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映画・テレビ

映画『彼の愛したケーキ職人』感想

新型コロナウイルスの勢いは衰えを知らず、現在とくにNYで猛威をふるっています。

あれが2週間後の日本の姿だと言われますが、正直実感がわかない・・・。

それより布マスク2枚とか訳わかりません。

 

外出自粛しているので、家で、Amazonprimeで映画をみました。

ベルリンが舞台なので、大聖堂やジーゲスゾイレとか見慣れた風景が映し出されてて・・・

あー、ベルリンに行きたい!

 


ベルリンでカフェを営むパティシエのトーマスは、エルサレムから出張で来る客のオーレンといつしか恋仲に。しかし妻子の待つエルサレムに戻ったあと音信不通になる。
オーレンが事故死したと知ったトーマスはエルサレムに行き、オーレンの妻アナトが営むカフェで正体を隠して働き出す。

オーレンの兄のモティは、ドイツ人を雇うとコーシェル(ユダヤ教の食事規定)の認定を取り消されるぞ、といい顔をしなかったが、アナトはトーマスの作ったクッキーのおいしさに魅了され、コーシェルを守りながら、彼のケーキを見せに出し始める。彼のケーキは評判を呼び、カフェは繁盛する。
アナトはトーマスを自宅での食事に招待したり、モティも軟化し、トーマスのためにアパートを世話したりした。

アナトは夫の遺品を調べていくうちに、特定のカフェのレシートが多いことに気づく。ベルリンからやってきた、菓子作りのうまい青年・・・。夫と何か関わりがあるのかと疑念を抱くが、トーマスは否定する。

夫を失った悲しさ、子育てとカフェの仕事に疲れきっていたアナトは、ついにトーマスに身を投げ出す。トーマスはオーレンとの情事を思い出しながら彼の妻を抱く。
そして、オーレンが妻子を捨ててベルリンに移住し恋人と暮らすと言ったこと、アナトに家から追い出された彼がホテルに行く途中で交通事故にあったことを知るのだった。

カフェのコーシェルの認定が取り消された。狼狽するアナトだったが、トーマスの残したメモの字を見てあることを思い出し家に戻る。
オーレンの遺品の中の手書きのメモの字と一致した。そして携帯電話に残された留守電のメッセージの主は・・・トーマスだった。

 

トーマスがアナトに近づいたのは何のためだったのか。

自分の知らないオーレンを知りたい。それからオーレンが彼女のことをどれくらい愛していたのかを知りたかったんじゃないかな。
それと同じ男を愛し、そして失ったもの同士で悲しみを分け合いたかった・・・
トーマスの一方的な想いだけど・・・


アナトは、オーレンのベルリンにいる恋人が男性と知っていたのか?

英語でSomeone(だれか)と言っていたけど、

ヘブライ語も男性名詞・女性名詞があるし、「彼」と「彼女」は違う発音みたいだからわかっていたんだろうな。でもまさか本人が来るとは思っていなかっただろうけど。

あとこの映画で興味深かったのは、コーシェルのことですね。

イスラム教でいうところの「ハラール」といっしょで、ユダヤ教でも食材料や調理方法などにいろいろな規定があるそうです。豚肉はだめだとか、肉と乳製品を一緒に食べてはいけないとか、あと非ユダヤ人が調理したものもダメなようです。

ユダヤ教はいろいろ戒律があるので、調べてみると面白いかもしれない。

 

 

公式ホームページ:https://cakemaker.espace-sarou.com/

映画『裏切りのサーカス』感想

新型コロナウイルスの影響で、外出自粛など日常生活がいろいろ制限を受けている今日この頃ですが、

文句言っててもしょうがないので、手洗いうがいなどできることをするしかないですね。

 

さて。

 

 

 


