オープニング、上半身裸で腕立て伏せなどで躰を鍛える王の姿。ファンサービスですね、わかります。
宮廷内の最大派閥「老論派」の策謀により、祖父である先代王に父・思悼世子を殺され25歳という若さで祖父から王位を継承した李朝第22代国王、イ・サン。常に暗殺の危機にさらされる中、心を許せる家臣はただひとり、尚冊(書籍の管理をする官僚)として仕える宦官のカプスだけだった。
1777年7月28日。イ・サンの失脚を狙う先代王の後妃・王大妃と老論派の重臣たちは、イ・サンの暗殺を企てる。そのために腕の立つ殺し屋・ウルスが呼び寄せられた。
愛する女・ウォレを盾に暗殺の実行を迫られたウルスは、それを承諾する。
ドラマ「イ・サン」のソンヨンが、ここではイ・サンの前に立ちはだかる悪女に!
少女のようなイノセントな美しさにもかかわらず、王を窮地に追い込むダークな眼差しにクラクラします。
意識してやっているのかどうかわかりませんが、その他の配役も、ドラマ「イ・サン」の役者さんを彷彿とさせるんですよね。ホン・クギョンとか・・・。
イ・サンの生母、恵慶宮は、王大妃がイ・サンに命を脅かすような発言をしたと聞き、王大妃の侍女である、まだ幼いポクピンに毒薬を授ける。
悩んだポクピンは姉のように慕う女官のウォレに相談するが、王大妃に知られることとなる。
王大妃は、自分を毒殺しようとしたかどで恵慶宮を捕える。しかし母の命乞いすらせず、脅しに屈しない王を見て、王大妃は暗殺のゴーサインを出す。
尚冊の足の裾に血がついているのに王が見咎め、それを不審に思った近衛隊長のホン・クギョンが拷問にかけると、尚冊は恐るべき告白をした。
自分がアン尚善と組んだクァン老人のもとで殺し屋として育てられ、刺客として王宮に送り込まれたこと。そのようにして育てられた子供たちがたくさんいることを。
幼いころから常に自分の傍にいたカプスが刺客だったことに衝撃を受けるが、彼を赦し、カプスを追放する。
「昔、庭で鯉を釣ったことがあったな。あの時は刺客だったのか」
「いつからだ、刺客でなくなったのは」
そう言い募るイ・サンが哀れで・・・。
ウォレも実はクァン老人が放った刺客の一人だったが、ポクピンを救いたいがために、暗殺計画を王に漏らす。
深夜、寝殿の屋根に潜んだ刺客たちを、ホン・クギョンの近衛隊が鉄砲を持って待ち受ける。激しい応戦の最中、王のもとまで迫ったウルス。
振り下ろす刃の下に飛び込んできたのは、クァン老人のもとで兄弟のように育ったカプスだった・・・。
王室の寝殿の屋根まで刺客が侵入した、朝鮮王朝500年の歴史上、空前絶後の暗殺未遂事件「丁酉逆変(ちょんゆぎゃくへん)」を題材にした映画です。
鉄壁の守りであるはずの王宮殿の、王の寝所のすぐそばにまで刺客が来ることができるなんて、イ・サンの王権がどれほど不安定であったかがわかります。
イ・サンの父、思悼世子も宮廷の派閥争いのために謀殺されたようなものだし、その父を殺した祖父・英祖も兄である景宗と王位を争いました。
こうした政争を経糸に、イ・サン―カプス―ウルスの関係を緯糸にしたこの映画、思った以上に見応えがありました。
ヒョンビン、現代劇のときはなんとも思わないけど、こうして時代衣装を身に付けると、ほんと美しいじゃないの~(←オバさん丸出し)。眼福。
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