で出会った若い女性に一目ぼれ。勇気を奮って声をかける。彼女の名は福寿愛美(えみ)。同じ20歳。
「また会える?」高寿がそう聞いたとたん、愛美は泣き出してしまう。

友人のアドバイスに従って高寿は愛美をデートに誘い、付き合い始める。

不思議と涙もろい愛美は、初めて名前で呼びあったときも、初めて手をつないだ日も泣きだした。

そして初めて結ばれた夜、彼女は自分の秘密を打ち明けたのだった。
彼女は別の世界の人間で、5年に一度、30日間だけ高寿の住む世界に来ることができる。しかし、彼女の住む世界では、時間は逆の方向に向かって流れている。
つまり、高寿の明日は、愛美にとっては昨日のことだというのだ。
愛美は、5歳の高寿とは35歳のときに、10歳の高寿とは30歳の時に会っている。
そして20歳に二人が出会ったときのことを、15歳のときに25歳の高寿から聞いたというのだ。



・・・私はね、愛美がタイムトラベラーとか歳をとらない人間とか想像していましたが、
題名がすべてを物語っていましたね。



そこで高寿はあることに気づく。
高寿にとって最初の出会いの日は、愛美にとって最後の別れの日。
高寿が不自然に思わないように、愛美が演技してくれていたのだったと。
一緒に時を過ごしていても想い出を共有できない。
それでも楽しそうに振る舞うエミが痛々しくて、辛くて、愛美にひどいことを言ったりしたが、愛美の方がもっと辛いことに気づき、それからは最後の日に向かって、できるだけ楽しい時間を過ごすようにした。

そして迎えた最後の日。愛美にとっては、初めて20歳の高寿に会う日・・・。

25歳の高寿は、15歳の愛美をわざわざ探し出したのだろうか。

15歳の愛美は、20歳のときに描かれた自分の絵を見て、これを描いた20歳の高寿に会いたくなった、とか言うのですが、
もうこの辺で頭がこんがらがってしまうのですよ。

ああーもう!


あらすじを書くとSFでシリアスですけど、内容はね、もうキュンキュンですよ。

最初モサくてキモオタ一歩手前の南山君が、恋を知り、どんどん綺麗になっていく。
恋人を見る目がすごーく、とろけそうなくらい優しいの。

ひたすら福士蒼汰と小松菜奈を愛でる映画でしたね。
あと、二人が行ったカフェとか行ってみたくなりました。

yanoschさまもこんなところでデートしたんですかね?

いいなぁ、京都、行こうかな!

映画『シン・ゴジラ』感想

この夏、予想外のヒットとなった『シン・ゴジラ』。遅まきながら見に行きましたよ。

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 2016年11月3日8時30分ごろ、東京湾羽田沖で大量の水蒸気が噴出、同時に海底を通る東京湾アクアラインでもトンネル崩落事故が発生。政府は原因を海底火山か熱水噴出孔の発生と見て対応を進める。


内閣官房副長官の矢口蘭堂(やぐち らんどう)は、ネットの画像や目撃情報から、いち早く巨大生物の存在を示唆するが、一笑に付される。しかし、間もなく巨大生物が蒲田に上陸する。
対処方針は「駆除」と決まり、政府は自衛隊に害獣駆除を目的とした出動を要請するが、付近に人の姿を認めたため攻撃できなかった。


巨大生物は北品川近くで直立し、二足歩行を始めるが、その後突然歩行を止め、東京湾へと姿を消す。上陸からたった2時間で、死者・行方不明者100名以上の被害が出た。
巨大生物の再度の襲来に備え、矢口を中心とした「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」が設置される。


被害地域で微量の放射線量の増加が確認され、巨大生物の行動経路と一致したことから、巨大生物が放射線源だと判明する。
米国より大統領特使パターソンが極秘で来日し、あの巨大生物が海洋投棄された放射性廃棄物により適応進化した生物であること、その研究していた牧悟郎という学者が「ゴジラ (Godzilla)」と命名していたこと、牧が残した謎の暗号化資料等が日本側に提供する。そしてそれと引き換えに、現在行方不明の牧を探してほしいと矢口に頼む。

ゴジラは体内で核エネルギーを作り出し、そこから生じる熱は血液循環によって発散しているため、血液循環を阻害すればゴジラは活動停止するはず――。
そう巨災対は仮定し、血液凝固剤の投与によってゴジラを凍結させる「矢口プラン」の検討を始める。