時は東西冷戦下。英国諜報機関(通称サーカス)の長官であるコントロールは、内部にソ連情報部の二重スパイ「もぐら」がいることを確信。部下のジム・プリドーをハンガリーに送り込んだが、作戦は失敗。責任をとってコントロールと彼の右腕であったジョージ・スマイリーは引退を余儀なくされる。

しかしスマイリーは、レイコン外交事務次官から「もぐら」探しの要請を受け、ピーター・ギラムらとともに調査を始めたが・・・。


原題は『Tinker Tailor Soldier Spy』で、“Tinker Tailor Soldier” の部分はマザー・グースの唄の一つですが、それはコントロールが「もぐら」と疑わしき幹部たちにつけたコードネームなんですね。

Tailor(仕立て屋)とつけられた幹部のビル・ヘイドン役をやったはコリン・ファースなんですが、同じくスパイ映画の『キングスマン』でも、表の顔はテイラーをやっていましたね。なんという偶然。
そして『キングスマン』で同僚の「マーリン」を演じていたのが、この映画でジム・プリドーを演じたマーク・ストロング。ここでも二人は実はつながっていた、というのがおいおいわかってきます。

ハンガリーで死んだはずのジム・プリドーが、エリスという偽名で小学校教師をしていたことが判明。彼を呼び戻したのがヘイドンで、彼こそが「もぐら」だったということがわかる。他の幹部も多かれ少なかれ関与しており、彼らが一掃された誰もいない幹部室で、スマイリーが長官の席に座るラストシーンが感慨深いです。

重厚で抑えた色調の画面、むごたらしい暗殺シーンでも粛々と(バスタブの中で腸が引きずり出されているという場面でも、いっそ宗教画かというほど静謐な雰囲気)映し出され、70年代のレトロなセットも、素晴らしくスタイリッシュ・・・(語彙力なくてごめんなさい)。

筋も、登場人物が多いので最初ややこしいですが、わかれば、「ああ、これがこうつながるのか」という感じです。

配役も、ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース等豪華で見ごたえありました。

ド派手なスパイアクションはありませんが、じっくりと雰囲気となぞ解きを楽しみたい方は是非。

映画「ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち」感想

1939年、ナチス・ドイツの魔の手が迫るチェコからユダヤ人の子どもを脱出させた、「キンダートランスポート(子どもの移送)」を決行したニコラス・ウィントン。その中心となった人物は長らく忘れ去られていたが、1988年、当時の記録が発見され再注目された。
この映画は、ウィントンと彼に助けられた子どもたちのインタヴューを中心にした、感動のドキュメンタリーです。


 


1938年、イギリスのビジネスマンのウィントンは、一緒にスイスにスキーに行くはずだった知人に「チェコの難民支援活動が忙しくて行けない」と言われたことから、自身もプラハに飛ぶ。

裕福なイギリス人が来たという噂は瞬く間に広まり、「せめて子どもだけでも逃げして」と、多くのユダヤ人が宿泊しているホテルに詰めかけた。
ウィントンは、あらゆる国に支援要請の手紙をだしたが、受け入れを認めてくれたのは、彼の母国イギリスだけだった。

ウィントンは救援委員会を立ち上げて、新聞広告を出しての里親募集など、受け入れに必要な手配をした。そして1939年、最初の移送が行われた。プラハを出発してドイツを横切り、オランダのフーク・ヴァン・ホラント港から船に乗り北海を渡ってイギリスへ。リヴァプール・ストリート駅で、子供たちは里親と引き合わされた。

戦後ウィントンは、子供たちと連絡をとることはせず、移送に関わったことすら伏せていた。子どもたちも、恩人の名すら知らなかった。

家の屋根裏部屋に忘れ去られたように置いてあった記録や写真に気づいたのは、妻のグレタだった。彼女はそれをあちこちに持ち込み、それに興味を持った歴史学者のE・マクスウェルが名簿に載っていた全員に手紙を送ったところ、約250人から返事があった。そしてついに1988年、BBCにより特集番組が作られ、「キンダートランスポート」について50年ぶりに世に知られるようになったのだ。