数日後、前回の倍近い大きさとなったゴジラが鎌倉市に再上陸した。ゴジラはそのまま北進し、武蔵小杉に至る。自衛隊は多摩川の河川敷に陣を敷き、ゴジラの都内進入を阻止しようとするが、あえなく突破されてしまう。

港区まで突き進んだゴジラに対し、自衛隊では歯が立たないということで、米軍がミサイル攻撃に踏み切る。しかしそれまでただ突き進むだけだったゴジラがその衝撃によってか、口や背中から火炎やビームを出しはじめ、総理大臣官邸から立川へ避難するところであった総理らが乗ったヘリコプターもその光線によって撃墜される。

東京を火の海にしたゴジラは、しかし突然東京駅構内で活動を停止する。

政府機能は立川に移転、総理大臣臨時代理も立てられ、矢口はゴジラ対策の特命担当大臣に任命される。

各種分析により、ゴジラの再活動の目安は2週間後と推測され、それまでに血液凝固剤が用意できなければ、国連軍による核攻撃が開始されることとなった。


しかし巨災対を中心とした日本の各組織の不眠不休の働きにより、血液凝固剤が用意でき、矢口プラン改め「ヤシオリ作戦」が決行される運びとなったが――。


「ヤシオリ」とは、『日本書紀』で須佐之男命(スサノオノミコト)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治するために造らせた「八塩折之酒」(ヤシオリノサケ)に由来するとのこと。
ゴジラをヤマタノオロチに見立てて、スサノオノミコトならぬ日本政府が退治する構図ですね。

観客は、「ゴジラ襲来=東日本大震災及び原発事故」という目で見ているから、当時のあの政府の大混乱ぶりを見ているから、慎重を期す余り会議を繰り返し、対策が後手後手になっている(本作の)政府の動きにリアリティを感じますね。
前例のない「巨大生物を攻撃する」ために、そのための法律をつくっちゃうところも、激しく日本的だと思いましたね。
自衛隊の扱いにしても、たった2人の市民のために、「自衛隊のミサイルを国民に向けることはできない」とせっかくの攻撃のチャンスを棒に振るなんて、他国では考えられないことでしょう。でもその決断の仕方に大半の日本人は納得してしまうんじゃないかな。

それはおいといても。
怪獣映画ですから、見所はゴジラそのものですね。


口からビーム!


背中からビーム!


尾っぽからビーム!

これですよ。
気持ちいいほどなぎ倒される都心の超高層ビル!


ゴジラに向かって走る無人の「在来線爆弾」!


あの東京駅でさえ、無残な姿に・・・。



ゴジラのあの動きは、狂言師・野村萬斎の動きをモーション・キャプチャーでトレースしたものだそうです。「人智を超えた存在」にふさわしい動きを、と考えた時に能狂言の動きを取り入れようということになったそうです。
先日、あるTV番組に初代ゴジラの中の人が出演していたのですが、その方が動きの研究をするために動物園で象などの大きな生き物の足の運びを見ていたら、たいていすり足だったそうです。それを真似してやってみたそうですが、後ですり足って能狂言と同じだということに気づいたとのこと。
60年の時を経て受け継がれる、すり足の伝統(笑)。
ゴジラの手(前脚)が上を向いているのは、萬斎師の案だそうです。

石原さとみ演じる、米国大統領特使パターソンも大受けでしたよ。

大物政治家の娘で、自身も「40代で大統領」を狙う才媛。祖母が日本人という設定で、英語交じりの日本語を話し、「ゴジラ」も「ガジィィラ (Godzilla)」と素晴らしい(笑)発音をします。

初対面で年上の矢口にもタメ口かつ高飛車な態度で話しかけて、わざとこういう設定なのか、と思うくらい典型的な「帰国子女」キャラを演じていましたね。


観る人を選ぶ映画かもしれないけれど、面白かったです。お勧めします。

(スーツ萌え女子も、見て損はないと思うぞ!)