番組により再会した子どもたちとの交流はその後も続き、2009年には当時と同じルートをたどる列車の旅も企画された。

映画では、ウィントンの行動に感銘を受けた、現代の学生や児童などのボランティアの取り組みも紹介されている。

 

ゼーバルトの『アウステルリッツ』でキンダートランスポートのことを知りましたが、一人の若い資産家が、まるで成り行きのようにーーと言ったら語弊があるがーー始めた活動だったとは初めて知りました。

フェンシングやスキーを愛する29歳の若者が、現状を目の当たりにし、「困っている人がいるから助けなきゃ」と、ただそれだけの動機で立ち上がった。(映画はいろいろ端折っているのでそう見えているだけかもしれませんが。)

救援委員会といっても彼とその秘書だけ、オフィスは自宅、いつ開戦してもおかしくないという状況下で、700人もの子どもたちをすみやかに国外脱出させ、里親希望の家庭には人をやって調査させて、信用のおける家庭にしか許可しなかったとか、子どもたちのことも考えてあげる徹底ぶり。

志だけでなく、よほど実務能力が高くないと実現できなかったと思います。

しかも戦後は子どもたちと連絡をとることもなく、関わったこともずっと伏せていた。普通なら美談として知れ渡っていてもおかしくないのに・・・。

こういうのが本当の博愛精神というか、「ノブレス・オブリージュ」っていうんでしょうね。

 

 

 

映画「永遠のジャンゴ」感想


 

1943年、ドイツ軍占領下のフランス。ミュージシャンとして絶大な人気を誇るジャンゴは、パリの有名なミュージック・ホールでナチスに抑圧された市民たちを熱狂させていた。その人気に目をつけたナチスは、ジャンゴのドイツでの公演を計画していた。

しかしユダヤ人狩りやロマへの迫害など、街に不穏な空気が流れ始め、身の危険を感じたジャンゴは、愛人ルイーズの手引きで、スイスへの逃亡を決意。年老いた母親や身重の妻とともにレマン湖の畔の町トノン=レ=バンに移り住む。

とはいえスイスへの亡命を手助けしてくれるはずのレジスタンス組織からのGOサインが出ずに、トノンの街で足踏み状態。ジャンゴは、仲間と街のレストランで演奏する傍ら、教会のパイプオルガンで作曲する日々を送っていた。

しかしレストランで騒ぎを起こし、地元に駐留するナチス幹部に見つかる。目をつぶる代わりにパーティで演奏することを言い渡される。しかもそれに乗じてある負傷したイギリス兵を逃がすから目を惹きつけておいてほしいと、レジスタンスから頼まれる。2か月も待たされた挙句のその言草に絶望しながらも、「次は自分たち」と約束させる。

パーティはしめやかに進んだが、ジャンゴらの音楽に陶酔して、次第に乱痴気騒ぎの様相に。怒ったナチス幹部は、ジャンゴらを叩きだし、ジプシーたちのキャンプを焼き討ちにする。

ジャンゴは、母と身重の妻と別れ、山を越える。

場面変わって、1945年。教会でジャンゴが作曲したレクイエムが演奏される___。


ロマ音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィングの創始者として知られる、ジャンゴ・ラインハルトの第二次世界大戦中の数年間を描いた作品。

私この時代の音楽好きでね~、演奏シーンは楽しかった。

でも映画としては、面白いかと言われたら微妙な感じ。

まず愛人ルイーズが何者かよくわからなくてスッキリしない。

「モンパルナスの夜の女王」と紹介されたかと思えば、ナチス幹部とお近づきになっているし、レジスタンスともつながっているようだし・・・。昔ジャンゴたちをひどい目にあわせたらしいし・・・。