DVD『リアリティのダンス』感想

2016年のスタートです。
今年最初の記事は、未完の大作映画『DUNE』の監督として有名なアレハンドロ・ホドロフスキーの自伝的映画。

自伝と言っても、リアリティと妄想が生々しく交差するような、そんな作品でした。


1920年代、アレハンドロは、ウクライナから移民してきた両親と軍事政権下のチリ、トコピージャで暮らしていた。

権威的で暴力的な共産主義者の父ハイメと、アレハンドロを自身の父の生まれ変わりと信じ、金髪のかつらをかぶらせる母サラ。

ロシア系ユダヤ人であるアレハンドロは肌が白く鼻が高かったため、学校でも「ピノキオ」といじめられ、世界と自分のはざまで苦しんでいた…。


ハイメは独裁者イバニェスの暗殺を企て、サンティアゴに向かう。仲間のアナキストと組んで犬の仮装コンテストに出場し、そこに出席するイバニェスを暗殺しようとするが、とっさにイバニェスをかばう。それが縁で、愛馬の飼育係となる。

イバニェスの馬好きを利用し彼に近づき、油断したところを殺すつもりだったが、彼の中に崇拝するスターリンと同じような資質を見出して、苦悩する。

暗殺に失敗し、その時のショックで手先が麻痺して強張ってしまう。
その後、記憶喪失になったりしながら各地を放浪する。
そんなある日、椅子職人ホセと出会い、彼の世話になるが、新しくできた教会に椅子を納品する仕事を終えた後、ホセは亡くなってしまう。
ハイメはホセが、帰りの旅費としてくれた金を、これで墓を作ってくれと牧師に渡す。
その後も放浪を続けていくうちに秘密警察に捕まり拷問を受ける。そしてイバニェスが亡命し、独裁政権は崩壊。ハイメは解放され、家に戻る。
一家がトコピージャを離れるところで、物語は終わる。


『DUNE』がどんな映画だか知らないんですが、このノリの映画なら、相当「怪作」になったでしょうね。
サーカス、フリークス、こびと、海辺の風景・・・。
それから、色彩の使い方が、とても鮮やか。アレハンドロの青い服と赤い靴、極彩色のサーカスとか。
『ブリキの太鼓』を思い出しましたね。あと鈴木清順とか。
こうした奇っ怪なデコレーションを取っ払えば、内容としては、大人の世界への過渡期にある少年の心情を描いた繊細な作品と言えましょう。

不安に揺れる少年に、ときに祖父のように、ときに死神のように、成長後の監督本人が寄り添います。
というか、父ハイメの成長物語、教養小説(ビルドゥングスロマーン)的な趣きもありますね。

そして、最後のクレジットを見て気がついたんですが。
ハイメを演じるのはブロンティス・ホドロフスキー、

アレハンドロを瞑想に導く行者役はクリストバル・ホドロフスキー、

アナキスト役はアダン・ホドロフスキー。
いずれも監督の息子だそうで、「なんだ、この家内制手工業的な」と笑っちゃったけど、ファミリーヒストリーを語るには、最適な配役だったのかもしれませんね。

母サラがほとんど全編オペラ調で台詞を言いますが、オペラ歌手志望だった監督の母を投影しているそうです。

公式ホームページ:http://www.uplink.co.jp/dance/

DVD『陽だまりハウスでマラソンを』感想

原題は『Sein letztes Rennen 彼の最後の走り』。
またもや元気老人の映画です。
























1956年のメルボルン五輪、マラソン競技で金メダルを獲得し、「走る伝説」と呼ばれたパウル・アヴァホフ。しかし半世紀以上たった今、その選手人生を公私で支えた妻マーゴの病気をきっかけに、夫婦で老人ホームに入居する。

子供だましで退屈なレクリエーション、型にはめたがる療法士、仕切り屋の入居者にうんざりしたパウルは、何十年ぶりかのランニングをホームの庭で再開する。

目標はベルリン・マラソン。最初は冷ややかに見ていた入居者たちも、彼を応援するようになる。

しかしパウルの言動を、「妻を失う恐れから情緒不安定になっている」「老人性うつ病のせい」と決めつけた療法士が彼を精神科の医師に診せたことに怒り、マーゴを連れて施設を飛び出す。
CAとして世界中を飛び回っている娘の家に転がり込み、マーゴとともにマラソンの練習に励むが、マーゴは病気が進行し、帰らぬ人となる。
抜け殻のようになって街を彷徨っているところを保護され、パウルは施設に戻る。しかし妻を失った悲しみから錯乱状態になり、壁に頭を叩きつけるなどの自傷行為をしたことから、鎮静剤を打たれ拘束されてしまう。
そんなパウルの姿を見た、(彼をかつてうんざりさせた)入居者の一人が一計を案じ・・・。


この映画では、元気老人だけでなく、主人公を取り巻く周囲の人々のこともちゃんと描いています。
介護の必要な親を抱え、仕事も忙しい娘。死を目の前にした高齢者たちを助けてあげたいという使命に燃える療法士。規則や制限づくめの介護に疑問をもっている介護士。
歌ったり、栗で人形を作ったり、幼稚なレクなのは認めるよ、でも予算も人手もないんだろうな。
なり手がいなくてタイ人やポーランド人を雇っている、ってセリフもあったし。
ドイツの介護事情も、インドネシアから介護要員を募っている日本と一緒ですね。
ほのぼのした邦題やDVDのパッケージのデザインで想像されるものと違って、内容はかなり世知辛いです。


介護する側からすれば、事故や面倒を恐れて規則で縛り拘束も辞さないのでしょうが、そんな窮屈な生活を強いられている入居者たちには、パウルは今でもヒーロー。

「ここは人生の終着駅だ、終の棲家なんだ」なんて諦めを言っていても、心のなかでは、自分らしく生きたいと思っている。

ベルリン・マラソンでゴールする彼を見に行こう、と療法士を閉じ込め、街に飛び出す入居者たちの楽しそうなことと言ったら!
やっぱりこういうのが大切だな~、と思いましたよ。

ベルリン・マラソンが題材ということで、画面の随所にベルリンの風物が出てきて――あ、クーダムのクランツラーの前だ~とか、テレビ塔だ~、とかブランデンブルク門だ~、と、ベルリン好きには楽しい映画でした。

DVD『鑑定士と顔のない依頼人』感想


一流の美術鑑定士にして、世界的に有名なオークショニア(オークションを仕切る人)であるヴァージル。画家崩れのビリーと組んで、オークションに出てきた掘り出し物を不正に入手してきた。そして、そうやって集めた女性の肖像画ばかりを飾った隠し部屋で過ごすのが、彼の至福の一時だった。

そんな彼のもとに舞い込んだ鑑定の依頼。資産家の娘クレアが両親の遺品の美術品や家財道具を査定して欲しいと連絡してきたが、電話越しや壁越しに話すばかりで一度も姿を現さない。

次第に、クレアが極度の広場恐怖症で、15歳の時から一度も家の外に出たことがないということがわかってくる。
そんな彼女に、潔癖症で人間嫌いの自分を重ね、興味を持ち始めたヴァ―ジルは、隠れて彼女の姿を垣間見、その美しさに心奪われる。仕事仲間の修理屋ロバートのアドバイスに従って、ドレスや花を贈り、少しずつアプローチするヴァ―ジル。次第にクレアもヴァ―ジルに心を開き始めるが、その矢先、彼女は姿を消す。心配のあまりオークションの仕事でも失態を演じるヴァ―ジル。別の隠し部屋に隠れていたことを突き止め、二人は結ばれる。

ある雨の夜、ヴァ―ジルは彼女の家の前で暴漢に襲われる。瀕死のヴァ―ジルを目にしたクレアは、家から飛び出し、周囲に助けを求める。

クレアとの結婚を決意したヴァ―ジルは、次のロンドンでのオークションを最後に、仕事を引退すると表明。しかしロンドンから戻ると、クレアはいなくなっていた。隠し部屋の肖像画も一枚残らず消えていた。

つまりね、ビリーも、クレアも、ロバートもみんなグルだったんですよ。
首謀者はおそらくビリーで、自分の才能を認めてくれないヴァ―ジルを恨んで(高名なヴァ―ジルが売り込んでさえくれれば・・・とか)、ギャフンと(←死語)言わせるために仕組んだ大掛かりなペテン。
クレア自身も偽物で、本当のクレアは、向かいのカフェに住む小人の女性でした。一人で住むには大きすぎるそのヴィラを、よく映画関係者に貸し出していた、というから、ビリーたちも「映画の撮影で」とか何とか言って家具類を持ち込んだのでしょう。偽クレアは、ロバートのガールフレンドの一人で。
友に裏切られ、恋も嘘、秘蔵のコレクションも奪われたヴァ―ジルは廃人同様になって病院に入れられた。かつての部下が郵便物を持ってきても無反応。

続く回想シーンで、ヴァ―ジルは彼女の思い出話にあった、プラハのレストランを訪れます。ウェイターに一人かと聞かれ、未練たっぷりに「連れを待っている――」と答えるのですが、
私は、待ち続け、待ち続けた果てに病院に入るほど心が折れてしまったのだと思ったのですが、

あれはヴァ―ジルの妄想で、妄想の中でクレアを待ち続けている、という解釈もあるようですね。
「顔のない依頼人」の正体を明かすドラマだと思っていたけど、けっこう手の込んだミステリーだったんでびっくり。
最後がわかりにくかったけど・・・。