まだパリにいるときに、ジャンゴは警察に呼び出され、写真を撮られ、顔の長さを計測されます。昔の火事がもとで手に残った障害を、「近親交配による先天性のものだろう」と決めつけるナチスの医者。うわぁ、っていうか、ほんとにこんな滑稽なこと言っていたんですね。

 

最後に流れる「レクイエム」、楽譜の大半が失われていて、残った一部分をもとに再現したものだそうですが、印象に残る楽曲でした。

ジャンゴを題材に映画をつくるのに、なぜ華々しい、その演奏を前面に出した映画にしなくて、この悲惨な時期を取り上げたのだろうと思ったのですが、

そうか、このジャンゴのレクイエムを世に出すため、と考えたら、なんとなく腑に落ちました。

 

 

 

映画『希望の灯り』感想

『ありがとう、トニ・エルドマン』でキャリアウーマンだった彼女が、本作ではしがないパート主婦で登場。

 


 

 

旧東独地域のライプツィヒ郊外にある巨大スーパーマーケットで、在庫管理係として採用された無口な青年クリスティアン。

飲料担当のブルーノに、仕事のことやフォークリフトの操縦を教わりながら少しづつ職場に慣れていく。

スーパーのある場所は、統一前は長距離トラックの配送センターで、ブルーノやほかのスーパーの仲間たちもトラックの運転手だった。
スーパーになった後も彼らはそこに残り、今ではトラックではなくてフォークリフトを乗り回す毎日だった。

ある日クリスティアンは休憩所で、従業員仲間の年上の女性マリオンと言葉を交わす。一目で恋に堕ちるが、彼女には夫がいた。落ち込み、昔の悪い仲間たちと酒をあおって、翌日遅刻してブルーノに注意される。

クリスマスの夜、スーパーでは、倉庫の裏で従業員たちが集まってささやかなパーティをしていた。そこに顔を出すマリオン。二人は寄り添いながら、クリスティアンが以前は建設現場で働いていたことなどを話す。

年開けて、なんだかマリオンがよそよそしい。「俺のせい・・・?」「なんでも自分に関係あると思わないで!」
しばらくして、マリオンの姿がスーパーから消えた。病気で休んでいるらしい。ブルーノから、彼女が夫から大切にされていないこと、手をあげられることもあると聞き、こっそり見舞に行く。
しばらくしてマリオンが復帰する。彼女は、こっそり来た人物が誰かわかっていた。

仕事帰り、クリスティアンはブルーノに自宅に飲みに誘われる。高速沿いの家に一人で住んでいた。通り過ぎるトラックを目の当たりにしながら、「トラックが懐かしい・・・」とブルーノは泣いた。

後日クリスティアンは、ブルーノが首を吊って命を絶ったことを知らされる。

 

折りしも今年は壁崩壊(Der Maurfall)を迎えて30周年ですが、西部と東部では今でも経済格差があり、DDR時代を懐かしむ人は少なくないようです。(東(Ost)と郷愁(Nostalgy)をかけて、「オスタルジーOstalgy」という言い方があるくらいです。)

ブルーノもこのオスタルジーに囚われ、将来を悲観して自殺したのでしょう。

クリスティアンは、普段長袖の服で隠していますが、手首の先までタトゥーをいれています。それを見てブルーノは、クリスティアンが刑務所にいたことを見抜くのですが、私も以前見た『イースタン・プロミス』という映画で、ロシアのどこの刑務所にいたのかがタトゥーの柄でわかる、というエピソードがあったので、最初からそれに気づきましたね(笑)。

ならず者だった彼が、父親のような年の同僚たちに受け入れられ、仕事も覚えてフォークリフトの試験にも合格し、スーパーのバックヤードに居場所を見つけた。好意を寄せる女性もいて、笑い返してくれる。このささやかな「幸せ」を、観客はクリスティアンとともにかみしめる。

ブルーノの自死という悲しい出来事はあったけれど、それでも日々は過ぎていく。スーパーにともる灯りは、生きるための「希望の灯り」なのだ。

 

映画『ありがとう、トニ・エルドマン』感想

 


 



変わり者のヴィンフリートの娘・イネスはコンサルタント会社で働くキャリアウーマン。たまに休暇で家に戻っても、イネスは仕事の電話ばかりで、ろくに話すこともできない。そんな娘を心配したヴィンフリートは、愛犬の死をきっかけに、彼女が働くブカレストへ。イネスは父の突然の訪問に驚くも、何とか数日間を一緒に過ごすが、仕事の邪魔になるのでドイツに帰らせる。

ホッとしたのも束の間、彼女の前に、下手な変装をして<トニ・エルドマン>と名乗る父が現れる。レストラン、職場、パーティー会場──行く先々で現れ、胡散臭い姿とジョークで周囲を振り回す父に、イネスのイライラもつのるばかり・・・。

不器用な親子。

父親の気持ちも娘の気持ちもわかる・・・。

大口のプロジェクトを抱え、しかも交渉が難航しているイネスは、張りつめた糸が今にも切れる寸前という精神状態。そんなイネスに、「幸せの意味は?」「ユーモアを忘れるな」と説くが、それがかえって彼女を苛立たせ、追いつめる。

自立した大人の女性なのに、父の前では「子どもの自分」が反応してしまう。

イネスがなんだかんだ言って、「トニ・エルドマン」を連れまわしたのも、自分の見ていないところでなんかやらかされちゃ困る、というのもあったけれど、そばで見守っていてほしい、というのもあったんじゃないかな。

そのバランスが崩れたのが、彼女の誕生日に「チームの結束を強めるために」と開いたホームパーティ。
なんと彼女は、同僚たちの前で服を脱ぎ捨て、「裸でパーティしましょう」と提案する。
戸惑う同僚たち。彼女自身も涙目。

そこへ毛むくじゃらの着ぐるみを着た者が現れる。同僚によると、「ブルガリアの魔除けになる生き物」だそう。それは、すぐに家を出ていった。一言も発しないが、うすうす父だと察していたイネスは、同僚を家に残して追いかけ、抱きしめる。


とくに大きな事件があるわけでもない3時間近い映画でしたが、あれ、そんな長い映画だった?って感じ。それを気づかせないのは、役者の演技力のおかげでしょうね。

裸で置き去りにされた同僚たちはどうなったの?

あのあと転職したみたいだけど、そのせいで辞めたの?

プロジェクトはどうなったの?

と、そんな疑問も残りますが、いい作品でした。

 

「ブルガリアの魔除け」は、「クケリ」という春の訪れを祝うお祭りに登場するそうで、鳥や獣を模したコスチュームは地域によって違うそうです。

家々を回って厄払いをするというから、日本だと、なまはげに似ていますね。

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『ベルリン 天使の詩』の名優、ブルーノ・ガンツ氏が死去

『ベルリン 天使の詩』『ヒトラー 最期の12日間』などで知られる、スイスの名優、ブルーノ・ガンツさんが、2月15日、チューリヒの自宅でお亡くなりになりました。死因は大腸がんとのこと。77歳でした。
以下、「ブランクフルター・アルゲマイネ」紙の記事です。


    Schauspieler Bruno Ganz ist tot

    Schauspielerbrunoganz


    Er war einer der Größten seiner Zunft – im Theater und im Kino. Er arbeitete mit den bedeutendsten Regisseuren zusammen und prägte klassische und zeitgenössische Rollen. Nun ist der Schauspieler Bruno Ganz im Alter von 77 Jahren verstorben.
    彼は、彼の属する業界のなかで、もっとも偉大なる存在だった――舞台そして映画で。
    最も重要な監督たちと共に仕事をし、古典的な役や現代的な役を演じた。そして今、俳優ブルーノ・ガンツは77歳で亡くなった。
    https://www.faz.net/aktuell/feuilleton/schauspieler-bruno-ganz-ist-tot-16044461.html