ところで、トルナトーレ監督の作品って、『マレーナ』や『題名のない子守唄』でもそうでしたけど、なんというか、ブラックですよね。

ウッディ・アレンのほうが、まだ人間に対してあたたかい見方をしている感じがしますね。
トルナトーレ作品=「心打つ感動の物語!」的なイメージがあったので、面喰いましたよ。


公式ホームページ:http://kanteishi.gaga.ne.jp/index.html

DVD『ブルージャスミン』感想

『欲望という名の電車』をウッディ・アレンがリメイク。


 かつてニューヨーク・セレブリティ界の花と謳われたジャスミン。しかし、今や裕福でハンサムな実業家のハルとの結婚生活も資産もすべて失い、心を病んでいた。夫のハルは詐欺まがいの行為で金儲けをしていて、それがバレて逮捕され、服役中に自殺したのだった。そのため、妹のジンジャーを頼ってサンフランシスコにやってきた。
 庶民的なシングルマザーである妹ジンジャーの質素なアパートに身を寄せたジャスミンだったが、ジンジャーの恋人チリとも折り合いが悪く、言い争いばかり。思いつきでインテリア・デザイナーの資格を取ろうとするが、不慣れな仕事と勉強に疲れ果て、精神のバランスを崩してしまう。

 しかし友だちに誘われて行ったパーティで、理想的なエリート外交官の独身男性ドワイトと出会う。ジャスミンは、「外科医の夫を亡くしたばかりのインテリア・デザイナー」と嘘をつき、ドワイトの興味を引く。

ドワイトからプロポーズされるが、指輪を買いに行った店の前でジンジャーの元夫オーギーに偶然出会い、全てを暴露される。オーギーもまたハルの詐欺の被害者で、それがもとでジンジャー夫婦は別れたのだった。

夫の仕事の危うさを知りながら、今の生活を壊したくないから「見て見ぬふり」をしてきたジャスミン。それが夫の浮気を知り、発作的にFBIに電話して自らの手で壊してしまう。
(夫の浮気相手が10代の留学生ということで、自分の養女と結婚したウッディ・アレン自身のことを思い起こしますね。)
お金もなく、学歴も大学中退、仕事を何もしてこなかった女ができることなんてたかが知れている。なのにセレブ気分が抜けきらず、「大学に戻る」だの「下働きなんて死んでもいや」とか、贅沢言ってばかり。
落ちぶれてもブランド品を着続けたジャスミン。新しく服を買うお金がない、というより過去の栄光にしがみつく姿をあらわしているのでしょうね。さすがセレブ、肌の色に映えるセンスの良い服ばかり。とくにパーティのときに着ていた、ベージュのカーディガンがかわいかったな。

ラスト、ドワイトに捨てられ、ジンジャーのアパートからも着の身着のまま飛び出す。大声で独り言を言いながら、これからどうするのか・・・。

ケイト・ブランシェット、セレブのころの輝く笑顔と、落ちぶれて精神的にもヤバくなって目のすわった表情の落差がすごい!
現在のシーンと回想シーンも、この対比があるからごっちゃになることなく見られます。
妹のジンジャーも、姉妹と言っても同じ里親の元で育てられた里子どうし、しかも自分たち夫婦を破産させた姉を、病気だからと受け入れてあげるおおらかさ。男関係もユルいこの女の役を、サリー・ホーキンスが下品になることなく演じて味がありましたね。

「私にふさわしい仕事があるはず」「私がこんな目にあっていいはずがない」と、現実逃避をしてプライドと嘘で完全武装する心境、誰にも覚えがあるはず。行き過ぎると、ジャスミンみたいに自己が崩壊してしまうのでしょう。

語り口は軽妙なんで笑ってみられますが、相当ヘヴィーな話でした。

公式ホームページ:http://blue-jasmine.jp/

DVD『おじいちゃんの里帰り』感想


1960年代半ば、労働力不足に悩むドイツは、トルコなどから数多くの移民を受け入れた。フセイン・イルマズもその一人。100万1人目の「外国人労働者Gastarbeiter」としてやってきて、後には家族も呼び寄せた。 気がつけば50年もの間故郷には帰っておらず、フセインは70代を迎え、イルマズ家は大所帯になっていた。

ある日、フセインは「故郷の村に家を買ったので、休暇はそこに家族皆で行こう」と言い出す。皆は反対するが、並々ならぬ彼の熱意を前に折れる。3000キロも離れたトルコの村へ向け、一同は出発する……。