    日本でドイツ映画といえばブルーノ・ガンツ、というくらい、有名な俳優でした。
    『ヒトラー 最期の12日間』なんて、映画館で3回も見たよ。

    余命宣告された作家役の『永遠と一日』を見て、テオ・アンゲロプーロス監督作品のファンになったし。

    最近では、『ハイジ』のおんじ役もやったんですね。

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    ラース・フォン・トリアー監督の『The House That Jack Built』(連続殺人犯が主人公で、去年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、100人以上の退席者を出したという問題作)にも出ていたとか。ガンツさんの役はVergeという名の謎の老人らしい。



    『ベルリン 天使の詩』のサウンドトラック、一番最初にペーター・ハントケの詩“Als das Kind Kind war(子どもが子供だった頃)”を朗読する彼の声が入っていますが、素晴らしく美しいからぜひ聴いてほしい。




    ご冥福をお祈りします。

    DVD『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』感想

    年末はアイヒマン祭りだ!(←どんな祭りだよ・・・)

    1961年、イスラエルのエルサレムでは、歴史的な裁判が開かれようとしていた。被告は、アドルフ・アイヒマン。第二次世界大戦下のナチスの親衛隊の将校であり、“ユダヤ人問題の最終的解決”、つまりナチスによるユダヤ人絶滅計画(ホロコースト)を推進した責任者である。15年による逃亡生活の果て、アルゼンチンで身柄を拘束されたアイヒマンは、イスラエルに移送されエルサレムの法廷で裁かれることになった。
    このテレビ放映権を獲得したのが、アメリカの若き敏腕プロデューサー、ミルトン・フルックマンである。「ナチスがユダヤ人になにをしたのか、世界に見せよう。そのためにTVを使おう」(あらすじは公式サイトより引用)


    ミルトンが監督に起用したのは、才能があるにもかかわらず、マッカーシズム(1950年代に猛威を振るったアメリカの反共産主義に基づく社会運動)の煽りで職を失っていたユダヤ系米国人ドキュメンタリー監督レオ・フルヴィッツ。
    当局の許可は下りたものの、3人の判事の了解が取れていない状況の最中、フルヴィッツはエルサレムに到着。判事たちが難色を示す理由がカメラが目立ちすぎることだったので、壁に穴を開けてそこから撮影することを思いつく。

    政治の壁、技術的な問題、さらにはナチの残党による脅迫などさまざまな壁を乗り越え、4月11日、裁判は初日を迎えた。

    法廷で112人に及ぶ証人が、生々しくホロコーストの体験を語った。ホロコーストの残酷な実録映像も証拠として流された。それを見聴きし撮り続けている現場のスタッフの方が体調を崩すほどの壮絶なものだった。

    それでもアイヒマンは顔色一つ変えることなく、罪状を否認していく。
    アイヒマンは「怪物」ではなく、我々と同じような平凡な男だったはずだ。何がそんな男を何千人もの子供を死に追いやる人間に変えたのか。人は、状況下によっては誰でもファシストになる可能性があるのだ。

    それをカメラの前で暴き出したいフルヴィッツだったが、アイヒマンはなかなか表情を崩さない。
    焦りとイラ立ち、そして無力感から監督を降りようとすら考えたが、逗留先のホテルの女主人から、「あの裁判のおかげで、周りの人も興味を持ってくれるようになったし、私のようなホロコーストの生存者は『ホロコーストについて語ってもいいんだ、嘘だと言われなくてもすむんだ』と思えるようになった」と感謝され、思いとどまる。

    こうして4ヶ月の間、フルヴィッツらによって撮影された映像は、世界37カ国でTV放映された。アメリカの3大ネットワークでも放映され、イギリスのデイリーニュースは速報で伝えた。ドイツでは人口の80%がこの放映を観たといわれている。
    そして死刑判決が下り、1962年6月1日、アイヒマンは絞首刑に処せられた。

    アイヒマンという男の「人間ドラマ」を撮りたい、「凡庸な悪」を証明したい監督フルヴィッツと、裁判を「ショー」と割り切り視聴率を取りたいプロデューサーのミルトン。
    その信念の違いもあるも、「真実を世界に知らしめたい」という情熱は同じ。アイヒマン裁判の裏話としてとても興味深い映画でした。
    公式サイト:http://eichmann-show.jp/


    ところで、南米にナチスが逃亡することができたのって、裏で当時のアルゼンチン大統領、フアン・ベロンが支援してたからんですね~。
    ということが今読み始めたガイ・ウォルターズ著『ナチ戦争犯罪人を追え』に書いてありました。

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    ほんとは大掃除しなきゃならない・・・けど、ちょっと読んでみようか。

    『検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男』『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』感想

    最近、amazon prime で映画を観ることにハマっているのですが、
    戦後、南米に逃亡した元ナチス幹部、アドルフ・アイヒマンの逮捕に尽力したユダヤ系ドイツ人の検事、フリッツ・バウアーについて描いた作品を立て続けに観ました。
    アイヒマンが南米に潜伏していたことは知っていましたが、逮捕の陰にバウアーがいたことは初めて知りましたし、元ナチスが政府の中核にまでいたことも初めて知りましたね。

    「ナチスの戦争犯罪の時効まであと7年に迫り、フリッツ・バウアー検事が中心となってナチ犯罪追及センターが設立された。彼の調査で、ナチス親衛隊アドルフ・アイヒマンの逃亡先がアルゼンチンであるとの情報を掴む。」

    『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』



    「1950年代後半のフランクフルト。ナチス戦犯の告発に執念を燃やす検事長フリッツ・バウアーのもとに逃亡中のナチス親衛隊中佐・アイヒマン潜伏に関する手紙が届く。
    アイヒマンの罪を法廷で裁くため、国家反逆罪に問われかねない危険も顧みず、その極秘情報をモサド(イスラエル諜報特務庁)に提供する。しかしドイツ国内に巣食うナチス残党による妨害や圧力にさらされたバウアーは、孤立無援の苦闘を強いられていくのだった…」

    (両方ともAmazon Prime の作品紹介より引用)



    フランクフルトで検事総長をしていたフリッツ・バウアーは、戦後のドイツが過去を忘れ、元ナチス党員が公職に就くことを禁じたにもかかわらず、政府高官にまでいる状況を憂慮し、「ドイツは過去と向き合わねばならない」と元ナチスを逮捕し法廷で裁いた「フランクフルト裁判」の立役者です。
    (この辺りは、『顔のないヒトラー』という映画で詳しく描かれています。)

    2作品とも、実在のバウアー氏に外見を似せてきているし、執務室とかのセットもあらすじもほぼ一緒なのでどっちがどっちのエピソードだったかこんがらがるんですが、
    どちらの作品にもバウアーの考えに共鳴し、手足となって働く若き検事が出てきます。
    前者の作品では、血気盛んなヘル検事。もうすぐ子どもが生まれ金が必要ということで、内通を引き受けますが、最後は改心(?)しますが、内通者であったことがバウアーにバレて職場を去ります。

    後者の作品では、(当時違法だった)男と同衾する写真をばらまかれたくなければ、モサドに情報を流したバウアーを国家反逆罪で告発しろと脅されても、バウアーを守るために自首するアンガーマン検事。
    バウアーは若い世代に期待していました。
    『アイヒマンを追え!』の方で、討論番組で若者たちに、「ドイツ憲法を誇るものいいが、本当に誇るべきは『善行』というもので、自分たちが父や母、息子として何を行うかが大切だ。」というようなこと語りかけていました。