故郷の村へ向かう道すがら、孫娘のチャナンが思い出話を話す、という形で家族の歴史が回想シーンとして挿入されます。

それはそのまま、トルコ移民の典型的なファミリーヒストリーだったんでしょうね。 ドイツ語も話せないままやってきて、パン1つ買うのにも悪戦苦闘。そのうちクリスマスや水洗トイレに慣れ、もう以前の暮らしには戻れなくなる。ドイツに根付いて、中にはドイツ人と結婚する者も出てくる。

フセインの孫息子チェンクの母はドイツ人ですが、チェンクは「僕はどっちの国の人間なんだろう」と頭を悩ませています。 旅の途中で、物売りの少年に出会いますが、トルコ語をほとんどしゃべれないチェンクは、少年とコミュニケーションが取れない。少年の方が、「僕ドイツ語話せるよ」と言って合わせてくれる。(この子にもドイツに出稼ぎに行った身内がいるのかな~、なんて思いました。)

物語の中盤でフセインは帰らぬ人となりますが、彼は自分の死期を悟っていたから、家族を誘ってトルコに旅立ったのか。 いや、ただ自分たちのルーツを、家(といってよいものか(笑))から見えるあの風景をもう一度見せたかっただけなんだろうな。 何らかの兆候はあったのかもしれないけど。

葬儀のシーン、現在の家族と50年前の子供時代の彼らがともにいて、とてもファンタジックに思いましたね。

この映画の原題は「Almanya - Willkommen in Deutschland」。「ドイツへようこそ」当時そう言って迎え入れられた外国人労働者ですが、文化の違いや差別など、今では社会問題となっています。

映画の最後のクレジットでマックス・フリッシュの「我々は労働力を呼んだが、来たのは人間だった」という言葉を引用していますが、用が済んだら邪魔者扱い・・・それはひどい。 ドイツとトルコ、なかよく共存していきましょう、という監督のメッセージがこめられた映画でした。


公式ホームページ:http://www.almanya-film.de/(独)

DVD『リスボンに誘われて』感想

世界的ベストセラーとなった『リスボンへの夜行列車』の映画化。(あらすじ・感想はこちらから)


スイスのベルンの高校で古典を教えるライムント・グレゴリウスは、学校に行く途中の橋の上で、若い女性が身投げしようとするのを止める。彼女は学校までついてきたが、赤いコートを残して教室を出ていく。 授業を投げ出して彼女を追うライムントだったが、彼女のコートのポケットから出てきた本の内容に衝撃を受ける。ポルトガル語で書かれたその本に挟まっていた切符の行先はリスボン。ライムントは衝動的にその夜行列車に飛び乗る。

原作では確か、身投げしようとしていた若い女性のつぶやきがきっかけで古書店を訪れ、プラド医師の本と出会うという始まりでしたが、映画ではよりドラマチックな展開。 (しかもその女性が、プラドが抵抗運動に身を投じるきっかけとなった、秘密警察の将校の孫だったというオマケ付き。)

それから、

原作を読んでて、プラドが生きる屍のようになってしまったのは女のためとわかって興醒めしたのですが、全てを捨ててきて「これからどうしよう」というときに、「アマゾンにでも行って二人で暮らそう」なんて言われたら、「自分のことをわかってほしい、自分の気持ちを分かち合ってほしい」と言われたら、革命に生きるエステファニアのような女でなくても、「一緒にはいられない」となりますよね。

プラド自身、夢みたいなことを言ってしまうほど、人生に疲れていたんだろうけど…。

私のイメージでは、ライムントはパスカル・グレゴリーでしたが、ジェレミー・アイアンズもはまっていましたね。適度に枯れてて。

それになんか見たことがある人ばっかり~、と思ったら、その他の俳優陣も豪華。

ライムントが感銘を受けたアマデウ・デ・プラドこそ駆け出し俳優って感じの人でしたが、 プラドの親友で恋敵の若き日のジョルジェにはアウグスト・ディール、年老いた現在のジョルジェにはブルーノ・ガンツ。
二人の決裂の原因となる美女エステファニアには、メラニー・ロラン→レナ・オリン。
プラドの妹にはシャーロット・ランプリング。
ライムントの眼鏡が壊れて新しいのを作りに行った眼科医にマルティナ・ゲデック。

リスボンの街並みが美しくて、私も旅立ちたくなりました。

公式ホームページ:http://www.lisbon-movie.com/

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