    元ナチスたちを追うのも「ユダヤ人の個人的な復讐」と批難されていましたが、そうではなくて、

    この若い世代への期待が、バウアーが元ナチスたちを追う原動力だったんでしょうね。
    またこの作品で知ったのですが、バウアーが同性愛者で、ドイツでは当時、同性愛は刑法175条で禁じられていたんですね。
    嘘みたいな話ですが、19世紀のドイツ統一まもない1871年に制定され、廃止されたのは20世紀の再統一の1994年になってからのようです。
    作品中、バウアーの性的指向がクローズアップされるのは、ユダヤ人同様、同性愛者もナチスの迫害対象であったことも示しているのかな。
    これをネタにバウアーは失脚させられようとしてましたが、結局その「文春砲」みたいのが出たかどうかは映画では出てこなかったな。

    『帰ってきたヒトラー』感想

    1945年に自殺したはずのヒトラーが、2014年のベルリンにタイムワープ。物まね芸人として大ブレイクするという、荒唐無稽のコメディー。


    ティムール・ヴェルメシュ原作の同題小説は、2012年にドイツで発売され、同国内で250万部を超えるベストセラーとなったそうです。

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    テレビ局をリストラされた青年・ザヴァツキは、ヒトラーを物まね芸人として売り出し、テレビ局に返り咲こうと画策。彼を連れて、ドイツ中を行脚して「現代にヒトラーが甦ったら人はどう反応するか」という企画を、ドキュメンタリー形式で撮影することに。
    驚いたことに、それほど拒否反応はなく、それどころか「何かの撮影?」とノリノリで一緒に自撮りをしたり、抱きついたりする人も。
    ヒトラーが「現在困っていることはなんですか?」と問うと、「昔はよかった。次に選挙に出たら投票するよ」などと現在の政治に不満を漏らす人もいた。


    ヒトラーは当初こそ戸惑うものの冷静に状況を判断し、次第にその立場を利用しはじめた。
    ヒトラーは昔と同じことを語っているだけだった。偏狭なイデオロギー、世界制服の野望、ユダヤ人憎悪。ただ、その振る舞いがモノマネ芸人の痛烈なブラックジョークと勘違いされただけなのだ。

    ヒトラーの動画は人気を呼び、テレビに登場するや否や、得意の話術で一躍人気者に。
    ところが、ヒトラーの起用を決めたテレビ局長のベリーニが気に食わない副局長のゼンゼンブリンクの企みで、ヒトラーの人気は急落。テレビ界から干される。

    しかし、暇な時間で本を書いたところベストセラーになり、もともと映画監督志望だったザヴァツキが監督で映画化されることに。
    しかしザヴァツキの恋人がユダヤ系だと知ったとたん、ユダヤ人への偏見をあらわにするヒトラーに嫌悪し、自分と出会うまでの過去がまるでわからないヒトラーに「もしかして本物なのでは」と疑念を抱き始め…。


    そうなんだよ。
    ヒトラーが語っていたことって、ユダヤ人がらみを抜きにしたら、ちょっと言い方が過激だけど、よくある内容というか政策なんですよ。

    「強いドイツ」とか、貧困や失業問題をどうするかとか・・・・「ユダヤ人排斥」を「移民」に置き換えたら、状況は当時とそんなに変わっていないと言えるかもしれない。
    当時は、「ユダヤ人がドイツ人の仕事を奪う」と言っていたけど、今は「移民がドイツ人の仕事を奪う」になる。

    混沌とした世界情勢の中、多少過激でも「進むべき道はこうだ」と示してくれる人に民衆がなびくのは、今も昔も変わらない。
    今のアメリカがそうだしね。

    コメディーなんですが、ヒトラーをおちょくることはせず、インターネットを使いこなすスマートなデマゴーグとして描いています。
    そこが
    「現代にヒトラーが現れたら・・・」の反応がリアルにありそうと思わせたり、
    ブラックジョークの極みと思わせるところでもあります。

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